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ノウハウ
2026年7月10日

鈴木マサカズ先生に「ノンフィクション漫画」の極意を聞いていみた!!【くらげバンチ】

昨年、新潮社WEB漫画サイト「くらげバンチ」で開催された『エッセイ・ノンフィクション漫画賞』が、多くの作家さんからの応募と受賞者の続々デビューで、好評を博し第2回目漫画賞を実施することとなりました。それを記念して、ノンフィクション作品を5本連載し、シリーズ累計350万部越えの鈴木マサカズ先生に、「ノンフィクション漫画」についてのお話を伺いました。

――まずは、鈴木先生がノンフィクション原作の漫画を執筆されたきっかけを教えてください。

元からドキュメンタリー番組を観るのは好きだったのですが、もう少しで自分の描きたいことがはっきりと見えそうという時期に、お話をいただいたのが新潮社の『「子供を殺してください」という親たち』の漫画化でした。瞬間的に「そうだ!自分の描きたいものはこういうものだ!」と思いました。

『「子供を殺してください」という親たち』(©️押川剛/鈴木マサカズ 新潮社)

――まさにタイミングが合ったんですね。実際に、『「子供を殺してください」という親たち』の連載を始めた時に、苦労したことはありましたか。

ノンフィクションが題材とはいえ、商業漫画ではありますから、そのバランスに苦労しました。担当さんや編集部からは過度なフィクションは求めてこられず、こちらの思うように描かせていただき、その点はとても感謝しています。

――その後、「ケーキの切れない非行少年たち」など、続々とノンフィクションの題材を漫画化されていますが、全作品に共通して大切にしていること・気を付けていることはありますか。また、作中の先生のこだわリポイントを教えてください。

無理に演出しすぎない。不自然にドラマチックにしすぎないということは常に意識しています。なるべく「普通」に。人物も背景も「普通」のなかにある細かいディティールにこだわっています。『「子供を殺してください」という親たち』からの一例ですが、連載初期に、原作者の押川さんから、入院患者さんのパーカーのひもをなくしてほしいというリクエストがありました。通常は自殺防止のためにそうするそうで、なるほどと思いましたし、書評家の方からその点をほめていただいたときは、大変嬉しく思いました。

『ケーキの切れない非行少年たち』(©️宮口幸治/鈴木マサカズ 新潮社)

――ノンフィクションならではのディティールですね。鈴木先生が描かれて、印象深いシーンやエピソードベスト3はずばりどこでしょうか。

やはり各作品の1話目、とくにタイトルが入るまでの冒頭数ページには強い思い入れがあります。

――どのシーンも、初めて見た時インパクトが強く印象にとても残っています。「ノンフィクション漫画」に挑戦してみたいという漫画家さんが近年増えていますが、一方で難しそうという声もあります。その分野に元々詳しくなくても、描けるものでしょうか?

詳しくなくても、興味があるのなら描けるかもしれません。何事も好奇心が大切だと思います。それがないと、鍵がかかった門のようなものですから、厳しいと思います。

――取材が必要な場面も出てくると思いますが、コミュニケーションが苦手でも取材はできますか?

こちらも結局のところ好奇心の問題で、他人に興味があるのか。あるのなら、少しずつでも慣れていけばいいのではないかと思います。自分もコミュニケーションが得意とは思っておらず、常に自分に言い聞かせて気をつけているつもりです。日々反省です……。

――作品作りでは、原作者(作画者)、編集者など、関わる人が複数人いますが、コミュニケーションなどはどうされていますか?チームを円滑にする秘訣などありましたら教えてください。

キャリアを重ね、リモート中心になったこともある中で、ようやく行き着いた考え方ですが、チームを円滑にする秘訣は「他人に期待をし過ぎない、何をあきらめるか」です。後ろ向きな意味ではなく、前向きに。あきらめることによって「次」が見えてくると思います。

――鈴木先生は「ノンフィクション漫画」はどういう人が向いていると思いますか?

ノンフィクション漫画に限らずかもしれませんが、日常のなか、大勢の人が何も思わないところで、一人立ち止まって「ん?何これ?」と思える人。独自のこだわりをもった「うるさがた」の人かと思います。

――良くも悪くも「好奇心」を持つことが大事ですね。最後に日常生活の中で、漫画のためにやっておいたほうがよいことはありますか?

漫画や映画や本を摂取しまくるのは当然として、それ以外の経験。例えば、プロレスにまったく興味がなくても、知り合いから「チケットあげるからいっしょに行こうよ」と言われたときは、行ってみたほうがいいと思います。ほとんどは「やっぱりおもしろくなかった」と後悔するかもしれませんが、それも大切な経験の1つかと思います。

【鈴木マサカズ】
愛知県出身。京都精華大学芸術学部卒。スピリッツ増刊21(小学館)にてデビュー。
著書に『無頼侍』(エンターブレイン)、『ダンダリン一◯一』(原作:田島隆/講談社)、など。現在、『「子供を殺してください」という親たち』(原作:押川剛)、『ケーキの切れない非行少年たち』(原作:宮口幸治)、『それでも、親を愛する子供たち』(原作:押川剛 作画:うえのともや)、『教育虐待 ー子供を壊す「教育熱心」な親たち』(原作:石井光太 作画:ワダユウキ)、『介護とハイエナ』(原作:甚野博則 作画:石津のぞみ)を連載中。2026年5月『マトリズム 完全版』を配信。
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■エッセイ・ノンフィクション漫画賞


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1.テキスト部門
フォーマット自由!漫画を描く必要なし!あなたが漫画にしたら面白いと思う経験を文章(箇条書きでもOK!)にして応募してください。
2.ネーム部門
あなたの経験を漫画ネームにして応募してください!過去に書いた作品・同人誌での応募も可能!
※エッセイ形式であれば、フィクションでもOK
※商業誌で公開されている作品は除く
3.作画部門
『それでも、親を愛する子供たち』のネーム(数ページ分)をダウンロードし、それを元に作画してください。キャラ・コマ割り・構図など、自由にアレンジしてください。

詳細は下記をご覧ください
https://kuragebunch.com/info/entry/nonfictionvol2

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