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ノウハウ
2022年4月25日

フランス人漫画家が日本で連載デビュー!漫画家になったキッカケやキャラデザについて語る

ボンジュール!フランスの漫画専門出版社Ki-oon(キューン)東京オフィス代表のキムです。

弊社は「虎鶫 – Tsugumi Project」のippatu先生や「Lost Children」の隅山巴文先生のように、日本人の漫画家・作家さんをフランスでデビューさせているだけではなく、フランス語圏の漫画家・作者とも漫画を制作しています。その中の一人、フランス人漫画家のShonen先生による作品「Outlaw Players」が今年の3月から講談社の月刊シリウスで連載が開始されました!タイトルは「超級装備(アウトロー・スキル)で無双して、異世界王に俺はなる! - Outlaw Players」です。

フランス人による漫画作品が日本の大手出版社の雑誌で連載されるのは初めてのことです。今回はこの漫画作品の誕生と制作の秘密をご紹介します!Shonen先生にいくつか質問をさせて頂きましたので、是非ご覧ください。


■「Outlaw Players」とは?
新世代のVRゲーム、テラの世界に不可能はない!そこでは、プレイヤーは好きなキャラに変身し、冒険を満喫する。 サクウは、友達に誘われて初めてテラをプレイするが、バグに邪魔され、ゲームの世界から抜け出せなくなってしまう!現実世界にいつに戻れるのかがわからない…ゲームの中で死んでしまったら、現実のサクウはどうなるのだろう!?怪物と敵に囲まれ、サクのサバイバルのための壮大な戦いが始まる!
テラから抜け出せなくなった他のプレイヤーとの出逢いによって、OUTLAW PLAYERSチームが誕生する!
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フランスでは2016年にスタートし、現在1巻〜11巻絶賛発売中の少年漫画です。アニメスタジオGONZOによるアニメPVもあります!



Shonen先生はベテラン作家で、日本の漫画を読んで育った彼は15年以上前からフランスで様々な漫画を発表してきましたが、「Outlaw Players」はその中で一番の名作です。欧州最大のマンガイベント「ジャパン・エキスポ」2016年度の最優秀国際マンガ賞を受賞し、イタリアやスペインでも刊行されています。


左:「Outlaw Players」のコスプレイヤー / 右:Shonen先生のサイン会の様子。

この人気作品はどう生まれ、どう制作されているのでしょうか?日本語版の連載開始を記念に、制作の裏側についてShonen先生にインタビューしてきました!


――『Outlaw Players』の原案は、どのように思いつかれましたか?

Shonen
2000年ごろ、友人と話しているときに最初のアイデアが浮かびました。その友人はRPGの世界に閉じ込められてしまった人の物語を作りたいと話していました。私はその時、そのコンセプトでさらに他のプレイヤーとの絡みを発展させ、オンラインゲームにしたいと話したものです。 この時のアイデアが2002年に『.hack//SIGN(ドットハック サイン)』のアニメを見たときにより深められ、まず一年間の間ライトなウェブコミックにしました。 その時にはあまり時間もなく、描くのをやめてしまったのですが、いつか本当の長編作品にしたいと、ストーリーを練り続けました。



――キャラクターデザインはどんな風に考えていますか?また、気をつけているところは何ですか?

Shonen
キャラクターデザインは特に『ファイナル・ファンタジー』などの自分で実際にプレイした日本のRPGゲームやファンタジー系のゲームに影響されています。 とはいえ、数年前からは数多くの西欧のRPGにも影響を受けるようになってきています。西欧のRPGから影響されるのはヨーロッパの中世のような雰囲気やよりリアルな点ですね。 描画スタイルの面では多くのマンガ家の先生に影響を受けました。Oh!Great (大暮 維人)先生には特に影響されました。そのほかに三浦建太郎先生、つくしあきひと先生、三輪士郎先生にもとても影響を受けています。 キャラクターデザインにはいつも苦労していますが、とにかく一人一人に特徴があり、すぐに誰か分かってもらえることが大切だと思います。 それから、そのキャラクターがあるグループの中でだんだんと立場を変えていくにつれて、性格も見た目も唯一無二の存在にしたいと考えています。 そのために服装や鎧は美しさも大事ですが、現実的で実際に身につけても動けそうな衣装にしています。 時にはかなり変わったビジュアルもありますが、異なるデザインも必要なので例外的にわざとそうしています。それ以外は各キャラクターのレベルに合わせた実用的なデザインになっています。 キャラクターデザインをするときは、まずキャラクターごとのコンセプトを考えるようにはしていますが、時間がない時は作画しながら考えることもあります。


企画の段階で用意されたキャラデザインと世界観の資料



――どのようにしてマンガ家になりましたか?どうやってマンガの描き方を学びましたか?

Shonen
22歳のときに独学で描画を学び始めました。最初はゲームの世界でコンセプトアーティストとして働きたいと思っていました。 2006年に、漫画サークルの一員としてパリのジャパン・エキスポ(*欧州最大の漫画イベント)の会場で絵の展示を行いました。そこである編集者が僕の絵を見たことからマンガを描くチャンスが巡ってきました。 その頃は鉛筆で描くことしか出来ず、ペン入れはしていませんでした。マンガを描いてみないかと誘われたので、自分の技術を向上させ、どこまで行けるのか挑戦するつもりで引き受けました。 マンガを描くようになり、15年以上になります。試行錯誤しながら実践する中で技術を学びました。マンガ家の仕事は大変ですが、この道を選んだことを後悔していません。



――どのように作画されていますか?

Shonen
フランスにはアシスタントという職がなく、アシスタント制度も整っていないので、一人で作画しています。作画ペースは毎月連載できるくらいの速さです。 一話が30ページくらいの長さで、それを1ヶ月の間にスケジュールを組んで描いています。 初めの週はアイデア出しとネーム作成、その後二週間でペン入れをし、最後の週でトーン貼り、セリフ入れ、細部の仕上げをします。 私の原稿はアナログで、つけペンよりもフェルトペンでペン入れしています。フェルトペンの方が使いやすいですから。ちなみに、多くの原稿作業は外でやっており、特にスターバックスが仕事場としてお気に入りです。


Shonen先生の似顔絵は有名なコーヒーチェーン店のロゴをもじっています。

独学で始めたので、簡単な道具で作画しています。紙はA4サイズのコピー用紙、ペンはピグマミクロンかデリーターのネオピコシリーズです。もっといい道具はあるかもしれませんが、今の道具を使い慣れています。ただ、興味本位でペン入れにほかの道具を試してみることもありますし、いつか最良の仕事道具を見つけたいとは思っています。 仕上げはワコムの液晶タブレットCintiq Pro 13とクリップスタジオでやります。カラーイラストにPhotoshopも使って描きます。


「Outlaw Players」のカラーイラストを使用した宣伝ビジュアル



――日本で自分の作品が出版されると知って、どう思いましたか?

Shonen
とても驚きました。自分がやりたかったことはただ自分の長編作品を出版することと、最後までその作品を描ききることでした。だから日本の出版社が自分の作品に興味を持ってくれるなんて想像もしていませんでしたが、ついにそのチャンスが現実にやってきました。自分のマンガに注目して頂いたことを光栄に思っています。



――日本の読者へメッセージをお願いします。

Shonen
僕の作品を読んで喜んでもらえたらいいなと思っています。僕自身はとても楽しく描いているから、みんなにもサクの冒険を楽しんでもらえると嬉しいです!




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メール:mochikomi@ki-oon.com
電話番号:03-4500-6668

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編集者キムのDAYS NEO プロフィール
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※本記事はKi-oon様より寄稿していただきました




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