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ノウハウ
2026年7月9日

くらげバンチ編集者対談 作品づくりのリアルな裏側

WEBマンガサイト「くらげバンチ」では、『教育虐待』『介護とハイエナ』『女性に風俗って必要ですか?』といったノンフィクション・エッセイ作品はもちろんのこと、『山と食欲と私』『クマ撃ちの女』『裏道不動産』などのフィクション作品にいたるまで、徹底した「取材」を基に執筆されているのが特徴です。
そんな同サイトが、このたび第2回『エッセイ・ノンフィクション漫画賞』を開催。今回は、日頃から「取材」を基調とした作品を手掛けている編集部のMさんとEさんに、取材の裏側や作品づくりのリアルについてお話を伺いました。

――まず基本的なところから伺いたいのですが、取材のとき編集者はどんな動きをしているのでしょうか?
E:
 漫画制作にあたって「この人と話したい」「この場所へ行きたい」「こういう事をしたい」となれば、取材先を探して、先方とのアポ取りから取材日程調整など、一通り段取りを組みます。作家さん側で取材先にアテがある場合は、直接取り付けてもらうこともあるのですが、そうでない場合は編集部からオファーをします。
 取材の現場では、インタビューや現場撮影のお手伝いをして、作家さんがスムーズに取材できるようにします。インタビュー取材の際は、事前に打ち合わせで共有した取材目的に合わせて質問をお手伝いしたり、資料を出したりもしますね。現場取材の際は、その場所で写真や動画をあらゆる角度からたくさん撮ります。あとで漫画執筆時の作画資料にもなるので、劇中での絵が具体的にイメージできる作家さん本人が撮るのが当然ベストなのですが、手が回らないケースや取り逃してしまうこともあるので、補助的に撮影をお手伝いすることが多いです。たまに、私だけで参考写真を現場に行って撮ってくるよう作家さんからお願いされることもあるのですが、そのときは「失敗できない!」とプレッシャーがすごいです(笑)。


『山と食欲と私』(©️信濃川日出雄/新潮社)

M:
 潜入系だとまた違っていて、取材場所になりそうなところを事前に目星をつけておき、とにかく怪しまれないように作家さんをアテンドします。事前に人物設定を作って話を聞き出したり、練り歩いたり、とにかくネタを集めます。写真も撮れるところは撮っておきます。編集者単独で行く場合もあったりと、そこはEさんと同じ。自分は女性編集なので、女性が立ち入れない場所は無理矢理立ち入らず、男性の原作者さんにゆだねます。ネタ欲しさに、おもしろがって「聖域」に踏み込むのはNGですね。


『西成ユートピア』(©️國友公司/ワダユウキ 新潮社)

――作家さんが複数になるケースも多いと思いますが、どのように円滑になるよう進めていますか
M:
 原作・作画、場合によっては構成の方がいらっしゃったりもするため、とにかくお返事と伝達を早くすることです。編集のところで詰まると、その分すべての作家さんを待たせてしまうので。あとは、できるだけ各先生とのコミュニケーションを密に取ります。基本は担当編集を介してやり取りしていて、各セクションで直接お話しなくても齟齬が出ないように、細かい共有は常にしています。また、作品の根幹にかかわる相談の場面などは個別ではなく、全員で話し合いをセッティングすることもあります。これは、必ずしも円滑になるとは言えないので、ケースバイケースですが。


『教育虐待 ―子供を壊す「教育熱心」な親たち』(©️石井光太/鈴木マサカズ/ワダユウキ 新潮社)


『介護とハイエナ』(©️甚野博則/鈴木マサカズ/石津のぞみ 新潮社)

E:
 作家さんや監修者さん等、関係者の方が複数いらっしゃる場合は大変ですよね。私の担当作は作品によりけりで、Mさんと同じようなやり方もあれば、作家さんと監修者さんで直接やり取りするのがメインの作品、担当編集を含めた関係者が一堂に会した打ち合わせがメインの作品もあります。やり取りをしていく中で、その作品や作家さんに合わせた形にするのがいいのかなと思っています。

――ノンフィクション漫画を筆頭に、取材を重ねた漫画ならではの強みはどこにあると思いますか?
M:
 やっぱりその道のプロの知識や経験を直接シェアしてもらえることですね。実在の人生や世界を覗きにいくので、純粋なフィクションとは違う刺激があります。それまで興味がなかった社会問題にも、自然と関心を持つようになります(笑)。


