デジタルネイティブ世代に最も届くマンガアプリcomicoで、漫画家が得られるものとは。(中編)【PR】
世界累計2000万ダウンロードを超えた、comicoは、この秋開始から3年を迎えます。国内では前編で紹介されたような大人向けのラインナップ「comico PLUS」もスタートし、アジアを中心に5カ国でも展開を続けています。スマホやPCでの閲覧に最適化された縦スクロールカラーマンガで読者の支持を集めるcomicoが、漫画家にとってどんな場になっているか、comico事業本部プロデューサー、大藤充彦さんにうかがいます。
NHN comico 株式会社プレスリリースより
『comico』、世界累計2,000万ダウンロードを突破!
【話者プロフィール】
読者=お客様。多様なコミュニケーションとクリエイティブ手法が拡がるcomico。
-本日はよろしくお願いいたします。まず大藤さんは、comicoでどんな役割を担っているのかを教えてください。
わたしはCreater’s Supportチームという部署で、クリエイター発掘や育成などを担当しています。
例えば、全国の教育機関などをまわり、学生さんにcomicoスタイルコミックへの取り組みを提案したり、直近ですとcomicoスタイルコミックの書き方ノウハウ本「デジタル漫画のテクニック」の企画・編集なども担当しました。
-この秋にサービス開始満3年を迎えます。「comicoではこんな作家が活躍できる」といった傾向は見えてきましたか。
読者とのコミュニケーションにおいて、ご自身の「型」をしっかりもたれている方が活躍しやすいのではないかと思います。comicoでは「コメント」や「お気に入り」などで、1話毎に読者が作品をその場で直接評価するシステムを採用しています。そのため、読者=自身のファン・お客様の声を直に聞く事ができます。
この様な仕組みの中、読者の反応を捉えて作品を「変える」部分と、ご自身の軸、作品の軸として「変えない部分」とをどう共存させるか。作家さんにより色々なさじ加減があるのですが、comicoの場合は、そのさじ加減、つまり「自分の型」を早めに確立できる方が向いていて、結果的には長く続けられる作家さんなのだと考えています。
-読者とのコミュニケーションだけでなく、縦スクロールカラーマンガというこれまでにない枠組みで、マンガの作り方も変わっていくのでしょうか?
いえ、そんなことはありません。
表現手法は独特かもしれませんが、構成を考えて、ネームをつくって、という作品の基本となる部分、いわゆるマンガの作り方の基本の部分は変わりません。
一方、「描く」という部分のスキルは作家さんごとに非常に多様です。これはcomicoに限った話ではありませんが、多くの作家さんがデジタルツールを使用していますので、手書きを中心としたアナログ製作に比べて、作業工程が様々なためです。
例えば、縦長のネームを、ある作家さんは全てデジタルで描きますが、別の作家さんは紙に描いてスキャンする、といった具合にそれぞれに作法があります。また、ツールのショートカット、レイヤー構造、パレットの使い方なども、皆さんそれぞれ使いやすいように効率化の工夫をしています。前述の解説本では、インタビューを交えながら、人気comico作家さんの作業環境や工程なども紹介していますので、ぜひそちらも参考にしてもらえればと思います。
-デジタルツールが多用されるなかで、まず紙に描いて、それをスキャンするといった作家さんがい いるというのは意外にも思えます。
そう思われるかもしれませんが、本当にいろいろなんですよ(笑)。
A4の用紙を縦に3分割して線を引き、アナログ(鉛筆)で下書きを描いてから、スキャンする方もいたりとか。
一方、完全デジタルの方の中でも、線画のレイヤーや色の塗り重ね、調整レイヤーの使い方、マスクの使い方などに個性が出たりします。全てのレイヤーにレイヤー名をつけて保存したりとか、そういったことを丁寧に進めて作る方もいます。一見面倒そうでも、後の作業や再利用を考えるとその方が効率的ということなのだと思います。皆さん、自分が効率的に進められる方法、「型」をそれぞれ持っていらっしゃるわけです。
貴重な青春の時間を無駄にしないためにも、とにかくデビューを!
-次に支持される作品の傾向を教えてください。comico読者に刺さるマンガはどんな作品なんでしょうか?
