【後編】月刊少年マガジン 編集者による持ち込み・マンガ制作などに関するQ&A
発行部数No.1月刊少年誌『月刊少年マガジン』が主催するマンガ賞『月刊少年マガジン コミック大賞デビュー!』に応募したい!ちょっと興味はある!という方々に向けて、匿名メッセージサービス『マシュマロ』で寄せられた質問の中から月刊少年マガジン編集者が答えられた過去の回答を整理させていただきました。実は貴方が知りたかった内容があるかも!?
前編の新人賞に関するQ&A記事は公開済みです。詳しくはこちら!!
●月刊少年マガジンに関するQ&A
●持ち込みに関するQ&A
●担当編集とのやりとりに関するQ&A
●マンガ制作に関するQ&A
●デビューに関するQ&A
●その他に関するQ&A
※選択後、該当箇所まで遷移します。
敢えて言語化すると、「誰にとっても読みやすく、血の温度が上がる深い読み応えを持った少年漫画」がテーマですね!アツくて面白い作品であれば、ジャンルの制限は特にありません!!読者層ですが、10代20代の若い読者をはじめ、長年月マガを読んでいる方まで幅広いですね(中には父子2代で読んでいるなんていう方も!)。「少年」マガジンですので、少年の心を持ったすべての読者がターゲットです。ただ、ご自身で作品を投稿される場合は、もう少し具体的に読者を絞ったほうが作品の内容はクリアになるとは思います。「自分の身近なアイツを笑わせてやる」とか、「15歳のときの自分に読ませたい」とか…。ご参考まで!
①月刊少年誌№1発行部数&40年を超える歴史がある ②少年から大人まで、雑誌ごとマンガを愛してくれている熱心な読者が多い ので、掲載されればより多くの上質な読者に作品を届けられることをお約束します。
女性読者の方々にも読んでいただいております! 『ノラガミ』や『ましろのおと』などなど、男性ファンに限らず女性ファンからも応援の声をいただく連載作品も沢山ございます!
月刊少年マガジンでは、女性の作家さんも多くいらっしゃいます。最近特に増えてきた印象ですね。アシスタントの方も、仕事場に依るとは思いますが、女性の方が多いところもございます!
月刊少年マガジン編集部は、編集長含めると16人の編集部員が在籍しています!
こんばんは。月マガ編集部は男女比率 9:1といったところです。男性編集者の方が多いです!
毎月の中旬が繁忙期ではございますが、空き時間での対応も可能です。打ち合わせ・持ち込みの候補日時をご提示いただければ、その中から対応可能な日を検討いたしますので、遠慮なくご連絡ください!
月マガをご希望くださりありがとうございます!! ストーリー物ですと大体30~60ページで持ち込まれる方が多いですが、基本的にページ数に指定はございません。ですが、理想を言わせていただきますと「作品内容に合ったページ数である」ことがベストです。現在お描きの作品内容にちょうどいい分量は30ページか、それとも50ページなのか…。そのように意識して描いてみてくださればと!
対面できなくても、電話かメールさえできれば打ち合わせは可能です。地方在住の投稿者さんもたくさんいらっしゃいますよ!まずは担当がつくまで頑張って描いてくださいね!!投稿お待ちしておりますm(__)m
ー持ち込み 大歓迎!!ー
初めて持ち込みに来ていただいた方には豪華特典もあり!!
連載作品の複製原画5枚セット&QUOカード500円分をプレゼント!
予約ダイヤル:03-5395-3458
受付時間:月~金曜日 12:00~22:00
※必ず事前にご予約下さい。持ち込みの対象は完成原稿のみとさせていただきます。
Webでの申し込みもできます!
CLICK!
