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コラム
2021年9月30日

【アルファポリス】プロ漫画家インタビュー!デバイス環境や制作テクニック/黒百合姫先生

アルファポリス 漫画家 インタビュー


物語の中の人 コミカライズ
不老の魔法使いリヒードは、ひきこもり生活に終止符を打ち、外に出る決心をした! 森の中で偶然助けた領主の娘ミケーネから魔法学校の存在を聞いたリヒードは、子供の姿に変身し、ありとあらゆるコネを使って入学を試みる!! 伝説の魔法使いの物語、待望のコミカライズ!!
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黒百合姫/漫画
石川県出身。幅広いタッチと巧みな人物描写が持ち味の二人組。近刊には「妻は、くノ一」(角川書店)などがある。
田中二十三/原作
関東地方出身、在住。2011年末よりweb上にて作品を公開する。2012年「物語の中の人」で「アルファポリス第5回ファンタジー小説大賞」を受賞。



黒百合姫のデバイス事情!


担当

今回のメインテーマは、実際の原稿から作業の過程を紐解いていくことですが、その前にお2人の使用されているタブレットやペンなどの道具周りについてお聞かせいただけますでしょうか?

彩帆
はい、よろしくお願いします。

マナカ
よろしくお願いします。

担当

まずは作業場写真にも登場したペンタブについてお聞きします! 使用されているのはワコムの「Cintiq」とのことですが、こちらはお揃いで使っておられるのでしょうか?

彩帆
はい。同じものを使っています。

マナカ
なんでも2つ買うので、かかる費用も二倍ですね!(笑)


担当

確かに(笑)。液タブとは結構長いお付き合いなんですか?

彩帆
今使っているのは2代目で、「Cintiq13HD」の今のバージョンが出てすぐに買い換えたんです。以前使っていたものは画面が熱くて熱くて……。

担当

画面が熱くて作業しづらい、というのはよく聞く話ですね。どのあたりから液タブをお使いになられているのでしょうか?

マナカ
同人時代から初の商業連載である「幕末恋華・新撰組」(宙出版)の頃は半アナログで、板タブを使っていましたね。と言ってもほとんどの作業はアナログでした。ペン入れまでは紙の原稿でやって、それをスキャンしてトーンを貼っていく方法で。

彩帆
ペン入れもパソコンでやったほうが楽そうだ、ということになって液タブを導入したんです。

マナカ
手元を見ずに画面を見ながら板タブで絵が描けるのであれば液タブじゃなくてもいいんですけど、ずっと紙で描いていた人間なんで、手元を見ていないとどうにも上手く描けなくて……。

担当

なるほど。手元と画面の距離感は、アナログからスタートしている作家さんにとってはなかなかに厄介な問題ですよね。……マナカさんはネーム・ペン入れ・仕上げ、彩帆さんは下絵担当ですが、タブレットの設定や使用しているペンの種類にこだわりはあったりしますか?

彩帆
私はフェルト素材のペン先を使っているくらい……かな?

マナカ
私はあんまりこだわりがなくて、液タブに最初から付いている付属のペンを使っています。芯もデフォルトのプラスチック芯のまま描いていますね。筆圧が弱いので、筆圧感知の設定は柔らかめにしています。

彩帆
私は筆圧が強めなのでやや固めに筆圧感知を設定しています。でも、シャープペン設定のブラシで描いているのであんまり関係ないですね(笑)

担当

筆圧! 確かに大事な要素ですよね。鉛筆なんかは筆圧が強い人だとすぐに芯が減っちゃうイメージですが、ペンの芯も筆圧が強いと頻繁に交換するのでしょうか?

彩帆
斜めにすり減っても芯の交換はほとんどしないですね……2年に1回くらい?

マナカ
ズボラやん(笑)



「物語の中の人」にはこんなテクニックが隠されていた!! 【ネーム編】


担当

ここからは実際の原稿をネーム・下絵・完成原稿・公開原稿の各工程で追いかけながら、お2人にお話をお聞きしたいと思います! 早速ですが、今回ピックアップさせていただいたのはこのページです!