女性読者が多いので、やはり女性向けの作品が支持されている傾向はあります。そして、若い読者が多いので、共感を得られやすい学園ものの人気が出やすいです。ただ、comicoで活躍する作家さんは、そういったcomicoの人気トレンドに合わせて描くというよりは、自分の描きたいものを描くという方のほうが多いかなと思います。
-描きたいものを描けるというのはたしかに大きな魅力ですね。ところで、マンナビユーザーである新人漫画家にとっては「comicoならこんな成長が出来る」という点も気になるところです。
少し未来を見据えたお話しをさせてください。
これからのマンガ、というか個人クリエイターを取り巻く世界を想像してゆくと、自身の読者やファンと直接コミュニケーションをしてゆく機会は増えて行くであろうということと、そのスキルを有しているという事の意味は重要になってゆくと思われます。例えば、comicoでは、それらのツール群(直接コミュニケーションするツール)を標準機能として備えているため、その力を早めに培うことができるのではないでしょうか。
また、成長するためには、まずはプロになってしまうのが近道、という考え方もあるのではないかと。。「デビューするなら、メジャーなマンガ誌で」という方は多いと思います。しかし、マンガ誌が減少している現状では、それはとても稀少な機会になっています。もちろん、目指していた媒体で夢を叶えることは非常に重要ですが、もし皆さんが壁に当たっているとしたら、最初に目指していたこだわりから少し離れ、まずは場所を問わずデビューの夢を叶える。一定の成功を収め、それから好きなところ、目指していたところに移るという選択肢もあると思います。わたしはcomicoをそんなステップとして使って頂いても全然構わないと考えているんです。
そういった意味では、漫画家志望者で、既に一度他媒体で読み切りデビューをされた方でも、comicoの様なウェブ漫画にも視野を広げることで、プロとして 成長を加速できる場合も有 ると思いますし、最終的には食べていく選択肢を増やす事にもつなげてゆけるのではないかと思います。
私自身も、クリエイターであった過去を経て、またその後、ご縁あって長くクリエイター支援の仕事をしてきています。そんな中、多くのクリエイターとお付き合いしてきましたが、「とにかくさっさとプロになってしまうこと」は、実は大変重要です。私がお すすめするのは、小さくても良いのでとにかく早く第一歩を踏み出してしまうこと、つまり、選り好みせずにプロになってしまうことです。その後の人生でどちらが幸せなのかは一概にはいけませんが、目指していてプロになったという人生と、目指したけれど夢は実現しなかったという人生とでは全く違うと思います。私の昔話ですが、私の同期のクリエイターを目指した仲間の内、入り口で選り好みをしてしまった方は、結局殆ど業界には入れませんでした。
後で振り返ってみて、マンガに貴重な青春を賭けた事に後悔をしないように。そのための場として、広げる選択肢の一つとしてcomicoも有効に使って頂いても良いのではないか、本心よりそう思っています。
データ重視の作品作りも――コメント欄だけが読者との「コミュニケーション」手段ではありません。
-既にプロの世界で活躍する漫画家がcomicoに移籍して、さらに読者を獲得して成長するといった可能性はあるのでしょうか?読者とのコミュニケーションという未経験の領域が待ち受けるようにも思えますが。
可能性はもちろんあると思います。既にご活躍の方々ですと、ご年齢的にも少し上の方だと思いますし、社会で培われたコミュニケーション能力や、もともと持っているマンガ構成力などの強みも活かせると思います。ですので、comicoの特性さえ理解してしまえば、一気に人気作家になってしまう可能性はは十分にあるのではないかと思います。
-極端な話ですが、「コミュニケーションが得意でないから漫画家になった」という作家さんだと、ネットで直接読者とやり取りをしようとすると、少し難しい面はありませんか?
なるほど(笑)。
…私が申し上げているcomicoでのコミュニケーションとは、そういう意味のもののみを指している訳ではないんです。確かに、comicoの象徴的な対読者コミュニケーション手段として、作品への感想を書き込んでもらうコメント欄がありますが、必ずしもそれだけがコミュニケーションという訳ではないのです。
では、それ以外のコミュニケーションって何なのか、と申しますと、実は、読者データとのコミュニケーションなんです。
comicoでは、自分の作品に対してのネット上での反応を、管理画面で数字で見ることができます。そういったデータ上の反応に基づいて、読者と「コミュニケーション」をとる作家さんもいるのです。
comico掲載者が読者の閲覧数、コメント数など確認できるダッシュボード
後編に続く。
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※ 出稿元 NHN comico株式会社 文:マンナビ 菊池健
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