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コラム
2026年2月13日

【マンガノ】第3回マンガノ大賞開催記念!〜どんな作品・作家さんを求めているか〜(コミティア154レポート)


※2025年12月にマンガノにて掲載した記事を再構成しております。なお、記事中の情報は初掲載時のままです。

マンガ投稿プラットフォーム「マンガノ」が、東京ビッグサイトで昨年11月に開催された「COMITIA(コミティア)154」へ企業出展しました。ブース内のステージでは第3回マンガノ大賞の募集開始にあわせて2部構成のトークセッションを開催しました。この記事ではマンガノ大賞に参加する12の編集部から4名の編集者が登壇した「第3回マンガノ大賞開催記念! 〜どんな作品・作家さんを求めているか〜」の模様をお伝えします。進行は少年ジャンプ+編集部のモミーです。

【ゲスト・編集部プロフィール】

●マッグガーデン編集部 松石(担当ま)(マッグガーデン)
毎月5日発売のマンガ雑誌「月刊コミックガーデン」および10周年を迎えたWebマンガサイト「マグコミ」を担当。
「オールジャンル」を掲げ、男性向け・女性向けを問わず、オリジナルからコミカライズまで幅広く取り扱う。アニメ化が決定した「リィンカーネーションの花弁」や、女性向けのコミカライズ作品「魔導具師ダリヤはうつむかない ~Dahliya Wilts No More~」など、様々な作品を掲載している。
Xアカウント:@MAGCOMI_ / @M_MGswrb

●ゼノン編集部 S谷(コアミックス)
毎月25日発売のマンガ雑誌「月刊コミックゼノン」とWebマンガサイト「ゼノン編集部」を担当。
最近の代表作は、「月刊コミックゼノン」では「終末のワルキューレ」や「オタクに優しいギャルはいない!?」、Webの「ゼノン編集部」では「マザーパラサイト」「モブ子の恋」など。男性向け・女性向けを問わずオールジャンルの作品が揃い、執筆陣も新人からベテランまで多彩な顔ぶれとなっている。
Xアカウント:@zenon_official

●デジタルメディアコミック編集部(チャンピオンクロス編集部) 吉川(秋田書店)
秋田書店の総合Webマンガサイト「チャンピオンクロス」で副編集長を務めるほか、「ヤンチャンWeb」も担当。
「チャンピオンクロス」は代表作の「僕の心のヤバイやつ」をはじめ、男性・女性向けや少年・少女向け、秋田書店が得意とするヤンキーものや無骨な作品まで扱う。様々なジャンルで、新人からベテランまで幅広い作家さんが活躍する媒体。
Xアカウント:@championcross / @champion_web_YC

●FEEL YOUNG編集部 K成(シュークリーム)
シュークリームが編集を手がける女性向け月刊漫画誌「FEEL YOUNG」(祥伝社刊行)では「女の園の星」「ブランチライン」「脱落令嬢の結婚」「発達障害なわたしたち」などの作品を担当。新しい無料Webマンガサイト「OUR FEEL」の編集長も務める。
「FEEL YOUNG」はテーマに「あなたの心はどこまでも自由」を掲げ、恋愛・コメディ・フェミニズム・推し活など、ジャンルを限定せずに、現代を生きる女性に向けた作品群を掲載。代表作品は「女の園の星」や「後ハッピーマニア」など。2026年1月からアニメ化される「違国日記」やドラマ化された「ムサシノ輪舞曲」「こっち向いてよ向井くん」といったメディア化作品も多数。
Xアカウント:@FEELYOUNG_ed / @ame_kimagure


▶ 何か一つでもかまわないから「自分ならではの強み」を見せてほしい

少年ジャンプ+編集部 モミー(以下、モミー):
まずは率直にお伺いします。みなさんやみなさんが所属されている編集部では、どのような作品・作家さんを求めていますか。

マッグガーデン編集部 松石(以下、松石):
マッグガーデンは「オールジャンル」が強みなので、「求めるジャンル」や「読者の傾向」が良い意味でありません。作家さんと編集者である我々が、作品ごとに「いいところはどこか」「この作品を読んでくれる人は何を楽しみにしているのか」などを考えて、押し出しています。

そのため「自分の作品の押し出しポイントやテーマ・演出」を作り込める、サービス精神を持っていらっしゃる作家さんと一緒に「企んで」いきたいと思っています。


もちろん、我々編集者は「いいところ探し」に全力でお付き合いをしていくというのが前提なので、大いに頼っていただきながら、作家さんと一緒にこれまでさまざま作品を生み出してきました。

近年、マッグガーデンは「いきなり連載は怖い」という方や、「忙しくて連載は難しいけれど世に出したいアイデアがある」というような方のために10ページの読み切りコーナーを新設するなどしておりまして、新人さんのデビュー率が上がっています。

作家さんの切り口やアイデアを楽しめる形で作品をお届けして、ゆくゆくは面白い連載が生まれる……というようなサイクルを生み出していけたらいいなと思っています。

ゼノン編集部 S谷(以下、S谷):
「ゼノン編集部」は、編集者と作家さんのコミュニケーションが密だと思ってます。コミカライズのほかに、編集発案のオリジナル企画を作家さんに相談したりもしますね。

なので「一緒にコミュニケーションを取りながら成長していける方」だとありがたいなと思っています。「成長」を具体的に説明すると、「締め切りを守れる」でしょうか(笑)


締め切りを過ぎると「次に繋げる」ことが難しくなりやすいんです。どうしてもその場限りの「出たとこ勝負」のようなマンガの作り方になってしまって、「いいものを作ろう」というマインドじゃなくなってしまう。それは作家さんだけでなく、私自身の反省でもあって。

締め切りは破っても構わないんですけど「締め切り日に連絡が取れない」みたいなのはやめてほしいなと(笑)

デジタルメディアコミック編集部(チャンピオンクロス編集部) 吉川(以下、吉川):
締め切り、同意です!(笑)

秋田書店やデジタルメディアコミック編集部が手がける「チャンピオンクロス」では、「キャラクターの強さ」を求めています。

「テーマ」「ストーリー」はもちろん重要ですが、「作家からキャラクターへの思い入れや愛、性癖がどれだけ込められているか」「どれだけ多くの人に、このキャラクターにまた会いたいと思ってもらえるか」も重要なんじゃないかなと。


私はよく作家さんに「あなたの作った作品にキャッチコピーをつけてください」と話すんです。つけられたキャッチコピーはおそらく、その作品の中で一番作家さんが「伝えたいところ」だと思うので。

「マンガ家」として生きていくには、読者にお金を払ってもらわなければならない。「商品価値」という意味でのエンターテイメントを作れるかどうかは、とても重要だと考えています。

FEEL YOUNG編集部 K成(以下、K成):
「FEEL YOUNG」は女性向けのマンガ誌なので、前提として女性が読んで面白いものが嬉しいですね。でも「面白ければ何でも」とも思っています。

ベテランの作家さんも多いので層が厚く、新人さんを載せるとなるとどうしても短めのページ数になってしまうんです。 だからこそ、ストーリーでも絵でも、セリフ一つでもかまわないから「この方にしか描けない、キラリと光るもの」が何かほしいなと。


雑誌に載ったら、ベテランでも新人でも、同じ一人の作家になります。「よくあるもの」ではなく「作家本人の実感から生まれたもの」「その人ならではの強み」があれば、ベテラン作家さんと同じ土俵で戦えると考えています。

モミー:
みなさん、ありがとうございます。私も「その作家さんならでは」が見えるといいなと思いながら、日々、編集の仕事をしています。

▶ 7割のクオリティでもいいから「一つのマンガを完成させる」ことが大切


モミー:
では次の質問です。マンガ制作で最も大事なものは何だと思いますか。

K成:
さきほどS谷さんがお話しされた「締め切り」の話に近いのですが、「一つの作品を完成させること」が本当に大事だと考えています。

マンガを描いていると「まだまだ未熟だな」と感じるところがたくさんあると思うんです。だからといって未完成のままにしてしまうと、一生世に出ない。「今の自分の全力を出して“完成”に持っていく力」が必要なんです。