マナカ
以前公開した16話の一場面ですね。

担当

そうです。「物語の中の人」をお読みいただいている読者の方はおわかりかと思いますが、対極の容姿・性格をしているフェイールとマリィが見開きで登場するシーンなんですよね。まずは全ての基本であるネームを拝見したいと思います!


担当

まずはコマ割りについてお話をお聞かせください! 右ページはぶち抜きを使用して、セリフが窮屈にならないようにレイアウトされていますね。そのあとに表情が変化した顔のアップを入れることによって、自己紹介の時間の流れがすっと入ってくる構成になっているかと思います。ニコッと微笑む表情のアップで、上手くテンポが出ていて一気にしゃべっている印象は皆無です。

マナカ
あんまり深く考えず、本能の赴くままにコマ割りをレイアウトしているのでどう語ったらいいか難しいんですけど、あまり単調にならないようにと気を付けています。ページ内のコマ全部がバストアップになったり、同じ大きさの顔がたくさん並んだりしないようにメリハリを意識していますね。

担当

よく新人の漫画家さんが陥りやすいのは、キャラを描こうと意識しすぎてコマの中が人物だらけになっちゃう点ですよね。結果、似たようなコマが連続しちゃう、と。……キャラを目立たせることが悪いわけではないのですが。

マナカ
この回は自己紹介が続くので、顔を描きたいところだったのですが、そこも顔ばっかりだと画面がうるさくなりそうなんでコマぶち抜きを入れたり、トーンだけのコマを入れたり、手だけのコマを入れて「ヌキ」意識しています。

担当

「ヌキ」、非常に大切な要素ですね。読者が読み疲れないよう、適度に情報量の少ないコマを挟むのは重要です。右ページのフェイール、一連の流れが可愛くて、完成原稿でも可愛らしく描かれることが容易に想像できます!

マナカ
キャラが可愛いのはひとえに原作の力だと思います!

担当

お2人の作画が素晴らしいのも多分に影響していると思いますよ! メリハリと似たような話になりますが、ストーリーも読者が読みやすいリズムが維持されている画面作りに感じます。

マナカ
テンポは意識していますね。原作のセリフひとつひとつを拾ってコマを作っていくといくらコマがあっても足りないですから(笑)。連続したセリフのところは1つのコマに、見せ場は大きくコマを使う……といった感じです。ばっさりセリフを端折ってるシーンや、そもそもシーンをカットしてある部分も多いので、原作と見比べて頂けると私流のコミカライズの癖が見抜けちゃうんじゃないかなと思います。

担当

なるほど。マナカさんのネームを拝見していると、コマ内のセリフがイラストをまたぐことがあまりないなぁ、と感じます。基本的に話者の近くにちゃんとフキダシがレイアウトされている、という感じですかね。

マナカ
セリフの順番とキャラの立ち位置をあまり離したくないんです。次のページで前のページと喋る順番が違う場合は、カメラアングルを後方からや俯瞰にして、フキダシの位置をややこしくしないようにしています。一度視点をリセットして整理し直すイメージですかね。

担当

「物語の中の人」は登場するキャラがかなり多いのですが、コマの中で「話者は誰だ!?」となることがないのはそういったテクニックのおかげなんですね! ……左ページ最後のコマ、次のページでどうなるのかが非常に気になるような雰囲気が上手く出ています。

マナカ
左ページ最後のコマは「引き」を意識していますね。この後どんなセリフが来るんだろう、どんなコマが来るんだろう、と読者の方に期待を持っていいただけるように描いています。

担当

なるほど。この見開きページだけでも、マナカさんのネームテクニックが詰め込まれています! で、この頂いたネームに編集部で修正を依頼するための赤字を入れたのがこちらです。コマ割りやフキダシ位置等の画面作りで修正をお願いする必要がなく、セリフ部分で気になるところをチェックさせていただいた感じです!


マナカ
いやー、もう、ネームはラフでラフで(笑)キャラがわかるかわからないかの瀬戸際の絵で(笑)。でも、デジタルでネームをやるようになって楽になりました。

彩帆
マナカオリジナルの創作文字を作っちゃうくらい、字が汚かったからね(笑)

担当

(笑)。それは担当編集も大変ですね。「何か特別な意図があって作字されたのかな…?」なんて思っちゃいそうです。

マナカ
(笑)。ネームがノッてるときは自動筆記状態なんです。思いついた文章を整理せず、そのまま書いている感じですね。頭の中に浮かんだページを忘れないうちに書き写さなきゃいけないので、必然的に字も汚くなっちゃうんですよ(笑)。そんな感じで作業をしているものですから、セリフは勢いで入れてます(笑)

担当

確かに言いたいこと・伝えたいことがストレートに表されたセリフが多い気がしますね(笑)。でも全く意味がわからない……! というレベルではないので、マナカさんの意図や考えを汲み取って、読者の方がよりわかりやすいよう表現を変えるように意識はしています。

マナカ
セリフを理解しやすく直していただけるのはとても助かります。あと、コマ割りの修正があまりないことも本当に助かります。ネームの修正、あんまり好きじゃなくて……(笑)

担当

必要な時はもちろんお願いしていますが、基本的にはコマ割りを直す必要のないわかりやすいネームで助かっています!(笑)



「物語の中の人」にはこんなテクニックが隠されていた!! 【作画編】


担当

さて、設計図となるネームは確定したのでここからいよいよ作画ですね! まずは彩帆さんの担当である下絵を拝見したいと思います! マナカさんが描かれたネームを下絵に起こす際、どんな部分に気を付けておられるのでしょうか?


彩帆
無茶ぶりなアングルを、ちゃんと自然に見えるように描くこと、ですかね。あと、キャラの表情はできるだけそのまま描くようにしてるかなぁ。

マナカ
無茶ぶり(笑)。たまに「すまんなぁー」って思ってます(笑)

担当

絵に起こしたときに出てくる違和感を取り除いていくわけですね。マナカさんのネームに手を加えることはあったりしますか?

彩帆
ネームの雰囲気はそのままにしつつ、より効果的な構図があると思う場合には変えたりしますね。フキダシ位置のバランスなんかも微調整したりします。

担当

なるほど。下絵作業では画面全体のバランスを取っていくことに注力されているんですね。……セリフ部分、気になったりしたりはしないですか?

彩帆
セリフの変更は、むしろ編集さんにお願いしたいところで……。このキャラはこんなしゃべり方しないよ、とかあったらじゃんじゃんと(笑)。そんなわけで私はノータッチですね。マナカのネームに全然不満はないですよ。

マナカ
へへへ(笑)

担当

息ぴったりですね! で、この下絵にマナカさんがペン入れと仕上げを行うと。……それらが完了した原稿がこちらです! あとは編集部でフキダシに写植を入れるだけです!


担当

柔らかなタッチで、この作品に登場するキャラととてもマッチする雰囲気に仕上げていただいているかと思います。

マナカ
アマチュア時代から約20年ほど漫画を描いてきましたが、やっと思うように線が引けるようになってきたかと思います。アナログ時代から筆圧が弱いことが気に入らなくて、力を入れ過ぎた線を引いてしまっていて、ぎこちなくなっていたんですよ。最近はさらっと描けて気持ちいいです。

担当

20年ですか……。ここまで漫画をお描きになられてきて、「漫画」にとって必要なものはなんだと感じますか?

マナカ
漫画は、線が綺麗か汚いか、絵が上手いか下手かじゃなくて、「勢い」が大事なんだなって思っています。

担当

確かに、漫画家さんの「気持ち」みたいなものが画面に表れている作品は、読んでいて記憶に残りやすいですよね。……話は少し変わるのですが、トーンについて何かこだわりはあったりします?

マナカ
デジタル原稿なので、50線や55線あたりを使った方がいいのかなと思いつつ、アナログ時代の癖のままに60線が中心ですね。アップの部分は42.5線や35線です。

担当

なるほど。オリジナルでトーンを作成される作家さんがいらっしゃいますが、マナカさんはどうですか?

