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コラム
2021年10月15日

マンダンラジオ出張掲載版#5 週刊少年ジャンプで連載された漫画家から見た『バクマン。』

漫画家


■マンダンラジオ 漫画家2人が漫画について語るラジオ


漫画家として活躍されている安藤正基先生が中心となって、漫画に関するアレコレをテーマに様々なゲストを招いて、ゆるく楽しく語り合うラジオ企画!毎月下旬頃にYouTubeにて配信中!
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※2018年10月28日にYouTubeにて配信された内容を許諾を得て一部記事化内容を再構成しております。是非、本編アーカイブもご覧ください!





安藤正基:
みなさん、『バクマン。』という漫画をご存知でしょうか。2008年から2012年まで週刊少年ジャンプで連載されていた作品で、2人の少年がコンビを組んで漫画家を目指すという内容になります。非常に面白い作品で実在のジャンプ編集やジャンプ作品などが色々出てくるんですよね。とてもリアリティがあるのですが、実際どこまで本当なのでしょうか。ということで今回は『バクマン。』ってどこまで本当なのかについて話したいと思います。ただ、私はジャンプ作家ではないので、今回はジャンプで連載されていた先生をゲストにお呼びしたいと思います。どうぞ!

平野稜二:
2018年に『BOZEBEATS』という漫画を週刊少年ジャンプで連載していた漫画家の平野稜二と申します。よろしくお願いいたします!

安藤正基:
ありがとうございます!まずは手始めに平野君は担当編集が付いた時期や賞とかは何だったんでしょうか。

平野稜二:
僕は持ち込みからではなく漫画賞の時に担当編集がつきました。18歳の時にGカップという週刊少年ジャンプ主催のギャグ系の漫画賞に応募したのですが、それは箸にも棒にも掛からずでして。次に手塚賞という漫画賞に出して、その時は最終選考をいただきました。名前だけ誌面に載る形だったんですが、担当編集はその時ですね。正直、手塚賞出したときは本気で漫画家になるんだとは思っていなくてですね。なんとなくお小遣い稼ぎだったので、まさか受賞するとは思っていなかったですね。初めて身体がぶるぶる震えました。

安藤正基:
そうだったんですね。『バクマン。』もサイコーとシュージン(主人公の2人のあだ名)も手塚賞に出す展開があるじゃないですか。詳しいことは言えないと思うのですが、最終選考もらったとき先生方からコメントは聞きました?

平野稜二:
勿論聞きました。その時の編集者さんは全員分のコメント用意してくれていたのですが、ただ緊張とか衝撃が大きく折角メモしたのに見返すと何が書いてあるのかわからなくて(笑)

安藤正基:
丁度コメント欄で「『バクマン。』のように掲載決まったら焼肉食べに行くって本当ですか?」といただいたのですが、平野君はどうでした?

平野稜二:
これは本当ですね。掲載というか『BOZEBEATS』の連載決まりましたという時に御祝として行きました。

安藤正基:
あと個人的になったこととして、連載漫画家が呼ばれる新年会があるじゃないですか。それに行く用に自宅までハイヤーが迎えに行くシーンが『バクマン。』にあったじゃないですか。あれってマジなんですか?

平野稜二:
それはマジです。事前に新年会用にハイヤー手配しておきましたと電話をいただきまして。指定された時間にマンション下りると停まっているんですよね。

安藤正基:
勿論言える範囲で大丈夫ですが、会場の様子とかはどうでした?

平野稜二:
実際に入るとスーツを着ていない方々がいるんですよね。スーツを着ている方は基本漫画編集者さんですが、自分と同じようなラフな恰好の方がいて、こっそり担当編集さんにあの方は誰ですかと順番に聞いていって。ただ、自分は話しかける勇気がなかったので会場の隅の方で黙って座っていましたね(笑)どうしようと思っていたら丁度同じ時期に連載が決まっていた漫画家さんがいたのでお話しました。その後に担当編集さんに連れられて他の連載漫画家さんと話す機会を設けてくれて本当夢見心地でした。何人かの漫画家さんには1話見ましたとか絵上手ですねとかおっしゃっていただいて本当に嬉しかったですね。読者さんにも読んでもらえるのも勿論嬉しいですが、自分が憧れていた漫画家さんに読んでもらえるのはまた別の嬉しさがありますね。

