【LaLa】「まいりましたと言わせたい」あきもと明希先生にインタビュー
バラエティに富んだパワーあふれるコミック誌『LaLa』。そこで好評連載中作品『まいりましたと言わせたい』を執筆されているあきもと明希先生にインタビュー!漫画家を目指されたきっかけや連載を目指すにあたり意識したこと、作品のお話など伺いました。
■まいりましたと言わせたい
代々争い続ける常森組と綿貫組。次世代代表として、紅緒と那由多はハニトラ対決(&同居)することに。真面目な紅緒はあの手この手でメロメロ作戦を決行するが、那由多にときめかされてしまう!でも実は、那由多は昔から紅緒に片思い中で…!?仁義なき恋のハニトラ勝負、開幕!!
引用元:https://www.hakusensha.co.jp/comicslist/71479/
同じ夢を抱いた仲間と切磋琢磨しあえる
―まずは漫画家を目指されたきっかけを教えてください。
あきもと明希:
小学校の頃、幼年誌の漫画を読んで漫画家ってスゴイと憧れていました。その頃から絵を描き始めました。
―ありがとうございます。そこから絵を描かれ始め、東洋美術学校(専門学校)に通われたと伺っております。漫画家を目指されている方の中には学生も多く、進路に迷われているケースもありますが、専門学校ではどのようなこと学ばれたのでしょうか。通って良かったことや大変だったことを教えてください。
あきもと明希:
専門学校の魅力は、欠点を指導してくださる人(先生)がいること、同じ夢を抱いた仲間と切磋琢磨しあえることだと思います。私は自分の漫画を客観的に見れないので、ここが変・おかしいなど教えて頂けることがとても勉強になりました。お友達もたくさん出来て、漫画制作に対するモチベも上がりました。大変だったことは、とにかく課題が多いことでしたが、漫画家はもっと大変なので今考えると良い経験でした。
―確かに第三者から意見がもらえる、仲間と出会えるというのはかけがえのないものですね。そこから学ぶだけでなく、出版社・編集部に対してアプローチすることもあったと思いますが、そこでLaLa編集部と出会われたのでしょうか。また、LaLa編集部と一緒にやっていこうと思われた魅力を教えてください。
あきもと明希:
専門学校の先生から、漫画を描いたらとにかく持ち込みに行けと言われていたので、色んな雑誌に自主的に持ち込みに行きました。そこでLaLa編集部の方に担当に付いていただきました。LaLaは色んなジャンルの漫画が載っており編集部の方も、面白ければOK!みたいな方が多い気がします。とてもありがたいです。
―いろいろなジャンルが載っていると挑戦しがいがありますね。専門学校だけでなく編集部からもアドバイスがあったと思いますが、あきもと明希先生が商業連載を目指すにあたり、意識したこと大切にしてきたことを教えてください。
あきもと明希:
読んでくださる人にストレスをかけないように、読みやすいコマ割りや絵のブラッシュアップを頑張っています。
―雑誌に載るといろいろな方が読まれるので、相手の読者の立場にたって作品が見やすいかどうかという視点も大事ですね。LaLa編集部の担当と出会われて作品づくりに取り組んでいたと思いますが、どのくらいで連載に繋がったのでしょうか。
あきもと明希:
かなり長いです。多分8年か9年くらい?ずっとLaLaの増刊号で読み切りを描いていました。
―覚悟されていたと思いますが、諦めず連載を目指されたこと素晴らしいと思います。無事連載に繋がったその先、また違う葛藤や悩みがあったと思います。すぐ思いつくところとして期日までに原稿を仕上げないといけないというプレッシャーが大きいのかなと思います。そのあたりの感覚や工夫されている点はあるのでしょうか。
あきもと明希:
連載中の締め切りの恐怖は、今でも常にありますね。工夫かはわかりませんが、私は早めに難しい、苦手な構図の絵、キャラの決めゴマなど重要なページから終わらせて(下絵・ペン入れ)、後半に割とやりやすいページを残しておいてます。そうすると心に余裕が生まれる…気がします(笑)
―自分の苦手分野を理解して、作業の順番を決められているんですね。普段の執筆スケジュールはどのようなものでしょうか。
あきもと明希:
ネーム1週間、下絵5日、ペン入れ5日、仕上げ5日くらいです。
―ありがとうございます。最近はデジタルで漫画制作されている方も増えておりますが、あきもと明希先生の執筆環境を教えてください。
あきもと明希:
線画だけはアナログです。デジタルで線を描くと直しまくってめちゃくちゃ時間がかかってしまうので、1回で諦めがつくアナログを選択しています(笑)あと、やっぱり自分が好きだな!と感じる絵はアナログ作家さんだったりするので、憧れでアナログ作画を続けているところがあります。
連載作品「まいりましたと言わせたい」
―LaLa2月号から「まいりましたと言わせたい」が連載スタートとなり、本日(8/5)単行本も発売されます。改めて、どんな作品か教えてください。
あきもと明希:
古くから因縁のある宿敵の男女が恋(ラブ)なバトルを繰り広げるお話です。
―ありがとうございます。「まいりましたと言わせたい」を執筆するにあたり、大変だったことがあれば教えてください。
あきもと明希:
ネームですかね…。最初は全然別の話だったような気がします(笑)極道でもなかったような…。あとは那由多の髪型、もっとふわふわに!と言われて、描くのに試行錯誤しました。前作(機械じかけのマリー)のヒーローとは違ったタイプの不良系男子だったので、切り替えが難しかったです。
―描いていくうちによりより内容に、そして今の雰囲気に仕上げていかれたんですね。個人的に主人公の常森紅緒さんはクールながら時折見せる乙女らしさのギャップの部分も可愛らしく感じます。
あきもと明希:
紅緒ちゃんはくっ殺系女子だと思って描いています。紅緒ちゃん可愛いと思いながら描いているので少しでも伝わったら嬉しいです。
―前作に続き先生が描かれるアクション要素は絵的に映え、躍動感を感じていますが、工夫している点や取り組まれているインプット方法を教えてください。
あきもと明希:
映えそうなかっこいいアクションシーンがある映画などを見て、こういう見せ方いいな!など色々勉強しています。
―最近はサブスクでいろいろな映画が見れるので、そういった違う分野からインプットするのも効果的そうですね。そういった勉強だけでなく担当編集からもアドバイスを受けてきたと思います。印象深いアドバイスがあれば教えてください。
あきもと明希:
一応学園ものなので、学園もの漫画のアドバイスをよく貰います。自分で考えてると何をすりゃいいんだ…?となりがちなのですが、担当さんが学園イベントを色々考えてくださるのとても助かっています。今では、学園もの、楽しい…!と思いながら描いています。
―確かに自分だけで作ると思考が固まったり視野が狭まってしまうので、そういうところを解きほぐす広げてくれる担当編集は素晴らしいですね。今後もいろんな話を準備されていると思いますが、「まいりましたと言わせたい」において今後特に注目してほしい部分を教えてください。
あきもと明希:
紅緒ちゃんの感情の変化と、2人のイチャイチャです。可愛いやつを描きたいです。
―ありがとうございます。最後に漫画家を目指されている方に対して応援メッセージをいただければと思います。
あきもと明希:
私も漫画家になりたくて、ずっと試行錯誤しながら作品を作り続けてきました。描き続けていれば、何かしら良いことがあるはずです。頑張りましょう…!
記事制作協力:LaLa編集部