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コラム
2026年6月11日

【モチコミonline】アルファポリスで連載!八朔堂先生編

漫画家を目指す方と、新たな才能を探している漫画編集者の打ち合わせ(持ち込み)のスケジュールをマッチングするためのサービス『モチコミonline』を運営しております。今回はそのモチコミonlineを通じて商業連載に繋がった八朔堂先生と担当編集にインタビューを実施いたしました!実際に利用された方の体験談をご覧ください。

モチコミonline公式サイトはこちら


―まずは漫画家を目指された理由やきっかけを教えてください。

八朔堂:
20代の頃、企業に勤める自分をイメージできなかったので、好きな漫画の世界でなんとかならないかな~という甘い考えを持って持ち込みしたりしました。当時は描きたい話も特になく、当然箸にも棒にも引っかからない有様でした。ただ、その中でアシスタント先を紹介してもらったりして、プロの現場を見て学ぶ機会をいただけました。現場を見ることで漫画家ってものすごく色々な能力が必要な仕事なんだな、自分にはとても出来ないなと実感し、5年やったところでもう漫画の世界から離れようと決心。全く畑違いの技術を学んで就職、結婚、出産、子育てと、20年漫画から離れていました。2023年に夫が仕事を辞めると言い出して、自分もどうにか稼げるようにならないといけない状況になりました。資格もキャリアもないため、唯一人より達者なこの分野でもう一度頑張ってみよう…と思ったのが本気になったきっかけです。

―20年漫画から離れていた中から「モチコミonline」に参加された理由を教えてください。

八朔堂:
持ち込み経験もあり、編集部に行くのに抵抗はなかったんですが、まだ子育て中ということもあり、あまり家を空けられないんです。複数の編集部にデータ持ち込みをしてもいいんですが、返答がいつ返ってくるかわからないし、編集さんとの相性や人柄もわかりにくい。そこで検索してみたところ、モチコミonlineを知りました。今はこんなに便利なシステムがあるんだ!と感動しました。せっかちで忘れっぽく、描いた原稿のことを忘れないうちにフィードバックが欲しい自分にとってはとてもありがたいサービスでした。1日で一気に済むというのも、本業がある方には助かるポイントですよね。また、編集者さんと会話ができることで、人柄や社会人としてのマナーといった作品以外の部分が評価につながる機会も得られて、そこも利点でした。

―ありがとうございます。モチコミonlineユーザーの中には子育て中でイベント会場に行きにくいという方もおられるので、そう仰っていただけて嬉しいです。実際当日の話を出来ればと思いますが、初めての打ち合わせではどのような原稿を提出されましたか?

八朔堂:
2作提出しました。どちらも女性向け、恋愛ファンタジーのジャンルで、男女カップルの体格差を描いたラブコメです。1作目はpixivで自主連載していたイケオジがヒーローのショート漫画、60P分をまとめたDL同人。ショート漫画が得意なのと、たくましい男性が描けますR18も描けますっていうのを見てもらえると思いました。
2作目はヒーローを若めにし、オジだけじゃなく20代前半の男も描けるアピールと、ストーリー性のあるお話も編集さんが判断するのに必要だと思い、モチコミonline用に全年齢向けの短編14pを描きました。どちらも完成させて、pixivにアップしたデータをそのまま提出しました。私の場合はアシスタント先で覚えた仕上げの丁寧さや画面の処理もアピールポイントなので、完成させたもの以外で提出することは考えませんでした。

―打ち合わせでは、ご自身からどのような質問をされましたか?また、どのようなアドバイスを受けましたか?