安藤正基:
良い思い出ですね。次の質問にいきましょうか。メールでいただいたものです。「『バクマン。』に出てくるサイコーの画力についてです。1話で漫画の描き方本を買っていましたが、ああいう本は本当に役立つのでしょうか。もし先生方が参考にしていた教本があれば教えてください」とのことです。サイコーは捨てていましたけどね(笑)

平野稜二:
今では漫画の教材って探せば沢山あると思うのですが、当時僕が住んでいた富山はそんなになく、ネット販売も今と比べると普及しておらず。漫画ってどう描けば良いんだと思って取り合えずブックオフに行きましたね。1990年発行の漫画の描き方みたいな本とかを見てトーンの貼り方とかGペンのつけ方など見てましたね。ただ個人的にはああいう教材はあまり役に立たなかったですね・・・。でも、僕は形から入るタイプなのでバンバン買っていました。

安藤正基:
僕も昔は沢山買いましたけど、折を見て整理しましたね。

平野稜二:
でも、デッサンの本とか筋肉がどういう風についているかといった解剖図の本は今でも参考に使ったりしますね。他にはストーリーの本を買います。どういう風に映画は組み立てているのかといった内容のものを勉強したりしています。

安藤正基:
平野君は凄い勉強熱心でめちゃくちゃ部屋に本があるよね。

平野稜二:
ただ、最終的に勉強になるのは漫画ですね。漫画が教科書。

安藤正基:
いや本当にそうだよね、まず漫画を読まないとだよね。次の質問いきましょうか。「平野先生といえば週刊少年ジャンプで『BOZEBEATS』連載されていましたが、連載が決まった時はどういった気持ちでしたか?また、平野先生は安藤先生のところでアシスタントされていたとのことですが、報告したときのエピソードなどあれば教えてほしいです。」とのことです。まずは連載が決まった時って電話でした?

平野稜二:
そうですね、電話で受けました。この日に連載会議があるというのは事前に共有されていまして、その時は実家にいたのですが、東京に戻るときに担当編集から電話がかかってきて「はじまるね」と。ただ、その時は時間が早かったこともあって自分は連載会議が始まるという意味だと思っていたんですよ。なんでそんなことで電話かけるんだと思いながら「あぁそうですか、東京に戻りますね」とお伝えしました。ちょっと切れ気味でしたね(笑)で、ドキドキしながら編集部に行ったら担当編集から「おめでとう!」と言われて「えっ!?」と言っちゃいました。始まるってそういうことだったんだと。その後は純粋に無茶苦茶喜びましたね。焼肉も食べに行ったり。

安藤正基:
報告したときはどうだったっけ?確か、連載会議があるよというのは仲間内に言ってたけど、結構な回数連載会議に出して落ちちゃってたから、そろそろ通るといいよねとか話してたよね。

平野稜二:
アシスタント先の先生ということで感謝の気持ちを言わないとなとは思っていたのですが、有頂天になりすぎて連絡を忘れてましたね...(笑)引っ越しどうしようとか原稿どうしようとか色々考えていたら遅れちゃいましたすみません!いやぁでも本当楽しかったですね。




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■出演者


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MC漫画家:安藤正基
一迅社の月刊ComicREXにて「八十亀ちゃんかんさつにっき」(既刊10巻)という名古屋を舞台にした漫画を連載中。2019年~2021年にわたりTVアニメ3期放映。過去にはメーカー公認文房具コメディ漫画「ぶんぐりころころ」(全2巻)をマンガボックスにて連載。

八十亀ちゃんかんさつにっき 書影八十亀ちゃんかんさつにっき 書影ぶんぐりころころ 書影

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ゲスト漫画家:平野稜二
集英社 週刊少年ジャンプにて狼に育てられた記憶喪失の少年”環”がBOZE(ボウズ)と呼ばれる退魔部隊に入隊し、自分の記憶をめぐるバトル漫画「BOZEBEATS(ボウズビーツ)」(全2巻)を連載。その後は『鬼滅の刃 外伝』『きめつのあいま!』『帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline』を連載。

BOZEBEATS 鬼滅の刃 外伝 帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline