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2021年8月27日

『国際コミック・マンガスクールコンテスト2021』閉幕。大手メディアのプロが漫画家志望の学生に熱いエールを送る

国際コミック・マンガスクールコンテスト2021 審査結果発表

例年、世界中の学生から多数のマンガ作品の応募が集まるコンテスト「国際コミック・マンガスクールコンテスト」が今年も開催され、7月15日に審査結果が発表されました。85の国・地域の1,245校の学校が参加し、1,500点を超えるマンガ・イラスト作品の応募がありました。今回は計18名の受賞者に、協賛社から将来の仕事に向けてのオファーがあったとのことです。

協賛社には、集英社・KADOKAWA・小学館といった出版大手や、電子書籍サイト大手のBookLive・めちゃコミック・コミックシーモアなどの企業が名を連ね、回を重ねるごとに注目度が上がっています。

より早い段階での才能の発掘、いわゆる青田買いは、才能を求める企業としてはできれば手広く実施したいものですが、「学生」や「海外」を対象とすると、費用対効果の点で特定の企業が単独で実施するには負担が大きく、運営が難しいケースもあるといいます。また、webtoonや作画担当者など、切り口が変わるとなかなか募集しづらい、ということもあるようです。

そういった事情もあってか、「国際コミック・マンガスクールコンテスト」は、業界をリードする企業が垣根を越えて運営を支えるマンガコンテストとなっており、貴重なイベントといえます。公益社団法人 日本漫画家協会が後援に入っているのも、そういった機運を支持するものと思われます。

集英社 KADOKAWA 小学館 wacom BookLive 
KI-OON

各受賞作品には審査員・協賛各社から、プロ目線での丁寧かつ暖かいアドバイスが贈られました。コマごとの見せ方やストーリーの改善ポイントなど、受賞者はもちろん、アドバイスを見るだけでもご自身の作品に活かせる内容が詰め込まれています。

世界中の学生達がどのような作品を描いているか、それに対してプロはどのような点を評価し、アドバイスを贈ったのか、具体的に見ていきましょう。 コンテストの審査員総評と、総合グランプリ・部門賞を受賞した学生のコメントを動画で見ることもできます。


審査員紹介と総評

Charlie Adlard:アーティスト

Instagram Twitter
Charlie Adlardは25年以上経験を積んできたコミック業界のベテラン。『ウォーキング・デッド』のほか『X-ファイル』『バットマン』『X-メン』『スーパーマン』など世界中で知られている作品に携わっている。

総評:
私に審査を任せてくれたセルシスに感謝します...。 皆さんはとても、とても勇気のある方々です。 日本のマンガを深く読み込んだ経験がないので、 最初のリアクションは「なぜ僕なんだろう?」でした。 子供の頃から西洋のコミック、特にマーベル作品と バンド・デシネに影響を受けていたからです。 僕はこれを挑戦として捉えたのですが、考えると、 アメリカのスーパーヒーローも、 フランスのアニメーションも、SFマンガも、 根本は全て同じ「物語」なのです。 まず驚いたのは、圧倒的な才能の量です。 「これは学生が描いたんだぞ!」と何度も自分に言い聞かせました! もともと素晴らしい作品が多い中から ベストの作品を選ぶのは特に困難でした。 月並みな表現ですが、全員が勝者だと思っています。 無学な僕は「これは漫画として良いのか?」と常に自問していました。 偏った西洋の基準で判断している可能性があるからです。 だけど、僕が呼ばれたのも、こういう違う視点が 求められているからかもしれません。 同時にはっきりと感じたのは、国際的である、ということでした。 マンガは確かに世界中のコミュニティを繋げていますし、 それは素晴らしいことです! 候補者になった皆さん、そして 「受賞者」の皆さん、改めておめでとうございます。 皆さんには明るい未来が見えています。


Simone Ferriero:アーティスト

Instagram Twitch
イタリアのイラストレーター、コミックアーティスト。現在は『Falling in the Blue』というウェブコミックの他、様々なプロジェクトに取り組んでいる。

総評:
すべてのアーティストの旅は、それぞれ異なる方法で始まります。 このコンテストのすべての応募作品を見ながら、 皆さんの目の前に広がっている無数の道を垣間見ました。 それぞれの道はアーティストと読者、どちらの人生も永遠に変えることができます。 それもイラストや短編、ただのアイデア等、一見単純なもののおかげで、です。 作品のすべての線や形に作者の個性が垣間見えて、とても楽しかったです。 今回、僕は多種多様な世界、雰囲気、コンセプトを見る機会を頂きましたが、 僕がしないような選択をしているものが多く、とても刺激的でした。 最後に、皆さんが選ぶキャリアでの成功と、 常に自分自身に忠実であり続けることを願っています!