八朔堂:
ジャンルはどうするべきか?を一番迷っていたので相談しました。DL同人が最初の作品だったこともありR18作品を描くのに抵抗はないんですが、出来上がったものを見るとほのぼのしててあまり色気がないという悩みがありました。私の場合はねちっこい本番シーンがあまり得意ではなく、キャラクター同士の掛け合いや会話、関係性やテンポの良さが持ち味なので、TLジャンルだと本番シーンを楽しみにしている読者さんに物足りないものになってしまうんじゃないか?だからといって少女漫画にしては際どい部分を攻めるネタも多い…、私はどのジャンルで何を描けばいいのか?という、非常に抽象的な質問をしてしまいました。
7件マッチングして、それぞれの編集さんが異口同音に「キャラクターの面白さを活かしてエロもがんばれ」と、どちらかを選ぶのではない方向でアドバイスしてくれました。提出した作品の添削をしながら、コマ運びのテンポが良すぎて余韻がなかったり、見たい・見せたいシーンを十分に演出できていない部分に複数の方から指摘があったため、間の取り方や演出を勉強することで、苦手部分を克服できるかもしれないという気づきがありました。

―作品1つとっても漫画編集者によってはいろんな意見がある中、共通したアドバイスがあると安心感にも繋がりますし、ちょっとしたアドバイスの違いからその方の特徴も感じられますよね。7件マッチングした中で「アルファポリス」でのデビューを目指そうと思われた理由、または担当編集者と一緒にやっていこうと思われた理由を教えてください。

八朔堂:
もともとオリジナル作品を描きたいと考えていて、すべての編集さんにそう伝えていたんです。そこへありがたいことに2社の編集さんが「オリジナルで作りませんか」と声をかけて下さいました。アルファポリスの三木さんは、そんな中「八朔堂さんはオリジナルも描ける方だと思うんですが、まずはコミカライズからやってみませんか?」と現実的な提案をされた方でした。コミカライズをやることで知名度も上がり、ファンの方もついてくれるので、まずは足場を固めてから、満を持してオリジナルに挑戦するのもありだというご意見でした。「アルファポリスを踏み台にしてかまいません!」という、ものすごく漢気のある口説き文句で誘いをかけられ、オリジナルへのこだわりが揺らぐきっかけになりました。三木さんは私のpixivの投稿もマッチング前に見ていて感想を言ってくれ、モチコミonlineの面談中にも子どもへの配慮を下さったりと、きめ細かな気遣いのある方でした。終始「自分の目線」からの意見ではなく「相手の立場」を考慮しているのが伝わってくる、一番話しやすい方だったこともあり、一緒に仕事をするならこの方だと思えたのが決め手でした。結果的に、面白い原作に出会うことができ、コミカライズであってもオリジナルと変わらずお話づくりの楽しさや私らしさを作品に込めることができていますし、読者さんのニーズにマッチした題材を学ぶこともできますし、やってよかった!と感じています。

―担当編集から受けた印象的なアドバイスやエピソードがあれば教えてください。

八朔堂:
4話目のネーム初稿で登場人物が増え、話の筋を追うので手一杯の内容になってしまった時です。三木さんが修正案と一緒に「1~3話目を読者目線で読んだファンの気持ち」になって、ヒロイン・シエラのここが好き、ヒーロー・バルフのキュンと来るポイント、このシーン面白い!と感じる部分の「感想分析レポート」をつけてくださいました。作者は自分の漫画のどういった部分が魅力なのか忘れがちで、ページ数に収めよう、ストーリーをわかりやすく、とやっているうちに大抵その状態に陥ります。ファンレターが届いたような元気をもらえましたし、読者がワクワクするようなヒロインのカッコいい可愛いとこドンドン前に出そう!と思うと、いい感じのセリフやシーンが思い浮かぶようになりました。三木さんはクリエイターが気持ちよく創作できるように計らうのがとても巧みで、だいたい掌の上でクルクルされて気持よく描いています。

―編集者と一緒に漫画制作すると自分にはない考えやアイデアのキッカケが出てくるようになり、よりよい作品作りに繋がりやすいですよね。ありがとうございます。最後に、漫画家を目指されている方へ応援メッセージをお願いいたします。

八朔堂:
漫画に必要じゃない経験はない、ということをお伝えしたいです。私は社会に出て母親になる経験をしたから、編集さんとの報連相をこまめにする社会のマナーや読者さんに対するサービス精神が備わったし、キャラクターに人格を宿すことが感覚的にできるようになりました。いまなかなか芽が出ない方は、いったん筆をおいて漫画以外の世界に目を向けてみるのもいいと思います。そこで経験したことは絶対にこの先の創作の糧になります。そして、もうこんな年だし…と思わず、今ならできそう!と思ったタイミングで仕切りなおしましょう。PCとペンタブがあれば自由に創作でき、モチコミonlineのような見てもらえる場所があるんですから。漫画を描くことへの執着を捨てても、創作力が失われることはありません。今に囚われず、素晴らしい作品を生涯創っていけばいい。私もまだまだ再開したばかりですが、あなたが花を咲かせたとき一緒に肩を並べられるよう頑張っていきます。


―ここからは担当編集の三木様にお話を伺っていきたいと思います。事前に原稿を拝見した際、また初回のお打ち合わせ時に、どのような印象を持たれましたか?

三木:
モチコミonlineでマッチングする前に、個人的にpixivで八朔堂さんの同人作品「オッサンと苗床」を拝見していたんです。ですので、モチコミonlineでマッチングできたときは、個人的にもとてもうれしかったです。

持ち込んでくださったのは、ほぼ4コマ形式のショート作品「オッサンと苗床」と、コマを割ったストーリー形式の短編「騎士と姫と罪の果実」の2作品でした。「オッサンと苗床」では、キャラクター同士の掛け合いのテンポや表情の豊かさがとても魅力的で、「騎士と姫と罪の果実」では、短いページ数の中で感情の流れを作るネーム力の高さを感じました。

形式の違う2作品から、キャラクターを魅力的に見せる力と、物語として読ませる力の両方を感じられたので、「ご自身の強みと、それをどう見せればいいかをよくわかっている作家さんだな」という印象を持ちました。

―初回の打ち合わせでは、どのような点についてアドバイスをされましたか?

三木:
キャラクターのビジュアルを可愛く、カッコよく描けていることはもちろんですが、それ以上に「このキャラクター、好きだな」と思わせる言動を描けていることが、八朔堂さんの大きな魅力だと感じました。初回のお打ち合わせでは、まずその点をお伝えした記憶があります。

一方で、八朔堂さんの中でキャラクターたちがとても自然に喋っているからこそ、セリフやテキスト量がやや多くなる印象もありました。そこで、言葉をできるだけ絞ることで読者の負担を減らし、より鋭く、印象に残るセリフとして届くようにしていきましょう、というお話をしました。

キャラクターの魅力はすでに十分にあったので、それをさらに読者に伝わりやすくするための整理、というイメージです。

―連載に向けてやり取りを重ねる中で、優れていると感じた点があれば教えてください。

三木:
印象的だったのは、キャラクターを動かす力だけでなく、ストーリーへの感度が非常に高いことです。
「原作のこのシーンをより魅力的に見せるには、コミカライズではこういう舞台があったほうがいい」「だとしたら、その前にこういう流れがほしい」というように、見せ場から逆算して物語を組み立てられる方だと感じています。

小説とマンガは異なる表現媒体なので、小説の展開をそのままなぞるだけでは、原作の魅力を十分に伝えきれないこともあります。八朔堂さんは、見せ場が読者に一番気持ちよく届くように、前後の流れや場面の設計まで考えられる方です。原作の魅力を大切にしながら、マンガとして読者に届くストーリーへ落とし込めるところが、コミカライズ作家として非常に心強いです。

―その力を元に今回連載となった「だったら私が貰います! 婚約破棄からはじまる溺愛婚(希望)」は、どのような魅力を持つ作品でしょうか?

