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コラム
2023年8月23日

漫画家として健康を維持するにはどうすればいいですか?

ボンジュール!フランスの漫画専門出版社Ki-oon(キューン)東京オフィス代表のキムです。漫画編集者として様々な作家さんとやりとりをする中で、長期に及ぶ漫画制作において健康維持がどれだけ大事なのかを日々実感しています。長時間にわたり、一人で作業をすると体にもメンタルにも影響が出ることがありますが、弊社のオリジナル作品の作者の方々にその対策について聞いてみました!

●日本人作家の場合

ippatu先生
「虎鶫 - Tsugumi Project」※Ki-oonと製作

日本語版について:週刊ヤングマガジンにて連載中。1巻~6巻絶賛発売中。

自分の作画スタイルはタブレットを70~80度に立てていることです。年休みゼロで毎日15時間以上作画作業しているのに、なぜ肩こりや腰痛になったことがないのかと分析したところ、このスタイルのおかげなのでは、と。この手の話しで椅子が最重要という話になりますが、画面立てて背筋よくしていれば椅子は何を使っても問題なしなのではないかと思います。自分が使っている椅子は10年以上キッチンチェア(1000円くらいのアウトレット品)です。

白井黒先生
「リバイアサン」※Ki-oonと製作

日本語版について:ジャンプ+にて連載済み。全3巻絶賛発売中。

健康維持にあまり気を使っていませんが、ウォーキングなどをすることはあります。 その時間が漫画制作の情報を整理する時間にもなっています。

隅山巴文先生
「Lost Children」※Ki-oonと製作

日本語版について:別冊少年チャンピオンにて連載済み。全10巻絶賛発売中。

私が漫画制作期間中、健康維持のためにしていたのは「無理をしない」ことです。自分のキャパとレベルを把握し、実力以上のことをしようとしない。
・休みも仕事のうちと思って休暇を意識的に取る
・疲れ果てるまで作業をしない
・毎日8時間睡眠
・1日30分程度の散歩
・時短になる作画技術を積極的に取り入れる
・作業環境への投資(椅子、PCなど)
全力は持続しないので、漫画やイラスト制作を生業とされている方には、遊びやゆとりを大切にしていただきたいです。後々やればよかったと思っていることは、散歩以外のもう少し強度の運動習慣を持つことです。

武田登竜門先生
「DOGA」※Ki-oonと製作中、「BADDUCKS」双葉社にて全巻発売中

日本語版について:秋からWebアクションにて連載予定。

実践している健康維持法は、
・「その時一番やりたいこと」をやるようにする(作業でも、映画やゲームや工作でも)、そのために作業部屋には色々と好きなものを置いておきます。「本業の気分転換」というよりは精神的に苦痛のない状態で過ごすのが自分にとって一番大事です。
・パラパラを踊ります(肩・腕をものすごく使うダンス)。

叶輝先生
「Outsiders」※Ki-oonと制作、「上海ルーザー」あすかにて連載中

日本語版について:あすかにて連載、全5巻絶賛発売中。

健康維持のためにいろいろありますが、
1、腱鞘炎緩和と予防で、コンドロイチンサプリメントと、サポーターを使用中
2、デスクワーク肩こりや体の痛みをとるためにできるだけ毎日、10〜30分の有酸素運動と筋トレ、最低でもストレッチを毎日するようにしています。
この二つのおかげで医療費とマッサージ・整体費用抑えられました。また、女性限定ですが、pmsと月経困難症で半月体調不良があったりする人は低容量ピルや漢方等がおすすめです。逆にやれば良かったのは、子供の頃からの体力づくりです。

佐々野まりえ先生
モモとタイヨウノツカイ」※Ki-oonと制作、「夕暮れクリスタル」LINE漫画で連載

私はとにかく肩が凝るので腕を後ろに回すストレッチは結構やっています。元々運動が苦手なので万年運動不足ですが、時々原稿の気分転換に家族でお散歩することはあります。作業環境ですが、腰も痛くなるので椅子にクッションを置いています。また、最近はiPadスタンドを買いましたので、それを使うようにしたら真下を向いての作業じゃなくなったので、肩の負担が減った気がします。

●フランス人の作家の場合

SHONEN(ショウネン)先生
「超級装備で無双して、異世界王に俺はなる ! – Outlaw Players」

日本語版について:月刊少年シリウスにて連載、1巻・2巻絶賛発売中。

漫画家になってもう17年が経っていますが、健康管理は仕事を長く続ける上で不可欠であることがわかってきました。家ですと集中力が保ちにくいので、私はよくカフェで仕事をしています。その方が仕事のスイッチが入ります。また、外出し歩くことによって運動も頭の整理もでき、刺激にもなります。

Zilo(ジロ)先生
DreaMaker

座りっぱなしなので、気をつけないと痔や便秘になったり、太ったりします。また、前屈みの姿勢をすると肩と腰にも負担がかかります。根本的にその全ての問題を解決する方法はただ一つ:運動をすることです!ジムに登録してから奇跡がおきました。便秘が治り、背中の痛みがなくなり、血流も良くなりました。最初は週、三回、最近は週・5回に通うようにしています。正直たまに1週間家からほぼ出ない時もありますが…。また、ジムに通うことで新しい経験と出会いもあるおかげで、孤独感が和らぎ、刺激を味わえます。コーワキングスペースやカフェで仕事をすることもあります。いつも一人で引きこもると外の世界との接触が多少怖くなるだけではなく、モチベーションも保ちにくくなるので、バランスの取れた生活を心がけています。

●スイス人の作家の場合

Yami Shin(ヤミ・シン)先生
グリーンメカニック

私の場合、数年前から骨・神経・筋肉関連の痛みを両腕に抱えています。そのため、特別な治療とリハビリをする必要があります。まずは外で散歩したり、軽い体操やヨーガをしたりし、体を動かすこと。そして、姿勢を正すこと。その上に、ストレス管理のために呼吸方法や瞑想の練習をしています。現在は仕事環境を整え、立って描いているおかげで楽になりましたが、背中の筋肉を強くしないといけません。もしやり直す機会があれば、最初からもっと運動したり、歩いたり、前屈みの姿勢を治したりしていました。そのほか、食べ物により気をつけ、より頻繁に水を飲み、脂肪・砂糖の摂取量を抑えました。結論としては、問題が起きる前に対策をしましょう。最後に、別問題で子宮内膜症がありますが、薬のおかげで痛みが抑えられています。

結論
国籍に関係なく、漫画家という職業の課題には共通点があります。背中・腰・腕の強化、外の世界との接触、頭の整理と仕事環境の整備など、対策は人それぞれですが、経験を共有することで状況が改善できるかもしれません。この場を借り、是非情報交換をしてみてください!




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