岡本正史:集英社

https://www.shueisha.co.jp/
東京芸術大学美術学部卒業後、株式会社集英社入社。女性誌~女性誌ポータルサイトを経て、マンガ制作のデジタル化に参加。集英社刊行の主要コミックスをアーカイヴしデータベース運用する「Comics Digital Archives」を企画・実現。「少年ジャンプ」等マンガ誌の制作環境のデジタル化を行う。デジタル事業部に異動後「Manga Factory」「SSDB(集英社総合データベース)」を立ち上げ。


鹿島拓也:BookLive

https://booklive.jp/
https://www.manga-nino.com/
マンガを介した企業間タイアップやテレビドラマ化多数経験。大手出版社編集長などを経て、2020年1月よりBookLiveコンテンツ本部部長に。

総評:
創作物を世の中に発表することが商業作家としての第一歩です。その上で、読者の購買動機を考えた作家の数が気になりました。読者は娯楽を貪りたい欲求があり、作家の表現欲求と少し乖離します。今回、受賞候補作に選出された中には、専門知識不足で上手く表現しきれていない作品が散見されました。それ故に伸び代を感じました。娯楽に昇華するために、あなたが作り出すストーリーやキャラクターに専門的な情報を盛り込み、知的好奇心をくすぐり、読者の可処分時間をどう奪うかを考えましょう。日本には、新人作家を商業レベルに育てる編集者がいますが、プロの編集からアドバイスをもらう事が商業作家としての近道なので、沢山投稿してください。


Kim Bedenne:Ki-oon

公式サイト Twitter
Ki-oon東京オフィス代表。フランスの大手漫画出版社・PIKAにて編集長を3年半勤めた後、Ki-oonの日本オフィス代表として再来日。

総評:
私は今回初めて国際コミック・マンガスクールコンテストで審査員を務めましたが、本当に様々な国から参加者が集まったことに驚きました。また、作品の種類の豊富さに、興味を惹かれました。バンド・デシネ、マンガ、コミックは別々の部門に分かれていましたが、互いに影響を受けあっていた作品がたくさんあったのが驚きでした。こういった混在の要素は、今の作家の強みであると思います。Ki-oonでは、従来のマンガの域を超えたいと思っている能力のある人達の作品、例えば「Les Temps retrouvés」や「Roji!」のようなフルカラーの作品などが世に出れるようチャンスを与えようと思っています。 コンテストの選考では、面白い切り口のストーリーが多かったのですが、むしろ最初から読者がストーリーに引き込まれるというシンプルな構成の作品のほうがより注目を集めることができたのではないかと思います。例えば、最初の2、3コマは、印象的なシーンに見せるために、大きいコマ、あるいは見開きで描いたりするやり方などです。興味をひくシーンや美しい絵であったり、狂ったキャラクター集団であったり......作品を際立たせてくれるものであれば、何でもいいのです!皆さんの作品はどれも本当に楽しめました!これからも素晴らしい絵を描き続けてください。皆さん、お疲れさまでした!


市原 武法:小学館

https://www.shogakukan.co.jp/
小学館 第二コミック局「少年サンデー」編集長。1997年入社、2009年「ゲッサン」を創刊。2015年より「少年サンデー」編集長に。

総評:
ご自身の描きたいもの・好きなものを、上手く見せられていた方が目立っていました。特に、「読みやすく」「わかりやすく」描かれていたものは非常に好印象でした。さらには、イラスト・漫画ともに、細部まで丁寧に熱量を込めて描かれていた作品も、非常に魅力的でした。上記のように、うまく「伝える」ことを考えてみると、より一層作品が面白くなるのではないでしょうか。受賞された方だけでなく、受賞とはならなかった皆様も、今後のご活躍を楽しみにしています。


土方 隆:KADOKAWA

https://comic-walker.com/
https://www.kadokawa.co.jp/category/comic/
KADOKAWA コミック第四編集部 担当部長。コミック・ライトノベル編集・デザイナーとして『コミックα』『月刊コミックフラッパー』『MF文庫J』『月刊コミックアライブ』の創刊に関わり、『月刊コミックジーン』『COMIC BRIDGE』を編集長として創刊。