『夫が裏アカで70人と不倫してました~サレ妻1年生奮闘記~』(©️ego/イチマルツグ 新潮社)

――企画はどのようにして立ち上がるのですか?
M:
 自分が担当しているものは、面白い経歴や取材経験などを持っている原作者・原案者との出会いから始まるケースが多いです。そしてそのネタを「おもしろい」と思ってくれる漫画家さんを見つけて企画が立ち上がっていきます。原作プロットをそのまま漫画に起こすというよりは、「リアル」と「ドラマ」のバランスをチームで試行錯誤しながら進めていきます。
E:
 逆に、原作・作画を一人で行う漫画家さんと「こういった企画をやろう」と企画の方向性が決まってから、取材や監修者とのやり取りを踏んで立ち上がった作品もありますね。「リアル」と「ドラマ」のバランスが難しいのは同じだと思いますが。


『真・女性に風俗って必要ですか?』(©️ヤチナツ/新潮社)

――担当していて、面白かった取材のエピソードを教えてください
M:
 芸能人との飲み会に夜な夜な参加する女性を取材したときがとても印象的です。「自分も知っている有名なあの○○さんがそんなことを!?!?!」と表には出せないようなエピソードで、世の中には知らない世界があるなぁと驚きました。


『トウ狂女子図鑑 ~普通じゃ足りない私たち~』(©️阿部ベア/高田千種 新潮社)

E:
 それとはまた違った体験なのですが、狩猟の取材に同行して、鹿の解体を目の前で見学したことです。「生きものだったもの」が「食べもの」になる過程は強烈でした。あれ以来、お肉はいっそう大切に食べるようになりましたね。


『クマ撃ちの女』(©️安島薮太)

――最後に現在開催中の「くらげバンチエッセイ・ドキュメンタリー漫画賞」の応募者に一言お願いします。
M:
「好奇心旺盛な方」のご応募を特にお待ちしています!こういった作品は「原作があるから楽じゃん」と言われることもあるのですが、自分ごとに落とし込んで描かないと教科書漫画になっちゃう。具体的には「人が好きな方」「コミュニケーションが得意かどうかというよりは他人に興味を持てる方」「調べるのが好きな方」。慎重さも大事ですが、「失敗を恐れずまずはやってみよう」と飛び込める人はぜひ!!!


『女の人生に整形って必要ですか? ~美容整形の裏側がカオスだった話~』(©️パチ美/金子べら 新潮社)

E:
 たしかに、取材現場では予想もしないことが起きたりもするので「勇気」「対応力」、そして「体力」が大切だと思います。とはいえ、いずれも取材をする中で培われていくものだと思うので、まずは題材や作品への興味や「熱意」がある方のご応募お待ちしております!


『それでも、親を愛する子供たち』(©️押川剛/鈴木マサカズ/うえのともや 新潮社)


■エッセイ・ノンフィクション漫画賞


くらげバンチにはノンフィクションを題材にしたヒット作がたくさん!漫画を描ける人も、描けない人も!あなたの「特別な」経験を募集します!大賞獲得作品は連載・書籍化のチャンス!

1.テキスト部門
フォーマット自由!漫画を描く必要なし!あなたが漫画にしたら面白いと思う経験を文章(箇条書きでもOK!)にして応募してください。
2.ネーム部門
あなたの経験を漫画ネームにして応募してください!過去に書いた作品・同人誌での応募も可能!
※エッセイ形式であれば、フィクションでもOK
※商業誌で公開されている作品は除く
3.作画部門
『それでも、親を愛する子供たち』のネーム(数ページ分)をダウンロードし、それを元に作画してください。キャラ・コマ割り・構図など、自由にアレンジしてください。

詳細は下記をご覧ください
https://kuragebunch.com/info/entry/nonfictionvol2

■くらげバンチ 持ち込み


くらげバンチで漫画を描いてみたい!そんなあなたを、いつでも編集部がお待ちしております。まずはお気軽にあなたの原稿を持ち込んでください!編集部員が丁寧に拝見し、アドバイスいたします!いっしょにシビれる漫画を作っていきましょう。

●オンライン持ち込みの場合
ご自宅に居ながら、編集部に持ち込みができ、編集者からアドバイス(僭越ですが)を受けられます!
オンライン持ち込みをきっかけに、くらげバンチに掲載が決まった方も多数♡♡
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持ち込みは完全予約制です。希望される方は、必ず前日までに電話で予約をしてからお越しください。
(受付時間:月〜金曜日(※祝日を除く)11:00〜19:00)

くらげバンチ編集部
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