マナカ
オリジナルトーンですか。ふんわり系のものをいくつか作ったくらいですね。……実は、あんまりトーンを使いたくない派なんです。できる限り、線とベタのメリハリでなんとかしちゃいたい(笑)。アルファポリスさんで「Web漫画でトーンを重ね貼りするとモアレ※の原因になるのでしないように」と最初に注文をいただいて、それですっごく助かってます。トーンに凝らなくてもいいから(笑)。……でもトーンワークがすごい人は尊敬しちゃいます。トーンワークがうまいのとトーンに頼るのは別物で、自分がトーンに凝ろうとすると後者になってしまいがちなので……。
※モアレ:トーン部分に、本来意図していない模様が表れてしまう現象のこと。

担当

バランス感覚が難しいですよね。

マナカ
今の時代はパソコンでいくらでもトーンが貼れてしまうので、これからは「貼らないこと」と絵とのバランスが重要視されてくるんじゃないでしょうか?

担当

「トーンを貼らない勇気」といった感じですかね。とても参考になるお話、ありがとうございます! ……話を原稿に戻します。次の図のように私がフキダシのフォントを指定して、公開原稿に向けて準備を進めていきます。お2人も初めてご覧になるかと思いますが、テキストの入った下絵に、フォントを書き込んだ指示書を使って写植を入れています。


彩帆
こんな感じでフキダシ指定が入ってるんですね。ほー。

マナカ
写植で文字にメリハリがつくと、読んでいて気持ちいいですね!

担当

写植でフォントを変えるのはまさにそこですね。感情の変化をわかりやすくする意味もありますが、文字にも視覚的な強弱をつけることで、よりキャラの感情も浮かび上がってくるのではないかと思います! ……で、今回の記事冒頭にお見せした公開原稿として読者の皆さんにお届けする原稿が完成するわけです。今回は2ページのみフィーチャーしてお話を伺いましたが、これが毎回30ページほどあるわけです……。

彩帆
月刊ならこれくらいのボリューム、普通にこなさないといけないですよね。

マナカ
もう少しペースを上げて、もっと仕事を回せるようにしていきたいですね。2人組だから2人分働かないと(笑)

担当

頼もしいお言葉、ありがとうございます!



2人のスゴすぎる同人生活時代

――最後は、担当編集とざっくばらんに対談していただければと思います。……お2人のエピソードで、なんかすごい話があるみたいですよね?

担当

数年間、同人活動だけで食べておられてた……というお話は結構すごいことだと思います。

彩帆
売れてるゲームの同人誌を出した時はそうですけど、マイナーなゲームの同人誌を描いていたときは苦しかったですよ。ししゃも時代はひどかった……。発行部数の桁がゼロ1つ違いましたからね。

マナカ
そりゃあししゃも生活になりますよねー(笑)

彩帆
人気タイトルだとマイナー作品の10倍刷っても、ほぼほぼ1イベントで在庫がなくなってましたからね。

マナカ
終盤は委託もしてました。あと、私は分厚いシリアスな漫画を描くのが好きだったんで、100ページオーバーの本とか出してたんですよ。

担当

同人で100ページ超えはかなり珍しいですね! それでお値段はどれくらいの設定だったんですか?

マナカ
おつりを出すのが面倒だったので、コミケでは1000円でしたね。20ページくらいの薄い本は500円です。

彩帆
1000円か500円の2択ですね。おつりを渡す時間あると、列もハケなくなっちゃうんで。

担当

なるほど……! 100ページ以上ある作品ならもう200〜300円上乗せできそうですけど。

マナカ
100ページどころかマックスで244ページの本も出しましたよ。1冊で1つの話になるようにして。

担当

ま、本気(マジ)ですか?

彩帆
だからその本、読んでると背表紙が割れちゃうんです、分厚すぎて(笑)。……あ、さすがに1000円で売ると赤字になっちゃうので、これはお値段1500円でした(笑)

マナカ
でも、その同人誌を出してから、出版社さんに声をかけられるようになったイメージがありますね。凄い本出した奴がいるってウワサになったみたいで。あとから編集部で回し読みしましたーなんて話も聞きましたし。

担当

すごい宣伝になったんですね!