今日、ここ(コミティア会場)には、さまざまな方が制作した本がたくさん並んでいますが「本を完成させる」というのは本当にすごいことなので、誇ってほしいなと思います。

ほとんどの編集者は本を1冊、マンガを1本、描き上げたことはありませんから……。その時点でみなさんは偉い!(笑)

吉川:
編集者はすごく偉そうなことをベラベラと語りますが、マンガを描くわけではないですからね。そんな奴らにこんなこと言われるなんて……と思われるかもしれませんが、一方で、編集者はすごい数のマンガを読んでいるんです。そんな人間に言われたことをどう受け止めるかも、制作においてはとても重要なことだと思います。

K成さんもお話しされたように「マンガを1本描き上げる力がある」というのは、とても大きな才能だと思います。多くの人は途中で止めて、また最初から書き直しますから。

ではどうすれば最後まで描き上げることができるのか。大事なのは自分が一番描きたい、一番面白くて読者をあっと言わせたいシーンや決め絵の「山場」を先に考えることだと考えています。


こういった即売会では、手に取って試し読みをされる方も多いと思うのですが、ペラペラとページをめくっているときに、クッと一瞬手が止まることがある。おそらく、そこが「山場」なんです。一番見せたかったところが読者に届いた瞬間は最高だと思うので、ぜひみなさん「山場」を意識して制作してほしいなと思います。

S谷:
K成さんと吉川さんのお話しにも通じるのですが、「シティーハンター」の作者である北条司先生も以前「7割ぐらいで手放す」とお話しされていたことがあります。もちろん「こだわり」も大事なのですが、突き詰めすぎちゃうと手放せなくなってしまうので、頭のどこかで「7割」の意識を持っておくのも大事なんじゃないかなと。

あと私は「目標や夢を持った方がいい」とも思っています。例えば「ドラマ化したい」のか「アニメ化したい」のかで描く作品が変わりますから。「とにかく売れたい!」のであれば、今売れてるジャンルを狙ったり。

編集者と話ができるくらいのざっくりとした解像度でいいので「自分はどうしたいのか、どうなりたいのか」があるとうれしいなと思います。

松石:
……みなさんと被らないように答えるの、だいぶキツいですね(笑)。私からは「いろいろなことに興味を持つ。そのためにアンテナを広げて、常時発動していく」を求めたいです。

商業デビューはチャレンジの繰り返しです。そうなるとどうしても「グッとくるアイデアが出てこなくなる瞬間」は訪れます。しかも、思ったよりも早く。私の体感ではありますが、ネームをやり取りしている方のうち半分くらいは「1作を描き上げて、じゃあ2作目、3作目はどうしましょうという」タイミングで、その瞬間がやってきます。


なので、流行しているコンテンツやニュース性のあるものはもちろん、なるべく「自分がこれまで興味を持たなかった世界」にも軽率に触れて、ちょっとでも気になるものがあったら深入りしてほしいです。たとえ興味が湧かなかったとしても体験や資料は蓄積しますし、編集者との雑談の「種」になり、そこからアイデアが広がることもあります。

作品作りをしていると、自分の描きたいものの肥やしになるような世界と触れ合うことが多くなりますが、なるべくそれ以外の世界に触れる時間も潤沢に取って、インプットを重ねながら作品制作を続けていただければと思います。



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マンガ編集者が注目する「魅力的なキャラクター」は?