三木:
本作は破天荒なかっこよさを持つ公爵令嬢シエラと、とある事情から周囲に見下されている子爵令息バルフのラブストーリーです。

いわゆる“ドアマットヒロイン”ではなく、“ドアマットヒーロー”をヒロインが救うお話なのですが、とにかく第1話のシエラからバルフへの逆プロポーズが、痺れるほどかっこいいんです。凛々しくて、行動力があって、でもその奥には健気さもある。春瀬湖子さんの原作小説が持つシエラの魅力を、八朔堂さんならではの味付けで、鮮やかに表現してくださっています。

さらに2話、3話と進むにつれて、逆プロポーズで結婚することになったバルフの真意や、クレバーなのに恋愛になるとポンコツになってしまうシエラの可愛らしさも見えてきます。勢いのあるラブコメとしての楽しさはもちろん、キャラクター同士の関係性が深まっていく面白さもある作品なので、ぜひ読んでいただきたいです。

―原作小説の魅力を、八朔堂先生がどう表現していくのか注目ですね!今回の掲載媒体である「アルファポリス」は、どのような特徴を持つ媒体でしょうか?

三木:
アルファポリスは、小説の投稿サイトから生まれた出版社で、Web発の作品づくりやコミカライズに強みのある媒体です。私が所属する女性向け編集部では、『最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか』『自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。』のようなアニメ化作品や、『継母の心得』のようなヒット作も数多く生まれています。

また、TLジャンルについても、これまではコミカライズ作品を多く展開してきましたが、今後はオリジナル作品でもヒット作を生み出せるよう、力を入れているところです。作家さんの魅力や個性を活かしながら、読者さんに届く作品を一緒に作っていける場所だと思います。

―今や漫画家を目指す方は増えていますが、漫画家を目指すうえで、特に重要だと感じる力や意識すべき点について教えてください。

三木:
漫画家を目指すうえで大切なのは、自分の「好き」や「強み」を大事にすることだと思います。

もちろん絵の上手さやネーム力も大切ですが、持ち込みの段階で完璧である必要はありません。「キャラクターの掛け合いが楽しい」「表情が魅力的」「色気のあるシーンが上手い」「感情の見せ方がいい」など、どこかにその方ならではの魅力があれば、そこを一緒に伸ばしていきたいです。
編集者に見せるとなると緊張する方も多いと思いますが、自分ではまだ整理できていない強みも、お話しする中で見えてくることがあります。なので、迷っている方には、ぜひ気軽に作品を見せていただけたらうれしいです。私もその方の魅力が一番伝わる形を一緒に探していきたいと思っています。

―どうしても編集者に作品を見せるのは緊張すると思いますが、自分では気づかなかった強みに気づくこともあるので、是非運営側としても挑戦してほしいと感じます。最後に、漫画家を目指している方へ応援メッセージをお願いいたします。

三木:
漫画家を目指している方の中には、「まだ未完成だから」「自分の強みがわからないから」と、持ち込みをためらっている方もいるかもしれません。

でも、作品の魅力はご本人が気づいていないところにあることも多いです。完成度だけではなく、「その方ならではの面白さがどこにあるのか」「どうすれば読者に届く形にできるのか」を、一緒に考えていけたらと思っています。

少しでも気になる方は、ぜひ作品を見せていただけたらうれしいです。お話しできるのを楽しみにしています。


■「だったら私が貰います! 婚約破棄からはじまる溺愛婚(希望)」


公爵令嬢シエラは、王太子アレクシスの婚約者“候補”として、長年曖昧な立場に置かれてきた。
「王太子妃に最も近い存在」と言われているが、当のアレクシスは婚約者のいる男爵令嬢キャサリンに夢中で、シエラを蔑ろにしてばかり。さらにキャサリンの婚約者である子爵令息バルフまで、「婚約者の浮気も止められない男」として周囲に見下されていた。
しかしバルフは、ただおとなしいだけの令息ではなかった。ある出来事をきっかけに、彼の誠実さと秘めた強さに触れたシエラは、彼を幸せにしたいと思うようになる。
そして迎えた夜会の日。理不尽に傷つけられるバルフを見ていられなくなったシエラは、ついに誰も予想しなかった一手に出る。さらにその勢いのままバルフに逆プロポーズして――!?
欲しいものは自分で掴み取る公爵令嬢と、不遇の子爵令息が織りなす、痛快ラブコメディ開幕!
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