総評:
まさに多種多様な作品ばかりで大変興味深く審査できました。特にカラー作品についてはジャンル問わず、カラーリングも含めて独特のタッチに将来性を感じる作品も多くありました。今回はテーマもページ数制限もありましたから、お話自体は割とわかりやすい収束をしている作品も多くあるなと感じました。しかし私たち編集者はもっともっと振り切れたあなたの感情を見てみたいと考えています。漫画はネームが本質とは思いますが、それを伝えるためのビジュアルの押しもやはり欠かす事のできない力です。あなたの想いを絵にして読み手にぶつけるときに、それが強烈であればあるほど効果は高まるでしょう。今後も皆さんの想いや感情を力いっぱい原稿にぶつけてみてください。審査を通じて世界中のたくさんの才能に触れて感謝しています!


矢野 幸治:ワコム

https://www.wacom.com/
株式会社ワコム クリエイティブビジネスユニット JP ビジネス/JPAP マーケティング バイスプレジデント。

総評:
今回審査にあたり、力作揃いの応募作品からどの作品を選ぶべきか大変悩みました。国際学生コンテストということもあり、応募作品の多様性や応募数に感銘を受けると同時に、中学生も応募している、その年齢の幅広さにも驚きました。マンガ、Webtoon、バンド・デシネなどご自身の国ではおそらくそれほど主流ではない作品のフォーマットに挑戦している方も多く、将来は国を超えて活躍したいと夢に描いている方も少なからずいらっしゃるのかなと思います。このコンテストを通して、他の方の作品を見ながら実力を知り、講評も参考にしながら、より高みを目指していただきたいと思います。作品の世界観の作り上げる上で欠かせない、自在に、多彩な表現が可能となるデジタルツールをお届けすることで、これからの皆さんの創作活動を応援しています。



スカウトまで至らなくても見どころのある作品には、協賛社や審査員のプロフェッショナルから、具体的なアドバイスを受けられる機会もあります。参加せずともアドバイスを見るだけでも腕前があがりそうです。


総合グランプリ

ペンネーム:Konata(Spain)
作品名:¡ÁNIMO PAPÁ!(スペイン語)
受賞コメント:
受賞の知らせを受けたときは、とても興奮しました。というのも、個人的な事情ですが、この漫画は私が仕事と勉強が重なる非常に不安定な状況の中作ったため、自分の能力を発揮できる時間があまりありませんでした。仕事と勉強を両立して行っていたので、時間に余裕がなくてもそのような計画を立てる余裕があまりなく、評価は上がらないのではないかととても不安でした。だからこそ、とても興奮しました。いろいろ、ありがとうございました、フィードバックも。
実は、作品を作る上で一番苦労したのは、ストーリーを考える事でした。人を褒める方法はいろいろあります。正直なところ、私の視点では、子供に対する親のように、無条件の愛のために自分の時間や天職を犠牲にしている人を賞賛することが最も美しいと思います。そして、その気持ちがすべての人に届くものであってほしいと思いました。
全世界に向けて発信する機会を与えてくれたことに感謝しています。ありがとうございます。

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協賛各社からの作品への感想(開く)

親子の関係性が良かったのですが、娘の父親に対するあこがれを全部セリフで言わせちゃうのがもったいないかなぁ。「なりたいものの仮装をする」という振りはガッツリと利かせているから、セリフ無くても、”娘がスーツを着ている姿を目撃する父親”というアクションだけで十分伝わるものがるのではないかと思います。絵で見せる表現があればもっと良かったかと。
BookLive


国境を越えて子育てものは泣けますね。お互いの家族への愛がすごく伝わる構成と表情が秀逸でした。絵柄は安定していますが、暗い描画と明るい描画の極端な差が狙いなのか、年齢差の描き分けにこだわりがあるのか、さらに長い話を描くときにどうするのか興味深いです。
KADOKAWA


妻に先立たれ、残されたひとり娘の育児や家事、そして仕事に奮闘するお父さん。冒頭の疲れ切った表情と、ラストの歓喜の涙を流すシーンが対照的でいい。天真爛漫な娘のキャラクターも好きです。喜怒哀楽の表情を描くのがうまく、娘の寝室のぬいぐるみやお弁当のおかずなど、細部まで丁寧に描かれている点も好印象。4~6ページの、父親が仕事や家事に忙殺されるシーンがやや単調なので、リズムよく感情的に描かれていれば、もっと物語に引き込まれたように思う。
UOMO