マナカ
好きなことは頑張っておくもんだなって、そのときに思いました。

彩帆
本当に好きなことなら頑張れるんですよ。

担当

おー、名言ですね。重みが違いますよ。

彩帆
寝食を忘れて没頭する。たとえおかずがししゃも1匹になっても、と(笑)。……でも、今冷静に振り返ると周りには不幸に映ってたんじゃないかな……とも思うんですけどね。でも別に不幸だなんて思ってなかったですから。まあ、お金ないから我慢しようね、くらいで。

担当

その状況でバイトをしなかった精神が、プロへの道を切り拓いたのかなと思いますね。

マナカ
でも、バイトをやっておけばその業界の漫画を描けるようになるとは思うので完全に悪いことではないですよね。

彩帆
私は、バイトで体力を奪われて漫画が描けなくなっちゃうのもなーと思ってしまいますね。

担当

安定した収入源になるバイトは、始めるとなかなか辞められなくなりますからね……。

マナカ
その悪循環、どう解決したらいいのかな??

彩帆
……その状況に陥ったことがないからなー(笑)。でも、それが駆け出しの時に待ち受ける、最初のワナなんですよね。そこでせめて漫画家のアシスタントをするなら、画力も磨きつつってなるんでしょうけど、普通のバイトだと厳しいですよね。

マナカ
そういう状況の人は、とりあえず贅沢せずに描こうよ!……ってとこですかね(笑)

担当

お二人は電気とか水道とか、ライフラインを止められたことはないんですよね?

彩帆
そこまではないですかね。

マナカ
そういえば、1回だけローンに手を出したことはあります。同人誌を印刷する経費で、出せば回収できる額でしたけど。

彩帆
コミケで本を出さないと生活できない、という状況だったんで。

マナカ
火事で焼け出された時期だったというのもあるんですけどね。あのころは自転車操業でした(笑)

担当

コンビだったから乗り越えられたという感じでしょうか?

彩帆
そうですね。経済的な面では家賃、光熱費、食費も折半になるので耐えられました。

マナカ
同居しているコンビのメリットですね。広めの家も借りられるし。



黒百合姫が抱くアルファポリスのイメージ

――では話題を変えて、他社と比べて「アルファポリス」ってどんなイメージでしょう?

担当

言いにくければ、私は席を外しますので……(笑)

マナカ
(笑)。他社さんと比べて……すごく変わってる感じはないですね。私たちがヨソでも割と自由にやらせていただいているのもありますけど(笑)

彩帆
そうですね。他社さんでもネームはほとんどボツなしですし。もちろんボツを出す会社さんとも付き合いはありましたけど、そこは私たちに描かせたいものと私たちの描きたいものの認識が違うんだろうなと考えて割り切ってました。……結局は描きたいものを描かせてくれるところにお世話になってますね。

マナカ
「物語の中の人」ではセリフの言い回しに修正が入ることはありますけど、ネームを大きくいじられるってことはほとんどないですよね! あ、アクションシーンは迫力が出るように頑張りましょうって、オーダーされたことはあります(笑)。止め絵の空気感が好きなので、動きがある描写は苦手です……。

担当

今まで無茶な要求をされたこととかありますか?

マナカ
それは……ありますよ! ありますけど……言えない(笑)

彩帆
ゲームのアンソロジー漫画を描いたときは、元のキャラに寄せて描くのが大変でしたね。ある作品で、アゴをもっと細く細く! と言われて、えー……と思いながら描いたこともあります。修正を上げても「まだ足りない! もっと細く」って(笑)

マナカ
ネームはそんなに修正がなかったんですけど、とにかく絵は元のキャラに寄せて! と。裏ではゲーム会社さんのほうからもっと注文があったのかもしれないですけど、当時の担当さんが腰の低い方で……。きっと間に入って大変だったんだろうなーと、今になって思いました(笑)

彩帆
そのときは、とにかく男性キャラのディティールに対して厳しかったですね。女性キャラはほぼ一発OKなのに(笑)

担当

それは大変でしたね(笑)。……「物語の中の人」に関しては、原作者の田中二十三先生が比較的自由に任せてくださいますね。毎回の更新も楽しみにお待ちくださっていますし。

マナカ
やりやすくてありがたいですね。

担当

何かやりにくかった仕事とかはありますか?

マナカ
やりにくそうなところとは、大体仕事が本決まりになる前にご破算になりますね。あのときあの仕事しとけば、もっと大作家になってたかなー(笑)と思うような大手誌の仕事もありますけど、たぶんうまくいってなかったと思うので。

彩帆
ネームのOKが出てて、先方の都合でポシャるというのが続いたりして……(遠い目)

マナカ
そこを乗り越えて……ってこともあるとは思うんですけどね。でも、Web漫画も近年どんどん市民権を得てますし、あまり大手の大雑誌にこだわる時代でもないかなーとは思いますね。

担当

どの大手出版社もWeb展開始めてますからね。そんな中、10年後にお2人はどうなってるか予想つきますか?

