【モチコミonline】花丸漫画で連載!すぴるか悠先生編
漫画家を目指す方と、新たな才能を探している漫画編集者の打ち合わせ(持ち込み)のスケジュールをマッチングするためのサービス『モチコミonline』を運営しております。今回はそのモチコミonlineを通じて連載に繋がったすぴるか悠先生と担当編集にインタビューを実施いたしました!実際に利用された方の体験談をご覧ください。
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―今回は花丸漫画で連載が決まりましたすぴるか悠先生にお話を伺っていきます。まずは漫画家を目指されたきっかけを教えてください。
すぴるか悠:
幼い頃から絵を描くことが好きで漠然と漫画家になりたいと思っていました。ただ、なかなか行動に移せず落書きばかりしていました。漫画の学校に通ったりもしましたしその時に描いた作品を投稿したこともありましたが全くダメでした。本格的に仕事として描いていきたいと思えたのは赤ブーさんのイベントの出張編集部で同人誌を見て頂き名刺を頂いたことがきっかけです。
―出張編集部に参加されたことがあるんですね。出張編集部にはいつ頃参加されたのでしょうか。
すぴるか悠:
2年前の1月に出張編集部で同人誌を見て頂きました。初めてで自分がどの程度のレベルなのか知りたくて…というお話をしたところ名刺を頂きました。残念ながらそちらでのデビューはできなかったのですが翌月再び出張編集部に参加したところ別の編集さんから読み切りを描きませんかと声をかけて頂き初めての漫画のお仕事に繋がりました。その後もイベントに参加するたび出張編集部に参加しアドバイスを頂いて成長出来たと感じています。特にどこからも線が汚いと言われていたのでそこを意識的に改善しました。
―第三者から、特に様々な漫画家と関わっている編集者からのアドバイスというのは貴重なものだと思います。実際にそこから読切掲載に繋がって素晴らしいと思います。そんな中、モチコミonlineに参加されたのはどういったきっかけだったのでしょうか。
すぴるか悠:
漫画家の知人からモチコミonlineの存在を教えて貰い、参加してみよう!と数人で意気込んで参加しました。仕事に繋がったと聞いていたので期待半分不安半分といった気持ちでした。実際に参加してみて、一方的に持ち込むだけでなく編集さんに良いと思って貰えてマッチングするというところに魅力を感じます。ただ見て頂くよりも熱意が感じられると思いました。(人によりますが…笑)
―ありがとうございます。モチコミonlineは所謂オンライン出張編集部ではありますが、即売会で開催される出張編集部とは違い、漫画家からの持込希望に対して、編集者が打ち合わせするかどうか判断する事前マッチング制となります。有意義な打ち合わせになりやすく、その後仕事の話にも繋がりやすいメリットがあると考えています。実際参加された際、どの程度どのような作品を持ち込まれたのでしょうか。
すぴるか悠:
初めての参加でよくわからず、いろんな作品を見て頂きたくてたくさん持ち込みました。70p、40p、40p、60p程度の同人誌計4作だったと思います…今思うと見る方も大変だよな…と反省しております。あとは読み切りを1作すでに描かせて頂いていたのでそれが読めるリンク先も記載しました。商業連載希望で持ち込んでいたのでどこの編集様も温度感は高めで見て頂けたと思います。作品の講評ではなく、すぐにお仕事のお話をして頂いたところも複数ありました。
―仕事の話に繋がるほど魅力ある原稿だったと思います。モチコミonlineでは従来の出張編集部とは違い、編集者個人のプロフィール情報を見た上で持込希望を出せますが、すぴるか悠先生はどのような視点で編集者を選ばれたのでしょうか。
すぴるか悠:
まずは自分が描きたいと思っているジャンルを一番重視しました。あとは編集さんのSNSやレーベルのリンク先を拝見して気になったところに持ち込みました。どんな人なのか、どんなレーベルなのかが気になるので…。とにかく読者が読んで楽しんで貰えるものが描きたかったのでそれを自分のプロフィールにも記載しました。自分がどういうものが描きたくて、編集さんがどういったものを求めているか。ここでマッチングするかどうかが決まるような気がします。
―最近は編集者個人もXアカウント持たれている方も増えているので、その方の人となりがなんとなく確認しやすかったり、プロフィール上でどういった作品求めているのか詳細書かれている編集者もおられますよね。
打ち合わせに繋がった編集者からはどんなアドバイスをいただけたのでしょうか。