心温まるストーリーでした。セリフの無いページから二人の絆が伝わってきて、短いながらもきちんと物語が描きあげられていると思います。
ワコム


絵でシチュエーションを説明できており、短いページ数の中でストーリーの流れがわかりやすく描けています。今は親子のやりとりだけが描かれていますが、第三者の目から見た二人のキャラクターなども描写することでよりキャラクターの性格やどんな人物なのかが伝わると思います。
アムタス


人物の表情が豊かで、背景や小物の書き込みから父と子の暮らしがどんなものか、読み手の想像力が広がる。「仮装を用意しなければ」という父のちょっとした悩みが、ラストの救いに繋がっているストーリーも心が温まる。
ファンギルド


父と娘の物語を巧みに演出しています。話の組み立て方に加え、漫画には欠けがちな背景の描き込みも上手いですね。
Charlie Adlard


かわいいストーリーと画風ですね!堅実な漫画表現を使いながら独自の表現としてまとめ上げています。
J-POP Manga





ペンネーム:Álvaro(Spain)
作品名:Diablo Andino(スペイン語)
受賞コメント:
まず、私の作品を部門賞に選んでくださった審査員の皆様に感謝いたします。これまでのコンテストを見てきて、非常にレベルが高い事は分かっていました。ですから、受賞できたことをとても感謝しています。正直なところ、私は受賞することを全く期待せずにコンテストに参加しました。
しかし、何年にもわたって学んだ全てを実践したかったです。私の漫画に関しては、シンプルなストーリーであると同時にダイナミックで表現力のあるものにしたいと思いました。自分のカートゥーン風のスタイルを最大限に活用したかったのです。また、色も重要視しています。豊かなカラーパレットで物語全体を生き生きと表現したいと思いました。そして、さまざまな環境を表現しました。主にこの物語が持つこの魔法のオーラを少し強化するためです。
作品の応募の過程で、多くのことを学びました。 今回、受賞者に選ばれたことでこれからももっと頑張り、漫画の世界に入り続けていこうという意欲を掻き立ててくれました。誠にありがとうございました。




マンガ部門賞

ペンネーム:帰田(Japan)
作品名:初夏(日本語)
受賞コメント:
この度は、マンガ部門賞に選んでいただきありがとうございます。応募したきっかけはオーストリアにいる友人に私が書いた漫画を読んでもらいたかったからです。今の私にとって、英語の翻訳も国外に出ることも難しいので、何かの賞に入れていただけたらなと思い応募しました。
応募した漫画は、元々描き途中だったものに試行錯誤しつつラストを付け足しました。漫画内の、若松小夏は聞き間違った名前から出来たキャラで名前のリズムの軽快さが気に入っています。また、主人公の水瀬の思考回路も分かりやすく、動かしやすかったです。
今後は色々なタイプのキャラの書き分けやシーンの取捨選択を出来るようなりたいです。一軒家建てられるような作家になれるよう、頑張ります!

小学館の応援アドバイス

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絵がかわいく動きがあるので、女の子たちの学生感がとてもよく出ていて素敵だった。タイトルがもったいないので再考したい。保健室になぜ本があったのかはっきりさせたい。というような具体的なブラッシュアップを考えられるレベル。キャラクターが二人とも嫌味なく、どこにでもいそうだがつまらなくはなく、とても良い。
BookLive


とにかく台詞と間のセンスがたいへん優れていると感じました。「君! そんなトコにいたのか!」という台詞の選び方は、目線と相まって非常に効果的でした。台詞と間は、後々培えるものではないので、強い武器になると思います。
小学館


日常生活を舞台にした作品で、自分にないものを持つものにあこがれるという誰にでもある想いがうまく描かれている。二人の少女たちが秘密を共有し、少しの勇気が二人を近づけ持たざることをうらやましがるのではなく、手に入れるために前に一歩進むという元気をもらえる良作。
ソルマーレ編集部


短いページ数の中に思春期に誰もが感じる葛藤を、しっかりクライマックスのあるストーリーにしている。そこで話が盛り上がった後、ふと握った手を緩めるような、抜きがあるオチもうまい。また緻密な背景/白バックの緩急のつけかたで、女の子の心情をうまく表現できている。きちんと読者の心情をコントロールしながらマンガを見せていく技量があるのに、主人公の独白がやや説明的か。2ページ目の「なんとみじめなことでしょう」は、前のページの「それに比べて/私ときたら」だけでも十分。
UOMO