彩帆
10年前と現在を比べても、想像と全然違うというか、予測できた未来ではないので、今後どうなっていくかはホントわからないですね。

マナカ
やりたいことはいろいろありますけど、とりあえず「物語の中の人」がアニメ化されて、それで我々の認知度が上がって、オリジナルの漫画も展開できれば(笑)

彩帆
10年もあれば、それくらい行っててくれそうですけどね。

担当

非常に使いやすいコメント、ありがとうございます(笑)

マナカ
まあ実際は、今みたいにコツコツ描いてるんじゃないでしょうか。今までの経歴的にもわりとコミカライズに特化した技能持ちだと思うので、原作と絵の上手な新人漫画家さんの間に挟まるかたちでコミカライズのネームを手掛けるとか。ゲームや小説のコミカライズが増えている中、絵は描けるけど漫画が描けないって方も多いじゃないですか。なので、私たちの絵が時代についていけないようになったらそういうことをやるのもいいんじゃないかなって思ってます。

担当

なるほど。「物語の中の人」アニメ化について、担当としましては10年と言わず5年くらいで仰られた目標が達成できていればと思います。

マナカ
がんばりましょー。あ、私、中学生頃からずっと初詣には「ビッグになれますように」ってお祈りしてるんで、一緒に自叙伝出せちゃうくらいビッグになりましょう(笑)



黒百合姫に死角はないが、猫好きゆえにピンチはあった

――連載している上で、ピンチだったことはありましたか?

担当

「物語の中の人」の連載期間には特にないですかね。いつも締め切り前にきっちり上げていただいてます。

彩帆
原作に追いつく心配以外は大丈夫ですかね(笑)

担当

過去には? 1回目で言っていた雑誌がなくなる以外で……。

マナカ
猫を2匹飼ってたんですけど、1匹が亡くなったときはピンチでしたね。当時、新連載を始めるというタイミングだったので……。そのときの担当さんに「猫が死んじゃったので原稿が遅れます」って泣きついて。そしたら担当さんも編集長さんも猫好きでいらして、「じゃあしょうがない!」と言っていただいて、締め切りを延ばしてもらいました。もし「だからどうした! 仕事しろ!」とか言われたら、あー火葬場にも行けない〜って泣いてたかも。関係者一同、全員猫好きでそのときは本当によかったです。

担当

今残った猫が亡くなったら、半年海外旅行すると宣言されているので、我々も猫ちゃんは気にかけておきたいと思ってます。差し入れにいいキャットフードとか探して(笑)

マナカ
お願いします(笑)



描きたい作品が描ける……それがアルファポリスの魅力!

――最後に、お2人がアルファポリスで描くメリットといえば何でしょう?

担当

率直なご意見を……(笑)

彩帆
私たち黒百合姫的には、今までとは違った層の読者さんを相手にできるってことですかね。

マナカ
これまでは、オファーに合わせて漫画を描いてましたけど、アルファポリスさんでは自分の好きなファンタジーが描けて嬉しいです。ゲーム好きの2人には持ってこいのいい環境ですね。私たちはゲームで血肉ができてますから。頑張って、いつかオリジナルの作品も発表できるといいなと(笑)

担当

ウチはもう、「とにかく面白いものを!」くらいしかお願いしないですからね(笑)

マナカ
そういう自由なところが好きです。

彩帆
描きたいものを描こうとするとポシャることが多かったので……いいですね。

担当

それもめぐり合わせですかねー。

マナカ
さすがに自叙伝がファンタジーだと怒られるかなぁ? 私たちは聖地ストーンリバーで生まれた妖精族の末裔で……。

担当

そこは実話でお願いします(笑)


――本日は、長い時間いろいろ楽しいお話ありがとうございました。まーまー書けない話も多かったですけど(笑)

担当

アハハ、そういう部分はご内密に。お2人とも本当にお疲れさまでした。

マナカ&彩帆
ありがとうございました!




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