モミー:
次の質問は「世に出ている作品の中で、いいキャラクターだと思うのは誰でしょうか?」です。

松石:
2名いて、「サンキューピッチ」の小堀キャプテンと、「冒険には、武器が必要だ!~こだわりルディの鍛冶屋ぐらし~」の主人公・ルディです。

現代の部活ものとファンタジーものということでジャンルが全く異なる2作ですが、2名とも「芯」が強くて。「行動規範や価値判断基準」がすごく明確ですが、そのうえで常に読者の上をいくすごいキャラクターですね。

マンガにおいてはよく「共感性が高いキャラクター」が重視されますが、単にキャラクターの性格や境遇が読者と合致するかはそこまで重要ではないとも考えています。「絶対共感できないのに、この人がやることはすごいし目が離せない」「このキャラが決めたことなら応援したい、見届けたい」と読者に思わせるキャラクターは、作品を引っ張ってくれると感じています。

S谷:
私は「君に届け」の主人公・黒沼爽子ちゃんがとにかく好きで……。基本的に主人公は、魅力的に描くのが難しい。物語の中で狂言回しのような役割になりがちで、サブキャラクターの方が魅力的になってしまいがちなんです。


でも「君に届け」は、爽子ちゃんが一番魅力的なんですよね。それは、彼女がずっと「意外な選択」をし続けるから。読者が「こっちだろうな」と思う選択を、爽子ちゃんはしないんです。主人公でありながら好かれるのは、そういう「意外な選択」をするキャラクターなんじゃないかなと考えています。

吉川:
昨今「マンガを描きたい人」はすごく増えているんですが、「マンガを読む人」は減っていると私は感じています。なので「男女問わず読まれる作品」、つまり「男女両方から嫌われないキャラクター」がすごく重要なんじゃないかなって。

そう考えると「その着せ替え人形(ビスクドール)は恋をする」の五条新菜くんと喜多川海夢ちゃんは、絶対に男性にも女性にも「応援したい」と思わせるキャラクターでしたね。嫌なところが一切なく、作者からの愛や希望に満ちたキャラクターだったなと。

K成:
私は、自分の担当作品で恐縮なんですけれど「女の園の星」の小林先生を紹介させてください。

「女の園の星」で一番最初に生まれたのは主役の星先生だったんですが、彼はミステリアスで自分から感情を発露しない。だからこそ小林先生という真逆のキャラクターがいることで、主役の良さを引き出してくれて、物語が進んで行くんです。

何より小林先生は「奥行き」がすごくて、「小林先生ならこういうことしそう」がたくさんあるんですよね。「生徒から慕われてなさそう」とか「昼食はカロリーメイトを食べていそう」とか(笑)。後から描かれる人物像にズレがなく、「人間ってそういうものだよね」というところがいっぱいある。


小林先生のようなキャラクターを最初から目指して作るのは難しいかもしれませんが、面白い人や、好きだなと思った人と出会ったときにキャラクターに取り入れられそうなところを探していくと、物語を動かしてくれる独自性のあるキャラクターが生まれるのではないかなと考えています。

「売れているマンガを素直に読む」ことが自分の作品に生きる

モミー:
次の質問は「マンガを描く参考になる、読んだ方がいい・触れた方がいいマンガやコンテンツはありますか」です。K成さんからお願いします。

K成:
私、個人的にこの質問が一番難しくて……。万人に効くものはありませんが、目指したいマンガ誌があるのであれば、やはり「目指すマンガ誌」を読むのが一番いいと感じています。

今はWebでマンガを読む時代ですが、それだと好きな作品しか読まなくなって、「横」にある「こういうのもありなんだ」という情報が入ってきづらくなる。その点、雑誌は「この先生の作品を初めて読むけど、ネームのテンポがすごくいいな」というような気付きを得られる。

「この雑誌に自分の作品が載るためには、どこを高めたらいいのか」など、自分の作品を客観視するきっかけにもなるんじゃないでしょうか。

吉川:
弊社作品で大変恐縮なんですが「シグルイ」はぜひ一度みなさんに読んでいただきたいです。「ここまでやるか?」と思うほどの強い演出やエネルギーを真正面から放って、それにぶつかった読者が「なんだこれ、面白い!」と受け止めて広がっていった作品だと私は思っていて。


「演出ってこんなにやってもいいんだ」「これだけキャラクター色を強くしてもいいんだ」と、ぜひ「シグルイ」から勉強していただけれるとうれしいです。

S谷:
私も、この質問すごく困りました(笑)。なので基本的なことで。「やりたいジャンル」があるのであれば「そのジャンルで売れている作品の、上から10作、1話〜3話を全部読む」をやってほしいです。

