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コラム
2021年4月7日

週刊少年マガジン編集者が語る!お悩み相談への回答




週刊少年マガジン編集部 高長佑典 様
Twitter  DMにて持ち込みや相談可能!
マガジンデビュー
DAYSNEO
質問箱


●プロフィール
ビッグコミックスピリッツ(小学館)、ゲッサン(小学館)にて漫画編集を経験後、2018年に講談社へ転職。
現在、週刊少年マガジン編集部に勤務。
●担当作品(執筆時点)
『それでも歩は寄せてくる』『チャンドラハース』『ダイヤのA actⅡ』『恋と嘘』『フェチップル』『29歳独身中堅冒険者の日常』『UQホルダー』

  


※本記事は高長様より許諾をいただき、高長様個人のnoteから転載および再構成しております。

前々回の『担当編集は作家と打ち合わせで何を話すのか』についての記事はこちら!

前回の『週刊少年マガジン編集者が語る!新人賞や持ち込みで見るポイント』についての記事はこちら!


お疲れ様です、担当の高長です。
今回は質問箱にとても良い質問をいただきましたのでそれについてお話ししようかと思います。


いつも担当作品を楽しく読ませてもらっている読者です。私は漫画家や漫画家志望ではないのですが、気になったことがあったので質問させてください。

漫画に限った話ではないと思うのですが、漫画家さんが描きたいものと世の中から求められるものが食い違うパターンがあるんじゃないかなと勝手に想像しています。

そういった場合の折り合いの付け方について、たなさんはご自身が担当の漫画家さんにどのようなアドバイスをされているのでしょうか? 差し支えない範囲で教えていただければ幸いです。

漫画家さんが描きたいものと世の中から求められるもの……とても興味深い部分ですね。実際、僕が編集者になった10数年前あたりから、漫画は題材やジャンル、雑誌のカラーより「あなたの描きたいものをぶつけてください!」と募集されるようになりました。

僕自身もその価値観に従って仕事をしてきましたし、間違っているとは今も思いません。…ただ、たくさんの作家さんと一緒に仕事をし、その考えに触れるうちに”あること”に気付くようになりました。

描きたいものと描けるものは違う。

…というケースが結構多いのです。同時に「生まれ持っての性格と、生きる上で身に着けた性格は異なる」というのも感じるようになりました。 結論から言うと、人は「ないものねだり」をする生き物なんだ、ということです。例えば僕はマンガでいうと努力型で、逆境に負けたり文句を言ったりせずこつこつひたむきに頑張る主人公が好きです。さて実際はというと、恥ずかしながら僕は「努力」が大嫌いです。逆境が迫ってきたらすぐ文句言っちゃいますしなるべく避ける方向に動きます。うーん自分で書いていて恥ずかしい…

「好きなマンガ」って、その「ないものねだり」、言い換えれば「憧れ」が色濃く反映されていると思います。なので「描きたいもの=自分が好きなマンガ」と設定していると、理想と現実にギャップがあって苦しむんですね。いただいた質問は、それに近いように感じました。

そういう時こそ編集者の出番で、傍から見る役割が存分に発揮されます。 好きなマンガや映画、憧れのキャラクターなどたくさん聞いたこと(内側の情報)とともに、その人自身の性格や、周りからだとどう映るか、どんな経験をしてきたかなど(外側の情報)と併せて、作家さん自身がどういう人で自分のことをどう思っているのか、なぜ好きなマンガやキャラクターに憧れるのかを見つめるようにしています。そこから出てくるアイデアにこそ、作家さんの個性や持ち味が詰まっている場合が多いです。

もちろん、描きたいものと描けるものが同じ方もいらっしゃいます! 描きたいものを捨てろ、という話ではないのでご安心くださいね。

さて、次にいただいた相談についてお答えしたいと思います。


いつも質問の回答やnoteなど興味深く拝見しております!
質問失礼します。。

ネームを送っても担当さんの返事が無くて困っています
催促しても基本音沙汰無しです。直接電話をかければさすがに対応してくださるのですが、次にネームを送ったときにこれが改善されることはありません
これは普通なことでしょうか…?

新人作家とはいえどこちらにも立場があるので、担当さんの忙しさや顔色をうかがうことはせず催促を続けましたが、なんだか疲れてきました

それなら催促など必要なくなるほど面白いものを描けというご意見もあるでしょうか、なんだかお門違いな気がします

漫画業界の悪いところを見てしまった気がして、今まで楽しんでいた漫画も楽しく読めません

実はこうした「担当編集についての相談」が一番多いですね… その中でも「担当編集から返事が来ない」「(ネーム途中で)相談していいのかわからない」というのが圧倒的に多い。 本来、担当が付くことは喜ばしいことのはずなのに、かえって悩みを増やしてしまうケースもあるみたいです。