すぴるか悠:
当時のメモを参照しながらお話ししますと「ストーリーは良いので絵柄をもっと今風に」「描き込みを増やす」の2点を挙げられることが多かったです。逆にウサ村さんからは絵柄もトーン処理も良いのでもっと深い部分、ストーリーの緩急やコマの滞空時間などを意識すると良いと教えて頂きました。なかなか意識したことがないところだったのでとても勉強になりました。
―そのウサ村さんと二人三脚で頑張っていくことになりましたが、編集者として魅力的だった部分や印象深いエピソードを教えていただけますか。
すぴるか悠:
個人的に、「漫画」が上手くなりたいと思っているので絵柄ではなくストーリーやコマ割りなどについて深くお話しできたのがとても有難かったですし魅力的だと感じました。お打ち合わせは毎回楽しくてエピソードがたくさんありすぎて迷います笑。おすすめの作品や番組を教えて頂くことがよくあり、漫画にも生かせますしどれも面白くて共通の話題にもなりとても有難いです。お話が楽しくて気づいたら長時間経っていることがよくあります笑。
―漫画制作に新たな視点やアドバイスを受けられるのは魅力的ですね。
そしてウサ村さんと連載目指すことになりましたが、大変だったことやワクワクしたこと色々あったと思いますが、いかがでしょうか。
すぴるか悠:
大変だったことは、読み切りとは違い次の回への引きや伏線を作らなければという意識が強くとても悩みました。キャラクターの性格が変わっていたりしないか前回の内容がちゃんと反映されているかなどにも頭を悩ませています。
ワクワクしたことは、カラーにあおり文を付けて頂いたりバナーデザインを作って頂いたりして本当に始まるんだなという実感が湧いてきたことでしょうか。ここまできてやっと連載が始まるんだと実感できました笑。
―ありがとうございます。それでは今回連載されます「嫌いな同期のハズなのに!」はどういった作品なのか、どういった点に注目してほしいかなど教えてください。
すぴるか悠:
しごできとポンコツな同期二人のケンカップル(?)ラブコメです!あおり文でケンカップルと付けて頂いたのですが言うほどケンカしていない気もします笑。熊ケ谷のことを嫌っている犬居の心情の変化や熊ケ谷の本心、本当の気持ちなどに注目して頂けたらと思います。ラブコメなので気軽に読んで楽しんで頂けたら嬉しいです。
―ありがとうございます。これからの連載楽しみにしています!
それでは最後に漫画家を目指されている方に対してメッセージをお願いいたします。
すぴるか悠:
漫画家になるなんて夢のまた夢、自分なんかがなれるわけない。ずっとそう思っていました。しかし行動に移してみると漫画家になる方法はたくさんあって、調べたり実際に行動することの大切さを実感しました。人に見て貰う事がとても大事だと思っています。頂いたアドバイスは凹まずに真摯に受け止め改善していくことも大事だと思います。とにかくまず一歩。まずは持ち込んでみてください!一緒に頑張りましょう…!
―ここからは担当編集者のウサ村さんにもお話を伺っていきたいと思います。まずウサ村さんが所属されております編集部について教えてください。
ウサ村:
web雑誌「花丸漫画」をはじめとする、BLコミック・ノベル等を刊行している編集部です。白泉社のBLレーベルの統括的な役割も担っております。描いてくださる作家さんの個性を大切にしており、ライトBLから本格的なものまで、ジャンルに縛られないバラエティ豊かな作品が多く掲載されています。
今年2025年は100号到達、2026年にはレーベル創刊から35周年と、イベント盛り沢山です!
―ありがとうございます!花丸漫画では現在どういった作品・漫画家を求めているのでしょうか。
ウサ村:
個人的には、描き手の個性や萌え「描きたいモノ」がぎゅぎゅっと詰め込まれている作品に魅力を感じます。
月刊誌ではありますがWeb雑誌という事もあり、連載ペースなどはかなり融通が効きます。また、普段は他ジャンルで執筆しているけれど…という方もいらっしゃいますので、少しでも白泉社に・BLにご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非お持ちこみいただけると嬉しいです!
―是非挑戦したい漫画家は持ち込んで欲しいと思います。そんな中、このオンライン出張編集部「モチコミonline」に参加いただいておりますが、編集者として感じる魅力はどういったところでしょうか。
ウサ村:
遠方の方とも気軽にお話ができるのが非常に魅力的だと感じます。出張編集部や、リアルに白泉社に持ちこんでいただく形だと、やはり中々ハードルが高いので…!