やはり売れてるものには理由があるんです。人気で作品があふれているジャンルでも、売れている作品は基本がしっかりできている上に、新しい要素も入っていて「テンプレ」がちゃんとしてるいい作品がすごく多い。

あまり毛嫌いすることなく「売れてるものを素直に読む」はやった方がいいと思います。

松石:
私は「作品のジャンルを問わず自分と波長の合うページ構成やセリフのテンポ感を見つける」ことを勧めたいです。

1ページの中にコマがいくつあるか、セリフのテンポはどうか、吹き出しの数はどれくらいで何文字ぐらいなのか……。自分のテンポ感や演出と波長が合う作品に出会うと参考になりますし、何より「自分がやりたいことを先にやってくださっている作家さんがいるんだな」と気が楽になると思うんです。

自分が描きたいジャンルとは違うところにいらっしゃることもあるので、見つけるのはすごく難しいと思うんですが。自分が描きたい作品の「調査」をして、マンガを描く上での「見本」を見つけていただきたいですね。

「自分のマンガの作り方」を固定しないことがスキルアップに繋がる

モミー:
次の質問は「作家がレベルアップ・スキルアップするためにすすめていること」です。松石さんはいかがですか。

松石:
先ほどのみなさんのお話と被ってしまうのですが、やはり「完成させること」ですマンガを描く経験値は「完成」させないと得られません。

プロットをまとめたらプロットの経験値が、ネームをまとめたらネームの経験値が得られると思われるかもしれませんが、本当に、びっくりするくらい、マンガは「完成」させないと経験値が得られないんです。

まとまらなかったり、クオリティが思ったより低くなってもいいんです。そこが次の「目標」になりますし、完成したことで自分の「強み」「こだわり」が見えてくることもあります。

我々編集者は作家や作品の「いいところ」を見つけるのが仕事ですが、それもやはり「描き上げた作品」からしか見えないことがたくさんあります。「完成させる」というゴールを最短で目指すために、我々編集者も使い潰してほしいですし、持ち込みされるときはぜひガンガン質問して、目指したいビジョンをお話ししてください。


S谷:
レベルアップやスキルアップの手段は人それぞれではありますが、担当している作家さんに必ず聞くのは「ネームや原稿にかかった時間」ですね。

作家さんそれぞれにクオリティや作業時間などの「ペース」があります。その上で「これからどういう道筋で一緒に成長していけばいいのか」を考えるのが大事だと思っていて。

「今時点の自分の現在地」を把握することは、みなさんにもぜひお願いしたいなと。

吉川:
今回、完成させることの大切さが何度も話されていますが、作品がなかなかまとまらない作家さんとお話しすると「起承転結が分からない」ことに悩んでいることが多いんですよね。

そんなときに私は「1話完結のアニメを見ること」をおすすめしています。ただ見るのではなく、時間制限がある中でどこを一番盛り上げようとして作ってるか、導入はどこなのか、まとめ方は……と分析する視点を持つと、自分の作品に取り入れるスキルが結構高くなっていくんじゃないかなと。

モミー:
なるほど確かに。では、K成さん、いかがでしょうか?

K成:
私がみなさんに伝えたいのは「自分のマンガの作り方を固定しない方がいい」です。

私は、ねむようこ先生の担当をさせていただいているのですが、ねむさんのプロットの作り方がすごくて……!


こんな感じで、4コマ漫画がずっと縦に繋がってるいるような絵コンテプロットをネームの前に作られていて。「このセリフ弱いな」「そもそもこの事件って必要?」など、セリフやエピソード、表情などがプロットの段階でかなり精査されていて、ネームではコマ割りを決めていくだけ。内容はもう決まっているから、「どう読ませるか」という演出に集中できるんです。

ネームを作るのってすごく労力が掛かるから、いったん丁寧に描いた後に担当編集者から大直しをされるのは基本的にすごく嫌だと思うんです。でも、担当としても良い作品にするための必要な変更はご相談したい。この形式だったらプロットの時点で内容を精査できるので、一時期、担当作家さん全員におすすめしてましたね。

