【モチコミonline】カドコミで読切掲載!うらかなこ先生編
漫画家を目指す方と、新たな才能を探している漫画編集者の打ち合わせ(持ち込み)のスケジュールをマッチングするためのサービス『モチコミonline』を運営しております。今回はそのモチコミonlineを通じて読切掲載に繋がったうらかなこ先生と担当編集にインタビューを実施いたしました!実際に利用された方の体験談をご覧ください。
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―今回は昨年末カドコミにて読切作品『たまちゃんと縁側のともだち』を掲載されたうらかなこ先生にインタビューしていきたいと思います。この度は読切掲載おめでとうございます。まずは漫画家を目指された経緯を教えてください。
うらかなこ:
幼少の頃から絵や漫画が好きでしたが、漫画家の方を神格化するあまり、自分が漫画を仕事にするのは無理だと思い込んでいました。趣味として続けてきましたが、会社に就職し、人生このままでいいのかな?と考えた時に、後悔のないよう挑戦しようと思い始めました。
―好きだからこそ、仕事にするのはまた違ったハードル高く感じてしまうかもしれませんね。挑戦されたのは素晴らしい勇気だと思います。その挑戦の一環として、数年前に従来の持ち込み/出張編集部へ参加されたとのことですが、その当時はどんな反応だったんでしょうか。
うらかなこ:
数年前、自分に向いていることを仕事にできないか可能性を模索する中で、持ち込みをしてみようと思い立ちました。漫画は趣味程度に数ページのものしか描いたことがなかったので、そこで初めて50ページほどの二次創作の同人誌を制作しました。力試し的に同人イベントの出張編集部に持ち込んでみると、おおむねいい反応を頂けて、嬉しくなって名刺をたくさんもらって帰ったのを覚えています。その後何名かの編集の方と連絡を取りましたが、会社の異動や引っ越しが重なり漫画どころではなくなってしまい、そのまま疎遠になっていました。
―50ページ描ききり、さらに編集者から良い反応があったというのは凄いと思います。
そこからモチコミonlineに参加いただいたのはどういうきっかけだったり、魅力を感じていただけたのでしょうか。
うらかなこ:
モチコミonlineを利用させていただいた一番の理由は、利便性の良さです。地方在住なので、イベント参加や直接持ち込みのためには時間もお金もかかります。オンラインで1日に何名もの方と会えるのが魅力的ですし、あらかじめ作品を見ていただいてマッチングした方とだけお話できるので非常に効率的で助かりました。
―ありがとうございます。モチコミonlineは半数以上が関東以外に住まわれている方にご利用いただいており、時間やお金の観点からも助かっているという声をいただきます。昨今ホテル代も高くなっているので、そういった面でも参加ハードルが低くなっているのは嬉しい限りです。
実際に参加すると毎回100人以上の編集者情報が確認できますが、どういった基準でこの編集者に持ち込んでみようと判断されているのでしょうか。
うらかなこ:
ジャンルを基準に選びました。持ち込み用に描いたネームが青年誌寄りの内容だったので、受け付けていそうな媒体に絞っていました。また、編集の方の自己紹介文やSNSを確認して、その方が求めているものと、自分の好きなものや描けるものとがあまりにかけ離れていないかは気にしていました。
―編集者次第にはなりますが、プロフィール欄で詳細に求めているジャンルなど記載されているのでそういった情報を参考に持込希望を出すと双方にとって良い結果がうまれそうですね。
提出した作品はどういったものだったんでしょうか。
うらかなこ:
『たまちゃんと縁側のともだち』という、今回読切として公開された作品のネームを提出しました。ネームといっても、文字は読みやすいよう打ち込んだ上、画力がわかるよう下書き程度に仕上げておきました。
―編集者は多くの漫画作品をチェックするので、文字を読みやすくするといった配慮は嬉しいと思います。
実際オンライン打ち合わせしてみてどんな反応があったのでしょうか。
うらかなこ:
当日は6名の編集の方とマッチングし、お話することができました。印象的だったのは、同じ作品を見ていただいているのに、絵柄、キャラクター、画力、展開…それぞれ着眼点が異なり、媒体ごとの特色が出ていたことです。別の方から「このシーンは必要」「不要」と正反対のアドバイスをもらうこともあり、絶対的な正解は無いことと、お互いのニーズに合う方を探すことが大事だと感じました。
―確かに仰るとおりです。いろんなアドバイスを受けた中で、カドコミ(KADOKAWA)のノグチ様と一緒に漫画を作っていこうと思われた決め手を教えてください。
うらかなこ:
理由は2つあります。1つは、私が作品で大事にしていたキャラクターのリアルな人間味に言及してくださり、同じ目線でお話ができそうだと感じたことです。2つ目は、賞への応募をすすめてくださる方が多い中で、最初から読切掲載の可能性についてお話をいただけたことです。『たまちゃん』は王道というより少しニッチな作品なので、賞に出しても大賞を取れずにそのまま二度と日の目を見ないかも…と思っていたので、とてもありがたいご提案でした。過去のインタビュー記事を読んで、ノグチ様は以前のモチコミonlineでマッチングした方と連載へ繋げていらっしゃることを知っていたので、その点でも安心してお願いできました。
―読んでいただき、ありがとうございます。そのインタビュー記事はこちらですね。
コミックNewtypeで連載!サクタロー先生編
編集者の人となりや実績を知る機会は少ないと思うので、こういった記事が安心材料となったのであれば嬉しい限りです。
それから読切掲載に繋がるまで大変だったことはありましたか。
うらかなこ:
ノグチ様の的確な修正指示と有言実行のご尽力によって、読切掲載はスムーズに決まりました。しかし、初めての商業掲載ということでどこまでクオリティを追求すればいいか迷い、何度もペン入れをやり直し、清書にかなり時間を費やしてしまいました。完成し最終OKが出たときは達成感に包まれ、嬉しかったです。
―その時の達成感は何ものにも代え難い感情だったと思います。
改めて今回カドコミで読切掲載されている『たまちゃんと縁側のともだち』はどんなお話か教えてください。
うらかなこ:
主人公は夢見がちな中学生の少女「たまちゃん」で、たまちゃんが縁側の下にいる何者かと出会うところから始まります。思春期ならではの葛藤や変化を、少し不気味な雰囲気とともに描きました。主人公「たまちゃん」と友達の「ひより」の揺れ動く心情と、インパクトのある場面転換を楽しんでいただきたいです。
―ありがとうございます。最後に漫画家を目指されている方に対して応援メッセージをお願いいたします。
うらかなこ:
モチコミonlineへの参加を通して「まずは描くこと、そして見てもらうこと」でステージが変わり進んでいくのだということを実感しています。実力が足りなくても、「これでいいのかな?」という状態でも、まずは期限を決めて描いてみるといいのかなと思います。
―続いては担当編集のノグチ様にインタビューしていきたいと思います。
ノグチ様は以前、コミックNewtypeで商業連載デビューされたサクタロー先生を担当され、今回2人目のモチコミonlineきっかけとなります。以前のインタビューでは、モチコミonlineは事前にプロフィールや原稿など資料を確認できる点を評価いただきましたが、そのあたりがその後のデビューに繋がりやすくなるのでしょうか。
ノグチ:
事前に資料を確認することで、こちらが求めているクリエイターさんとマッチングできるので、具体的なお話をしやすいという面はあると思います。また、事前情報があると、提出された資料のほかに過去作やSNS、Pixivなども見た上でイベント当日に臨めるのでありがたいです。
―ありがとうございます。今回モチコミonlineをきっかけに出会われたうらかなこ先生との打ち合わせでは、どんな作品が提出されたのでしょうか。
ノグチ:
実は、今回掲載された読切作品『たまちゃんと縁側のともだち』の元になったものだったんです。そして、それが初めての漫画作品ということにビックリしました。
提出されたのはネーム、といってもとても丁寧に描かれたもので、およそ初めてとは思えないクオリティだったんです。それで、これはちょっとお話してみなければ、と思いました。
―打ち合わせではどんなお話やアドバイスをされたのでしょうか。
ノグチ:
物語としてはかなりまとまっていましたし、絵についても自分のタッチを感じられたので、イベント当日は作品そのものよりもうら先生ご自身のことを中心にお話しました。
作品に関しては、セリフや出来事がどう読み取られるか、描き手の意図しない伝わり方をする可能性について、場面を挙げながら指摘したと思います。
―先生自身のお話を伺うことで、先生の考え方に寄り添った的確なアドバイスがしやすくなりそうですね。
ノグチ:
ネームの修正をお願いしたところ、次の稿では的確に直されていて、漫画勘の良さに驚きました。修正箇所がキャラクターの感情に関係するシーンで、キャラクターの心情に関わる部分の修正をお願いした際のことなんですが、次の稿では的確に直っていたことが印象に残っています。本来そういう要素は描き手としてもこだわりが強いぶん客観的になりにくくて、うまく修正ができないことも多いので、うら先生の漫画勘の良さのようなものを感じたように思います。
―今回、読切掲載となった『たまちゃんと縁側のともだち』について、どういった作品か教えてください。
ノグチ:
「人の内面の情感を描きたい」と言っていたうら先生が、「友達」をキーワードに描いた意欲作です。公開してから他媒体の編集者から感想のDMが飛んできたラストの展開はぜひ読んで体験してほしいです。
―ありがとうございます。私もラストのシーンはビックリしたので、まだの方はぜひ読んでほしいと思います。
折角なので、カドコミ自体のお話も伺えたらと思うのですが、カドコミとはどういった媒体なのでしょうか。
ノグチ:
これまでComicWalkerとして運営されてきたサービスがリニューアルしたものがカドコミです。カドコミ独自のオリジナル作品が連載されている他、コミックポータルとして当社のさまざまなコミック誌の作品も掲載されています。また、WEBでは非公開になった過去話も無料やレンタルで読むことができるスマホ用アプリもリリースされています。
―カドコミではどういったジャンルの作品が掲載されているのでしょうか。
ノグチ:
カドコミにはさまざまな媒体の作品が掲載されているので、訪問される読者の幅もとても広いです。そのため、カドコミ編集部でも多彩なジャンルの作品をご用意しているんです。ですので、向き不向きは気にせずに今後開催されるモチコミonlineや出張編集部で持ち込んでいただければと思います。
―ありがとうございます。気になった方はぜひカドコミ自体のチェック、持ち込みもご検討いただければと思います。最後に改めて漫画家目指されている方に対して応援メッセージをいただければと思います。
ノグチ:
以前のサクタロー先生インタビューの際にお話したことと重複しますが、感性を磨くことは創作活動にとってとても大切なことです。感性を磨くことで個性が形作られ、それを磨き続けることで個性を強く・幅広くすることができます。そういうものが込められた作品に読者は惹かれるので、漫画家を目指す方にはぜひたくさんの漫画や映画、音楽などに触れてほしいです。
■たまちゃんと縁側のともだち
明日から中学生のたまちゃんは新生活が少し不安…。そんな彼女の支えになったのは隣の席の女の子・ひよりと、あと、縁側の下で出会ったもう一人のともだち。
ゆったりのどかで、ほのかに不気味な物語をお届けします!
作品を読む
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