お答えとしては2つあります。
1.担当の良し悪しとは
ヒット作を連発するとか、新人をたくさんデビューさせるとか、優秀な編集も中にはいます。そして重要なのは編集者の能力よりも相性でしょうか。自分の良さを知ってくれているかどうか、期待してくれているかどうか。編集者の能力と相性、それを同時に見抜く方法が「レスの早さ」だと思います。 たしかに忙しい編集はいますし、タイミングによって連絡のとれない時間はあります。ただしどんなに忙しい編集でも、一週間もネーム読めない、打ち合わせの時間が作れないなんて人はいません。 ネームの返事がない理由は、はっきり言えば「やる気の無さ」にあると思います。仮にその担当さんがすごくいい人、優秀な人だったとしても、ネームの返事をくれない=やる気がない人と一緒にやるなんて時間の無駄です。別の雑誌、別の編集者を模索した方がいいかと思います。

2.作品づくりを委ねない
担当がつくとネームをあれこれ直すよう言われるのが普通になってきます。実際、編集は作品をより面白く、より広くわかりやすい方向へ導く役目があります。ただ作品は常に作者のものだということを忘れないでほしいです。編集者の修正指示は「こう直せ」の命令ではなく「こういう直しはどうでしょうか?」という提案なのです。肝心なのは、その提案を採用するかどうかは作家さん自身の判断だということです。 つまり質問の方のケースだと、僕は担当を変えること、解消することを強く勧める前提ですが、手ごたえのあるネームが描けたのなら別に編集の確認や返事など待たずに原稿を描いてもいいんです。究極、編集者には採用するかしないかの判断しかないんです。不採用でも作品に自信とこだわりがあるなら別の編集者や編集部に持っていけばいいと思います。

話は変わりますが、同じように多くある相談に「編集さんは忙しいのにネームの途中や細かいアイデアを相談していいのかわからない」というのがあります。人柄としてはすごく好感の持てる話なのですが、作家としては損してるのでは?と感じてしまいます。だったら担当してもらってる意味ないやん!と。新人だろうと何だろうと、作家さんには担当への気遣いより作品のことを第一に考えましょう。 確かに今の編集者は仕事に終わりがなく、絶えず“やること”を抱えています。SNSなどでスカウトや宣伝なども入れると24時間働けちゃう現状です。だからこそ、どんどん打ち合わせの時間を作るよう積極的に働きかけたほうがいいと思います。忙しくて悪いかな?と思っていても無駄に時間が過ぎていくだけです。逆に考えれば、編集者は忙しい日々の中でも「この人と一緒に仕事がしたい」「将来すごいものを描いてくれるかも」と期待して担当希望しているのです。細かい相談や途中のネームでも、頼られたら嬉しいものですよ。 もし万が一迷惑そうにされたら、そんな担当と面白い作品を作るのは難しい…というか一人で作っているのと変わらないと思います。合わないことがわかっただけ収穫、と思って別の編集を探していいと思います。

長々と話してしまいましたが結論はシンプルです。作品のためになるか、漫画家人生のプラスになるかどうかで全て判断すればいいと思います。編集はそんな悪い人ばかりではないです(自分への戒めも込めて…)。頑張ってください!





その他、高長様が過去に答えられた質問箱の中から特に多かった質問や気になるであろう質問をピックアップさせていただきました。その他の質問は高長様の質問箱をご覧ください!


キャラを立てるとは?

この人(登場人物)はどういう人(性格とか行動原理など)か、ぱっと見の読者さんにもわかってもらうことです。


漫画賞に出すのと、持ち込み、どちらを、優先して、すべきでしょうか?

僕は持ち込みをお勧めします。経験値が大きいと思いますので…あと持ち込みをする新人作家さんが減っているので、むしろ持ち込みは今レアな体験になっているのかも…?


持ち込みでとくに多いジャンルとか増えてきてるジャンルってどういうのがありますか?

僕個人でいうと、体感では「からかい上手の高木さん」的なラブコメ作品が多い気がします。


縦読み漫画でも見ていただけるのでしょうか?

経験はあまりないですが、大丈夫ですよ!


マガジンデビューに載せるマンガって編集としてはどのくらいの量が嬉しいですか?

内容にもよりますがギャグ8~16P、コメディー16~24P、ストーリー32~46Pくらいが読みやすい目安でしょうか。当然ですが内容のほうが大事です!


奨励賞・佳作・入選・特賞のランクって難易度を言葉で表すとそれぞれどんなかんじですか?

MGPだと仮定すると
奨励賞…月に10人未満
佳作 …月に数人
入選 …数か月に一人
特賞 …うおー!今年は出たか!!
…くらいでしょうか。あくまで体感ですが。枠が決まっているわけではないです!


デビュー前の新人さんの中で、この人はデビューする。若しくはこの人はデビューさせたい。と思えるような新人さんはどんな方ですか?

言いたいことや描きたいもの、もっと言うと価値観をはっきりと持っている人ですね。自分自身やこれまでに出会った誰かを大切にしてるんだなと感じます。


この人やる気すごいなって言う新人さんのエピソードってありますか?

打ち合わせにネーム3本とか持ってきたり、修正を翌日上げてきたりすると、おおーやる気あるな!こっちも負けてられんと感じます。





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転載元:高長佑典様note


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