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ノウハウ
2024年2月16日

くらげバンチ編集部から連載を目指す漫画家へのアドバイス

くらげバンチは新潮社がお届けするWEBマンガサイトです。毎週火曜日・金曜日更新、登録不要かつ完全無料です。『極主夫道』『訳アリ心霊マンション』『絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男』などが連載されています。
今回、くらげバンチにて新たに『スポーツ漫画賞』が開催されることを記念し、事前に募集した質問や疑問に対して、くらげバンチ編集部から回答をいただきました。是非チェックして漫画制作に活かしてみてください。


●漫画制作のノウハウ
●新人漫画家
●漫画賞・審査
●漫画作品の持ち込み
●くらげバンチ
※選択後、該当箇所まで遷移します。



漫画制作のノウハウ

漫画の主人公像として求められているものはありますか。バトル漫画、恋愛漫画、ジャンルによって違いはあると思いますが

ジャンルによって描き方は違うと思いますが、共通して言えるのは「目が離せない主人公」です。バトル漫画や恋愛漫画では「応援したくなる主人公」が魅力的に映りますし、ジャンルによっては逆に「痛い目にあってほしい主人公」にしたって良いかもしれません。キャラを作るには共感が大事、とはよく言われますが、何を考えているかわからなくて謎も多い主人公、だってついつい目を追いたくなる魅力的なキャラだと思います。とにかく、注目を集められる主人公を求めています!


連載するのは面白い作品...というのは大前提として他要素として見ている部分はなんでしょうか

「どういった読者の方に、どんな風に楽しんでもらえるか」をきちんと理解して作っていることは商業マンガにおいて大事な要素と思います。また、くらげバンチでは今までにないテーマ、表現、キャラクターなど、どこか「新しさ」を感じられる漫画が掲載されやすい傾向もあります。


編集からインプットちゃんとしろと言われるのですが、この場合どういうインプットが求められているのでしょうか

エンタメに触れる(漫画、映画、アニメ、テーマパークでも何でも)、様々な人生経験をする。大まかにこのあたりではないかと思います。人の思考やアイディアは、その人が獲得してきた感情を源にして生まれます。何が自分の心を動かしたか、何にむかついたか、何がつらかったか、そういう感情が自身の中に無ければ、他人の心を動かす物語を作るのは難しいと思います。
まずは漫画以外の色々なことに挑戦してみる、色々な人と出会う、色々なものを見る。自分の感情を動かすものと出会ってください。それこそがインプットだと思います。


昨今電子販売やアプリによる閲覧などで見開きでドーンみたいな描写が減っている印象ですが、これは編集部的にどうなんでしょうか。意図的にしないようお願いしているのでしょうか。

おっしゃる通り主にスマホで漫画を読む方々が増えている為、見開きのシーンを使うか使わないかは都度漫画家さんと議論する形になりました。その作品の紙の読者が多いか多くないか等、諸々の条件を考慮しつつのご相談になります。


自分の得意なジャンルを描くべきだとは思うのですが、イマイチ自分が何が好きか、何が得意かわかりません。こんなときどうアドバイスされますか

とにかく色々興味あるジャンル、描きたいものを描いてみてくださいとお伝えすると思います。例えば、目の前に100種類の食べ物があったとして、食べてみなければ、それを自分が好きかどうかは分からないですよね。まずは数を描いてみる、それを繰り返していく内に「これは描きづらい、これは描いてて楽しい」が少しづつ明瞭になります。描いていて楽しいジャンルが貴方の得意なジャンルだと思います。


ネームってどのくらいの粒度でかくべきなんですか

「誰が何をしていて、どこにいるか」最低限これが読む人に伝わる粒度なら問題は無いかなと思います。ただ、自分のネームで出来るだけ多くの情報を描きたい、できるだけ担当編集者に粒度多く伝えたいならある程度描き込んでも良いかなと。担当編集との話し合いで決めるべきかなと思います。


商業的観点で売れるマンガの条件って何でしょうか

編集という立場から、作品作りに限ってお話させていただくと、「作家の面白い」と「読者の面白い」が重なり合う面積が大きい作品は売れやすいかと思います。作家さんが面白いと思っている部分を同じく面白いと思ってくれる読者が多い作品は、そういう意味では売れやすいです。一方で、そういう読者が少ない作品でも、一部で熱狂的な人気が出たりします。どちらにせよ、「読者の面白い」は時流や地域によって絶えず変化しますが、このニーズをしっかりと認識しようとすることは創作活動においてプラスなのかなと思います。



新人漫画家

編集者が新人漫画家育成するにあたり大事にされることはなんですか

私が一番大事にしてほしいことは“拘り”です。多くの読者に読んでもらうために、編集者や、編集長の意見を様々反映させ修正を行って頂いた際に、その作家さんらしさが残る部分が“拘り”です。その“拘り”こそが、漫画を描かされているのではなく、漫画を自ら描き続ける為のモチベーションにもつながります。また、漫画家さんとしての力量がつき、読者がついてきたときに、そこは“強み”へと変わっていきます。


Xのフォロワー数って重要視されますか?