先ほど吉川さんから「起承転結が分からない」というお話しがありましたが、そういう方にもこういった「行程の細分化」はおすすめです。先日NHKで放送された「浦沢直樹の漫勉neo」でも、羽海野チカ先生がセリフやモノローグなど言葉を書き出したネームを切り貼りして、取捨選択しながら演出を考えているというスタイルが紹介されていました。

「私のスタイルはこれじゃなきゃダメだ」のようなことは思わずに、苦手なところ、時間がかかるところがあればぜひ気軽に違うやり方を試してみてほしいです。

マンガ賞への応募は「ゴール」ではなく、編集者とつながる「きっかけ」の場


モミー:
次が最後の質問です。本日登壇いただいたみなさまは「第3回マンガノ大賞」の審査員ということで、応募者に向けて、賞の魅力や編集部として期待するポイント、審査への意気込みなどを教えてください。

K成:
「マンガノ大賞」は、ジャンルや対象読者が異なる12の編集部が同じ作品を拝見します。こういった機会はなかなかなく、それが何よりのメリットだと思っています。

今日は代表してこの4人でお話ししましたが、それぞれの編集部、それぞれの編集者の視点で違うことをおっしゃっていましたよね。こんなふうに「1人の編集者が言ったことが絶対じゃない」ということが最初から分かっているのって、とてもいいことだと思うんです。

「この編集部・雑誌にマッチしているんだ」というのが可視化されやすい機会なので、どの賞に投稿したらいいか分からないという方も、ぜひ気軽に参加してみてほしいです。

吉川:
私は「第2回マンガノ大賞」も参加しているのですが、結果発表がとても面白かったんですよ。「えっこの作品、評価が分かれるんだ」とか「この作品、絶対に審査員全員の票が集ま……らない!?」とか。やっぱり編集部・編集者によって、好みってすごく違うんです。

ただ、応募作品数はめちゃくちゃ多いので、他の人に負けないくらい「性癖」を込めていただければと思います。 「自分の好きなキャラクターはこれなんだ」と、遠慮なく自分の“好き”を作品にぶつけてほしいですね。

S谷:
この秋から「ゼノン編集部」というWebマンガ媒体で、「第1回マンガノ大賞」の最終候補に上がった、さーもにずむ先生の連載が始まったんです。

ラストバトルのそのあとで レベル99のズタボロ勇者はメンタルケアの旅に出る』さーもにずむ(ゼノン編集部)

受賞には至らなかったけれど連載が始まるという、何が起こるか分からないマンガ賞だなと。12も編集部が集まるので、どこかに何かが引っかかる可能性があると思って、怖がらずに応募してもらえるとうれしいです。

松石:
持ち込みだと、一度に12の編集部を回るのってなかなか難しいと思うんです。それができるということが、まずは最大のメリットですね。

ただ、こんなことを言っていいのかなという感じなのですが……商業執筆を目指している方にとって、「応募」や「受賞」は決してゴールではありません。応募を通じて作品・作家と我々が出会って、声を掛けて、打ち合わせをして、次の作品作りがスタートしていく。その「きっかけ」を狙ってほしいなと思います。


実際「第2回マンガノ大賞」で惜しくも選外になってしまったけれど、私個人がすごく気になっていた作家さんに、読み切りを依頼したことがあります。その方は今も新作を執筆中で。作品を描き上げることが、次の作品作りにつながっていく、そんなチャンスを狙ってください。

今は出せる作品がないなという方も、締め切りは2026年2月24日(火)ということで、あと3ヶ月あります(※2025/11/24時点)。素敵な出会いになればなと思っていますので、ぜひお待ちしています。

モミー:
みなさんありがとうございます。最後に私からも。「マンガノ大賞」は毎回、いい意味で審査が割れるんですよ。「私はこの雑誌と相性がいいはず」と思っていたけれど、全く違う編集部から評価をされるということもある。そういった「意外な出会い」が起こりやすいマンガ賞ですので、ぜひ興味を持っていただいた方はご応募ください。


【マンガノ運営チームより】



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