短いページですが、登場人物のキャラクター性がきちんと伝わってきました。二人の物語がこれから始まっていく感じがします。
ワコム


王道ではありますが、ストーリーはしっかりまとめられています。二人のキャラクターの対比がモノローグでの説明で終わってしまっているので、それぞれのセリフや行動で人気者キャラと主人公の差を見せてあげるとキャラの魅力が出てくると思います。
アムタス


クオリティはプロと遜色ないレベルです。導入からの展開とキャラ付けも上手く、 線も綺麗で構図も読みやすいです。重要な場面は大きなコマや1ページ丸ごと使用しているのも高評価です。 ストーリーは単純ですが、主人公2人がとても魅力的で、親近感を感じられました。欲を言えば、ミナセの性格描写を増やして、彼女についてもっと知りたいと思わせると良いかもしれません。何はともあれ、この作品はとても楽しめましたし、作者の次回作が楽しみです。
Ki-oon





ペンネーム:Mado(United States of America)
作品名:I Admire You A Whole Lot!(英語)
受賞コメント:
この度は、Webtoon部門賞に選んでいただき、ありがとうございます。このような賞をいただき、大変光栄に思います。私は昨年、""Cross My Heart ""という作品でこのコンテストに参加しました。そのプロジェクトでは、ビジュアル・ストーリーテリングの経験をたくさん積んだので、今年もこのコンテストに参加することにしました。そして、学んだことを活かして、""I Admire You So Much!""というとても個人的な作品を作りました。とてもパーソナルな作品です。
私は多くのアーティストやストーリーテラーを尊敬しています。彼らの努力や成功は、自分の技術を向上させるためのモチベーションになります。しかし、時が経つにつれ、友人や家族の励ましにさらに感謝するようになりました。私の作品にサポートしてくれるからこそ、私は今日まで創作活動を続けることができるのです。
将来的には、多くの人の感動させるようなストーリーを作れるようになりたいと思っています。自分の作品が他の人の創作意欲を刺激するのを見るのが一番嬉しいですね。

NHN comico株式会社の応援アドバイス

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背景色の変化で心情を表しているのがWebtoonならではで、ついついスクロールしてしまいそうです。主軸が主人公と憧れの人、になっているのだが、本当に大切なキャラクターは主人公の友人。主人公と友人のエピソードが前段にあるともっとよくなる。
BookLive


ストーリーが起承転結で丁寧に構成されている。キャラクターの表情が上手に描きわけられており、世界観に引き込められた。また小物、モブなども手を抜かずデザインがしっかりしているところのセンスを感じる。
ファンギルド


キャラクターから始まり、苦悩や葛藤を描き、最後は救いで終わらせる、物語をきちんと語られていることに好感を持ちました。
小学館


背景のグラデーションの移り変わりにあわせて、少女の抱く等身大の感情のアップダウンを描ききっている、と思います。縦のスクロールに時間の流れを感じられる作品でした。
集英社


POPな絵柄でサクサクと読み進められました。場面転換の色の表現や、キャラクターを目立たせる部分、余白を作る部分のギャップの使い分けなど、上手くWEBTOONの特徴を活用できていると思いました。
ワコム


実をいうと、完全に理解できたのはこの作品だけでした(年は取りたくないものですね...)それもあり部門賞に選出したのですが、コミックとしても読みごたえも十分あります。特に、色でキャラクターの感情を表現しているのがいいですね。感情表現にそれほど多くの台詞を必要としない明確なストーリーも魅力的です。
Charlie Adlard


とても心に響くメッセージが込められた物語です。アートワークは独特でカラフルなのですが、いくつかのコマは未完成感がありました。また、このメディアの活用方法にバリエーションがあまりなく、コマ割りが少し単調です。物語展開や表情と背景を使って物語を語る技術は特に目を見張るものがありました。
Simone Ferrierro


魅力的で独創的、そして表現力のある画風です。作品全体に渡って虹色のグラデーションを使っているのも、縦スクロールのフォーマットをうまく利用しています。
Tapas Media