Xのフォロワー数が連載会議の結果等を左右することはありません。くらげバンチで活躍されている方のなかにはSNSアカウントを持っていない作家さんもいらっしゃいます。もしも担当した方のXのフォロワー数が多かったら、その特性を活かした販売促進案を提案することはあるため、フォロワー数が多いと選択肢が広がるということはあると思います。


こういう漫画家は伸びていくなぁみたいな法則はありますか

まず一つにはネームを早いペースでどんどん上げてくださる作家さんは伸びやすいです。そして、編集や読者からの感想など第三者からの意見に対して、どうしてそんな感想を持たれたのか、しっかりと自分なりに考えて、作品に落とし込める作家さんも伸びやすいです。要約すると月並みですが、努力の量と質のレベルが高い作家さんほど伸びやすいです。



漫画賞・審査

漫画賞の審査基準が知りたいです!

漫画賞で求めているのは「非の打ちどころがないカンペキな作品」ではありません。アイデア、画力、ストーリー、ギャグセンス、キャラ、などなど、何か一つでも「強み」が伝わってくる作品は受賞しやすいです。うまくまとめる力も必要ですが、まずは自分が描いている作品の魅力は何なのかを意識し、その武器を磨いて伸ばして欲しいです!


学校のテストみたく点数つけにくいと思うのですが、漫画賞では具体的にどういう点を見るのでしょうか

「アイデア」「画力」「ストーリー」「ギャグセンス」「キャラ」などの要素を総合的に、かつ一つでも「強み」が伝わってくるか、で判断しています。くらげバンチの漫画賞から連載デビューをされた作家さんたちは皆さん「強み」が特に際立っていたように思いますので、これから投稿される方にも是非続いて欲しいです!


ネーム漫画賞を受賞すると、作画さんにお願いして受賞作を形にしたり出来るのですか

受賞すると以下の3パターンの流れが考えられます。
①そのままの形で作画家さんに描いてもらい掲載する。
②担当編集と打ち合わせをし、その漫画をもっとブラッシュアップする。
③担当編集と打ち合わせをし、全く違うネームを制作する。
受賞すると担当編集者が付きますので、どの流れになるかは相談してもらえればと思います。


何回か同じ賞に出していますが落選ばかりです。出し続けていいのでしょうか、編集部としては呆れられてしまうものでしょうか。

出し続けていただいて全く問題ございません。数度目の投稿で初の受賞をされた方も多数いらっしゃいます。編集部としてもその熱意を含めて真摯に審査させていただきますので、何度でもご応募いただけると嬉しいです。


くらげバンチ編集部さん、こんにちは。今回は描き手側としての質問なのですが、漫画賞の審査基準や、作家さんに連載を持たせるのに重視している所(画力、話の面白さ、作品のジャンル)等はありますか?そして、連載や漫画の賞を貰った事が無い全くの無名な作家はやはり目に止めて貰うのは難しいのでしょうか?

>漫画賞の審査基準
くらげバンチでは編集長含めた全員で応募作を読ませていただき、その評価を元に会議で選考させていただいております。審査基準は一概には言えませんが、絵が拙かったり、粗削りでもキャラクターやストーリーに個性や驚きがあったり、読んだ後も記憶に残る作品は評価が高い印象です。

>連載を持たせるのに重視している所
編集者それぞれ色々な意見があると思いますが、個人的にはマンガ家さんのその作品に対する熱量はとても大事だと思っています。その作品のキャラクター、世界観、ストーリー、描き方などに対して、作者がどこまでの熱量を込めているのかは、読者の皆さまにも伝わると感じているからです。

>無名な作家
くらげバンチでは、連載未経験の新人作家さんも多数ご活躍いただいております。キャリアに関係なく、「面白い!」と思うマンガを描かれましたら、ぜひ読ませていただけますと幸いです。



漫画作品の持ち込み

持ち込みするにあたり、どんな作品やページ数がいいとかありますか

何でも大丈夫です。強いて言えば、ジャンルは一番自分が好き・得意なもの。ページ数は、読切なら40p以内だと良さそうです。(それ以上になると要素がテーマがばらけたり、テンポが悪くなる可能性があるため)


漫画の持ち込みをしたいと考えています。持ち込みの際、編集者はどういう点を見るのでしょうか。なにか粗相してしまわないか不安です・・・

イラストについては、画力・表情が魅力的かを見ています。ストーリーについては、起承転結があるか・盛り上がりがあるか・ユニークか・自己完結していないかを、その他の点としてはコマ割や演出・セリフが生き生きとしているかを確認しています。「漫画を描いて持ち込みをした」←この時点で100点なので、リラックスしてお越しください。待っています^^


持ち込みに行くに当たり、忙しい時期忙しくない時期あるんですか

特にはございません。いつでもお待ちしております!^^


作画だけで頑張りたいという需要はあるのでしょうか。原作パートナーはいません

作画希望の方、大歓迎です。こちらで原作をお探しし、マッチすれば連載に向けてスタートします。くらげバンチは異世界系だけでなく、色々な原作つきの作品がございますので、お気軽にお持ち込みください^^



くらげバンチ

現在のくらげバンチさんではホラーやエッセイ(実体験に基づいたフィクション)が強みというか、強化中、多いような印象を受けてます。スポーツに特化した漫画賞も新設されましたが『これから増やしていきたいジャンル、このジャンルの連載をはじめたい』などありますか?

くらげバンチには基本的にジャンルの縛りはありません。どんなジャンルの作品も常に募集しています!その上で、敢えて増やしたい作品を答えるならば「更新が待ち遠しくなる作品」です。「続きが気になる作品」と言い換えることもできるかもしれません。そういう意味では、「ホラー」や「サスペンス」、「スポーツ」などなど、次回どうなってしまうんだ⁉というヒキが作りやすいジャンルは有利かもしれません。「エッセイ」についても、読者の好奇心を刺激できる作品、知らない世界を覗ける作品は、気になって読んでしまいそう。あなたの経験がそのまま企画になるかもしれません!


くらげバンチさんの編集ってどういう方がいますか?

やさしい人が多い(らしい)です。そして、編集長を筆頭に、漫画に対して「ギラついて」います。
【参考】
https://kuragebunch.com/episode/14079602755368344643


編集者って今じゃ比較される立場ですが、そういうの当事者として感じていますか

人間だれしも一長一短ありますし、自分の至らぬところを反省しつつ、良いところは伸ばしていきたいと日々精進しています。またマンガ家さんの個性は百人いれば百通りあるので、それぞれの才能を十二分に引き出し、売れるマンガを生み出せる編集者でありたいと考えています。作家さんから「あなたと、このマンガを作れてよかった」と言ってもらえることは、この仕事の喜びの一つだと思います。


くらげバンチさんらしい作品とは何でしょうか?作品を持ち込みするにあたり、その雑誌らしさを意識したものを持ち込んだ方が良いですか?

くらげバンチらしさを一言で表すと、「面白ければなんでもアリ」です。そういう意味では、作家さんが面白いと思う「好き」が詰まった作品はくらげバンチらしいのかなと思います。質問者様の「好き」に溢れた作品をお待ちしております。
【参考】
https://kuragebunch.com/episode/14079602755368344643


■くらげバンチ スポーツ漫画賞


くらげバンチ史上初「スポーツ漫画賞」開催!
未来のくらげバンチを担うヒット作の卵を大募集します!

くらげバンチでは様々なジャンルや題材の作品を連載しておりますが、近年のスポーツに対する盛り上がりを受け、編集部では「スポーツ漫画」を通して、スポーツの楽しさ、スポーツを通した人間ドラマを伝え、スポーツに興味を持つ人を増やし、【世の中の明日をちょっと良くする】ことに取り組んで参りたいと考えています。

スポーツを通して、世の中の人を応援したい!世の中の明日をちょっと良くしたい!
そんな熱い想いを持つ皆さまからのご応募をお待ちしております。

くらげバンチ スポーツ漫画賞の詳細はコチラ
https://kuragebunch.com/info/entry/sports1


■くらげバンチ 持ち込み


くらげバンチで漫画を描いてみたい!そんなあなたを、いつでも編集部がお待ちしております。まずはお気軽にあなたの原稿を持ち込んでください!編集部員が丁寧に拝見し、アドバイスいたします!いっしょにシビれる漫画を作っていきましょう。

●オンライン持ち込みの場合
ご自宅に居ながら、編集部に持ち込みができ、編集者からアドバイス(僭越ですが)を受けられます!
オンライン持ち込みをきっかけに、くらげバンチに掲載が決まった方も多数♡♡
詳しくはコチラ

●直接持ち込む場合
持ち込みは完全予約制です。希望される方は、必ず前日までに電話で予約をしてからお越しください。
(受付時間:月〜金曜日(※祝日を除く)11:00〜19:00)

くらげバンチ編集部
03-3266-5579
コミックバンチ編集部と同じ電話番号になりますので、「くらげバンチ編集」宛てにお願いします。



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記事制作協力:くらげバンチ編集部