事前に原稿をお送りいただけるので、じっくり読み込んだ上でお話できるのも有難かったです。
―電話かけて日程調整してというのは緊張してしまうと思いますし最近は宿泊代も高騰しているので、モチコミonline通じて双方出会うきっかけとして役立っているのであれば嬉しい限りです。
事前に原稿を送る仕組みも、編集者の確認しやすさという観点から採用しましたが、編集者視点どういった原稿や作品数だとチェックしやすいなど何かあるのでしょうか。
ウサ村:
基本的には完成原稿だと大変ありがたいです。
ネーム等でも勿論大歓迎ではあるのですが、完成原稿の方が絵柄や仕上りなどについてもお話させていただく事ができるため、より有意義なフィードバックができるかなと。
また、複数ご投稿してくださっても、けっこう30分があっという間で……!全部の作品についてお話しきれないまま終わってしまう事が多いため、「これ!」というものを1作品でも良いかもしれません。もちろん複数お送りいただいてでも大丈夫なのですが、どれか一つの作品について重点的にお話させていただく形になってしまうかと思います。
―実際の声とても参考になります。いろいろ持込希望をみて、どういったところが魅力的だと話してみたいと思われるのでしょうか。
ウサ村:
編集だけが選ぶ側ではないので一概には言えませんが、個人的に一緒にお仕事をしてみたいなと思うのは、「読み手を楽しませたい!」「面白い漫画を描きたい!」という意欲がある方でしょうか。実際にお話してみて楽しかったら、楽しくお仕事できそうだな~とも思います。
一方で、とても魅力的でも、「自分ではお役に立てる事は少ないかも」「自分以外の人が編集についた方が良い気がする」と思った際にはあえて名刺をお渡ししなかったりもします。
―確かに編集者も人それぞれ、得意ジャンルがあると思うので、そのあたりは本当相性の問題もありますね。その判断軸ですぴるか悠先生と打ち合わせへと繋がりましたが、話したいと思われた理由や実際の印象を教えてください。
ウサ村:
見せていただいたのは二次創作の同人誌だったのですが、基礎的な漫画力みたいなものはもう十二分にお持ちだなと思いました。正直、キャラクターの事は(その作品のキャラをほとんど知らなかったので)わからなかったのですが、演出力が高く、緩急の持って行き方がとても上手いなと。また、お話したフィードバックに対し、追加で更に「ここはどうですか」等 具体的に質問してくださったり、こちらの意図を汲んでくださろうとする姿勢に、私の方もつい熱くなって色々とお伝えしてしまった記憶があります…!
―向上心持ってより良くしたいという姿勢は素晴らしいと思います。編集者として打ち合わせする際、意識されていることはありますか。
ウサ村:
「読み手を楽しませるにはまず作り手側が楽しまねば、誰かを楽しませることはできない…」というのを新入社員の時に先輩に教わり今に至るので、楽しく打合せができるよう心掛けています。(お伝えすべき事は勿論しっかりお伝えした上でですが。)
投稿者の方だけに限らずですが、作家さんの大切な作品を「コイツになら見せて、意見を聞いてみても良いかな」と思ってもらえるような編集者でありたいと思っています。
―ありがとうございます。そういった意識がすぴるか悠先生にも伝わり、連載に向けて二人三脚取り組むことになりましたが、印象深いエピソードを教えてください。
ウサ村:
ネームを何度か直していただく過程の中で、「この部分が気になります」とお伝えした所を、「なるほど!そう直してくるか!!」という形で修正してきてくださる事が何度かあり、すぴるか先生の漫画力の高さというかネーム力の高さを改めて実感しました。直していただくたびにどんどん面白くなっていくのを一番近くで見る事が出来て嬉しかったです。特に2話目にその部分が多く出ているので、是非4月配信予定の2話目を楽しみにしていただければと思います!
―それはとても楽しみです。改めて連載が開始されます「嫌いな同期のハズなのに!」はどういった作品なのか、担当編集として推したいポイントなど教えてください。
ウサ村:
優秀なのにちょっといけすかない熊ケ谷君と、パッと見デキそうに見えてポンコツの犬居君。同期だけど正反対で、仲が悪い二人がひょんな事から急接近して…?というお話です。
すぴるか先生らしい、テンポの良い・キャラクターの掛け合いが、わちゃわちゃと楽しいお話になっているかと思います。犬居くんのチョロかわいい一面と、彼を振り回しているようで振り回されている熊ケ谷くんにキュンとします!個人的には、小物(アイテム)の使い方にもグッときたりクスっときたりするので、ぜひ注目いただきたいです。
―ありがとうございます!今後の連載楽しみにしています。最後になりますが今漫画家を目指されている方に対して応援メッセージをお願いいたします。
ウサ村:
応援メッセージ…というのもおこがましいですが、「漫画が好きだな」と思う気持ちがもしあるようでしたら、ぜひ勇気を出して投稿してみてほしいなと思います。ご自身が「面白いな」「好きだな」と思う事を、もしかしたら他の人も同じように「面白い」「好きだ」と思ってくれるかもしれません。未熟かも…とは思わず是非一度、投稿してみて頂ければと思います。
■嫌いな同期のハズなのに!
『お前のことなんて、大嫌いだーーーー!!!』不動産勤務の犬居は超一流大学を卒業後入社したものの、営業成績はいつも最下位のダメダメ社員。成績もトップで上司からも好かれる要領の良い同期・熊ヶ谷にからかわれる日々を送っていた。しかしある日、ひょんな事から熊ヶ谷と一緒に飲みに行く事に…?大嫌いなはずのアイツと、どうしてこんな事になっちまったんだ!?【しごでき1軍男子×鈍感ポンコツ隠れ美人】正反対な同期ふたり、恋の攻防戦 開幕!
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