素晴らしい友情物語ですね!ヒロインのストーリーが分かりやすく描かれていて、彼女が各場面で何をどうして感じているか分かりやすくまとめられています。色鮮やかなデザインもウェブトゥーンにピッタリです。全体的に読みやすいのですが、一点、スマートフォンのコマだけ読むのに苦労しました。友人が送った励ましのメッセージという重要な要素なだけに、読みづらくなっていて残念でした。読者が絶対に読み飛ばせないようにするとより良いと思いますが、総じて楽しく読ませて頂きました。
Ki-oon




バンドデジネ部門賞

ペンネーム:勝見ふうたろー(Japan)
作品名:青焦がれ 〜Blue longing〜(日本語)
受賞コメント:
こんにちは、勝見です。今回は貴重な賞を、ありがとうございます。大学に入って出会ったバンド・デシネというマンガの世界にハマり、その独特な雰囲気や魅力を自分でも表現したいと思っていましたし、テーマの「憧れ」というものについて、色々と考えていた時期でしたので、両方を形にできるよい機会だと思い、応募させて頂きました。
「憧れ」という感情の危うさと、その闇から救われる主人公のドラマを描きました。絵は全てアナログで、筆ペンを使って作画しています。主人公のペンギンの表情を描くのが楽しかったですね。カラーはデジタルで、なるべくカラフルに仕上げていますが、感情を伝えるため、あえてモノクロにした部分もあります。 受賞の連絡が来たときは、素直に嬉しかったですね。まさか自分がという感じで、びっくりしました。重ねて、今回は貴重な賞を、ありがとうございました。

協賛各社からの作品への感想(開く)

レベッカという鳥のカテゴリーを、水鳥だとしたら、このキャラクターにも水鳥なのに水面を泳げないという劣等感を持たせれば、空と海に対するラストの引きをもっと際立たせられたと思います。飛べない鳥・ペンギンの劣等感だらけのキャラクターのチョイスがテーマにハマっており、コマ割りや構図などとても上手でした。
BookLive


描きたいテーマががわかりやすく、ストーリも良くキャラも可愛い。少ないページの中見せ場も作られており、楽しく読ませていもらいました。
ファンギルド


好感度の高い絵柄とストーリーでした。
小学館


自分にないものにあこがれる二人。自分では気が付かない、自分に足りないと思うところに他者が魅力を感じる。それが自信につながるという勇気が出るお話し。そんな過去を流れるように描かれていてとても共感できる。キャラの表情なども魅力的です。
ソルマーレ編集部


まず画力が高く、ひねくれもののペンギン、美しい鳥、ひとくせありそうなセイウチ…描かれる動物がどれも魅力的で、物語に引き込まれた。海中のペンギンが溺れかかった鳥を助ける出会いをはじめ、話の構成が明快でわかりやすい。ペンギンの中でも序列が存在するという設定や、海を「泳ぐ」でなく「飛ぶ」と表現したのもうまい。ページ数の制約もあると思うが、これだけ画力があるので、もっと違ったユニークなストーリーも見てみたい。
UOMO


ストーリーがテーマに沿ってよくまとまっていると思います。登場キャラクターが鳥でしたが、動きや表情で気持ちがきちんと伝わってきました。
ワコム


美しく、感情を揺さぶられる絵柄です。鳥にキャラクター性を持たせるのは難しいのですが、作者は見事に成功しています。また、ストーリー展開も基本的には対話だけで進みますが、分かりやすく仕上がっています。
Charlie Adlard


キャラクター間の対話が最大の魅力でした。二人とも親しみやすく、互いの関係性も自然に、丁寧に組み立てられています。絵もきれいで、大胆な作風も高評価でした。欲を言えば、このスケールの作品ならば背景を描き込んで、画面に奥行きを加えることができたのではないかと思いました。
Simone Ferrierro


とてもユニークで魅力的な、意外性のあるコンセプトです。ストーリー展開も上手く、色のチョイスも素晴らしい。
Tapas Media


主人公の表情の描写が気に入りました。彼が自分自身を愛することを学ぶまでに経験した様々な感情を読み取れます。現実世界の描写(ウーバー、プールなど)が巧みに組み込まれており、主人公達が動物でも違和感を感じない仕上がりになっています。最後のページは特に素晴らしいですね!主人公の変身をよりなじませる為に、返信前後を並べた分割画面が無いのが少し残念でした。
Ki-oon





ペンネーム:Mie.(Taiwan)
作品名:穿上裙子的他(中国語)
受賞コメント:
今回の受賞は大変光栄です。主催者、審査員の皆様、ありがとうございました。 私は先生にこのコンテストを勧められました。コンテスト中、私は自己挑戦の精神で応募し、製作中に自分の未熟なところも度々に感じました。
今回の「憧れ」の課題テキスト、私が選んだのは女子の制服を着て、自分に嘘つくのやめた少年の話です。主人公の性格をどうやって表現するのか、長く考えました。また、2人の会話の過程が自然に表現できるように、読者に主人公の感情を共感させることに力をいれました。
これから、より多くの作品が制作できるように頑張ります。最後に、最後に、このような機会をくれた国際コミック・マンガスクールコンテストに誠に感謝申し上げます。

BookLiveの応援アドバイス

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会話の流れの中で、現在進行形と回想のすみ分けがきちんと描かれていないので枠外や枠線などで表現を変えた方が読みやすかったかもしれません。ラストにカズサが素敵な表情を見せるシーンに物語の頂点を作りたいので、その手前までは、曇った表情をさせておいてもいいかもしれません。その方が吹っ切れた感情を伝えやすくなると思います。
BookLive


缶ジュースを買って渡す描写が男同士のキャラクターの関係性が表現出来てて良い。ただ導入はもう少し原作の内容を盛り込んだ方がよりわかりやすくなると思う。
ファンギルド


最終ページの絵が秀逸でした。木漏れ日の乗った優美な線が、非常に目をひきました。惜しむらくは背景が少ないことです。ここまでの画力があればもっとリッチな作品に仕上げられたと思います。
小学館


課題はクリアできているが、仕上げがラストページ以外はかなりばらつきがあるのが課題です。あと冒頭のモノローグは長文ままでちょっとどうかと。マンガで表現できるところは印象的なシーンとして描いてほしい。冒頭は壇上に登場した幼馴染のさっそうとした姿をもっと長くして驚きを読者が共有できるようにして、そこの表情とラストの笑顔とのギャップを活かしたいかなと感じました。
KADOKAWA


細部まで丁寧に描かれていて好感がもてます。登場するキャラクターの表情も魅力的です。特にラストシーンの笑顔が印象的です。直前ページから最後のページへ一連の流れで見せるために、直前ページの1コマ目と2コマ目に連続性があるとよいと思います。
ソルマーレ編集部


同原作を元にした他ノミネーション作品と比べても、画力は非常に高い。特にラストに持っていく盛り上げは巧みで、裁ち落としの最終カットのエフェクトと表情なども手が込んでおり、このコマだけで一気にキャラクターを好きにさせるパワーがある。反面、導入ページはスケールも小さく、セリフの入れ方も説明的で平凡。最初のカットでのカズサの登場にも何らかのサプライズを仕込む技量があるはずなのに残念。
UOMO


作品の持つ空気感を汲み上げた、繊細な美しさを感じました。コマの持つ意味・役割により意識的になれると、一段飛躍できるのではと思います。
集英社


シリアスな話の中でも、ちょっとしたコミカルさを上手く表現されていました。光の表現が、作品を全体的にキラキラとさせていて、お題にとてもあっていると思いました。最後の見開き2ページで彼女の魅力が出ていて、すごく引き込まれます。
ワコム


コマの使い方が独特で、他シーンへの切り替えも混ぜているので会話ばかりでないのも良いと思います。最後の数ページでも上手くテクスチャーを使って、他ページとの対比を作ることで読者を退屈させない作りになっています。
Charlie Adlard


登場人物の表情や感情の描写がとても良いのですが、背景や体の構造により注意を払っても良いかと思います。
Simone Ferrierro


キャラクター導入が上手く、カズサも分かりやすく、堅実に紹介されています。画面全体に見せ、よりインパクトを持たせても良いかもしれません。 友達同士の会話も上手く演出されます。カズサが言葉に詰まった際、缶にズームインし、構図にパリエーションを加えるアイデアは素晴らしいです。物語では登場人物に一息つかせ、自己分析する時間が重要ですが、最後の2ページはこれを巧く描いており、カズサの美しい笑顔で締めくくられています。ぜひ彼女が主人公の話を読みたいです。
Ki-oon





ペンネーム:chicami(Japan)
受賞コメント:
この度はグランプリにお選び頂きまして誠にありがとうございます。
このような大きなコンテストでの受賞で非常に驚いております。
本イラストは「憧れ」というテーマから連想するようなキラキラした内容はなく、あえて悲観的な絵にすることで他の作品とアイデアが被らず目に留まるかもという意図で制作しました。
自身がスマホで撮影した写真から構図を練ったり、またその写真をテクスチャとして使用したりしたので、イラストとフォトバッシュ、両方の良い味が出せているのではないかと自負しています。
今後も従来の固定概念に囚われず、続々と生み出される新しい技法やツールを吸収しながら成長できるクリエイターになれるよう励みたいと思います。

協賛各社からの作品への感想(開く)

上品な構図に優れたセンスがあります。空の狭さと月の配置できちんと奥行きを出しているのがとても格好いいです。煙草をくゆらす女性のポージングも感情が読み取れて、観察眼のある方なのだと感じました。
小学館


建物を下から見上げる難しい構図だと思いますが、空の高さが際立って感じました。全体的に暗めの色使いですが、塗りのタッチが作品に合っていて綺麗にまとめられています。さり気なく見える三日月も良いアクセントに感じました。
ワコム


作品全体から世界観がしっかり伝わってきました。イラストとしても、マンガの背景としても高い描写力はプロとして活かせるレベルだと思います。キャラクターの表情がわかりにくいため、もう少しアップにするとより印象に残ると思います。また、一枚絵なので、演出効果の創意工夫に心がけてほしいです。
BookLive


大胆なアオリの構図で見る人の興味を引く。構図のとりかたも上手。月、部屋からの電灯、階段踊り場の光源と、非常に光のグラデーションが美しく感じた。シチュエーションも映画のワンシーンのようで想像をかきたてる。ビルの質感が若干写真を加工したようなタッチが見て取れるため、人物と人工物それぞれのタッチの差をあえてねらって変えたのかどうかわかりづらく、評価がしにくい。写真の像を意識するならばリアルな汚れやイラストにそぐわない要素をあえて残して、人物が包まれている光の空間を際立たせるか、もしくは人工物も人物の塗りとタッチを近づけて絵全体をなめらかにする方法もとれると思いました。
KADOKAWA


非常階段での喫煙というありふれた風景が、ライトのオレンジ以外はほぼモノトーンで描かれる。カルチャー好きにも共感できるシーンが潔くシンプルに写し出され、マンガファン向けだけでなく様々なメディアに似合うと感じた。大胆なパースの奥に置かれた月と登場人物の対比など、日常的なシーンの中にも隠された物語性や大人の苦味を感じさせる。
UOMO


色使いと構図の切り取り方にセンスを感じます。月明かりと照明の光の違いなども描きわけができており、表現力が高いです。
アムタス


見上げた空に月があり、非常階段(?)で女の子がタバコをすっている。実際はこんな盛大にタバコの煙はあがらないと思うのだけれど、わかっていながらの演出、ですよね。構図と光の使い方で、1枚の絵から物語を感じさせる技術がある、と思います。
集英社


非常にモダンかつリアルな作品で、勢いを増しているアニメタッチのイラストを思わせます。光と影のコントラストも上手いです。明暗(夜と光とタバコ)の色の対比をより際立たせると良いと思います。
J-POP Manga


リアルな内装と幻想的な光のギャップはアニメでよく見られる日常と非日常の並存を想像させます。 乗り場でのグラデーションも美しいですね。この場面をさらに印象的なものにするために、たとえば白いタバコの煙や赤い先端でキャラクターの顔に目を引くと良いかもしれません。
Ki-oon


私はこのイラストが大好きです。大部分は写真素材だと思いますが(作者が撮影でしょうか)、その中にイラストが綺麗に描き込まれています。ピンクの光の斜めの部分と上部の夜空の三角形の部分とのコントラストの取り方に見られるように構図がとてもうまく、雰囲気も素晴らしいです。非常にさりげなくストーリーを伝えることに成功しています。描き込みが余りされていないのに、とても絵画的に仕上がっているのも美しいですね!
Charlie Adlard


とてもいい構図だと思います。「憧れ」というテーマと必ずしも合致しているとは思いませんが、イラストとしては面白いと思います。
Glenat


■国際コミック・マンガスクールコンテスト2021 受賞作品へのアドバイスをみる


国際コミック・マンガスクールコンテストは、表現の手段としてマンガを制作されている学生の方には、見逃せないコンテストになっています。毎年開催されているので、興味のある方は、2021年時の募集要項など、ぜひ以下から詳細をチェックしてみてください。次回2022年は応募してみよう!

国際コミック・マンガスクールコンテスト2021




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