●アクセス
地下鉄 有楽町線護国寺駅下車。6番出口から約1分
都営バス 上58(上野松坂屋⇔早稲田)。音羽2丁目から約1分
●所在地
〒112-8001 東京都文京区音羽 2-12-21
(Google Mapはこちら)
すでに担当編集がいてやり取りされているということでしたら、気兼ねなく送って頂いて構いません! むしろデビュー前だからこそ、ネームの作り方(コマ割りや視線の流れ等々)から相談させてもらうこともあります!
送る分には大丈夫です。ただよほどの緊急でない限り即日は読めないとお考えください。一応、休日ですからね…。その土日を使って一度見直してみるのもありかもしれないですよ!
やりとりの手段が問題なのではなく、やりとりの内容が大切なのではないかと思います。どの方法が多いのかは、もちろん担当者にもよりますし、そのネームの進捗度や完成度によるのではないでしょうか。また、人によって、対面での打ち合わせを好む人もいれば、メールでのやり取りのほうが後で読み返せるから好きという方もいます。一方、微妙なニュアンスを文章で伝えづらいときは電話してしまったりもしますし、そのあたりは作家さんの要望に応じてオーダーメイドな打ち合わせを心がけております。プロになったらスピードが命ですから、①②③使い分けながらやり取りをする、というのが実情ではないでしょうか。ご参考まで!
ネーム自体の返却ではなく、意見・感想の返事までの期間でよろしいでしょうか? ネームをいただいてから1~2週間以内にお返事することが多いです。ただ繁忙期など時期によって連絡が多少遅れる場合もあります。「新人への期待度によって返事の速度が変わるかどうか」について。結論から言えば、こちらの期待値が高い=早くデビュー・連載してもらいたい方には返事が早くなることはあります。
それが理由で一方的に担当を辞めることはありません。「少年マンガ以外の作品を描きたい」、「掛け持ちで可能性を増やしたい」など事情があるでしょうから、担当作家さんの意思を尊重しつつ今後について相談します。
自己の好き嫌い”だけ”で意見する編集はいないと思いますが…その場合は話半分に聞いててもOKです笑。でも大体の意見には根拠があります。その根拠がなんなのか訊いてみると良いでしょう。もしかしたら経験則や技術論・数字などの客観的な理由があってのアドバイスなのかもしれません。それでも納得できないようでしたら、ご自身の考えを遠慮なくぶつけてみましょう!
話題の質問…!! 担当さんとの関係性がわからないのですが、お互いにとってこれ以上やり取りをすることが有益でないと思ったら、その旨はちゃんと伝えるのが誠実な対応ですし、月マガでもそれを心がけています。 「○日に一回ネームを送ってくるから担当していたい」というより、設定した〆切を守ってくれたり(〆切過ぎるときも連絡くれたり)、こちらのアドバイスや提案を自分なりに活かしてくれたり、何より原稿を定期的にちゃんと描き上げる努力をする人には、こちらも誠意と熱意をもって接したいです!
マシュマロの文字制限100字で答えられる気がしませんので(笑)、別途ツリーにして回答させてもらいますね。また、我々は漫画家さんではないので「編集者がネームを読むときにどこを見ているか」をお答えします!
どのシーンが一番面白いのか、どのセリフを一番伝えたいのか。原稿の前に、皆さんがそれを見失わないように作っていくことが大切です。そして、それは編集者にネームを見せる時にも同様。他人に「自分の作品の面白い部分」を伝えるということを意識してネームを描いてみてください!
(編集K)
・読み取りやすいよう、濃い文字でハッキリと書く(まれに読み辛い作品があるので…)
・表情を伝わりやすく描こう!
・キャラクターがどこで何をしているのかが伝わるように(5W1Hは常に意識!)
(編集O)
誰の、なんの(どんな)話なのかがわかること/セールスポイント(見せ場)を作ること が大前提かなと思います。そのうえで、
・主人公の感情に説得力があるか
・対象読者が見えているか
・ネームのテンポは良いか
・自分にしか描けないセリフやテーマがあるかなどを意識できると良いのでは!
(編集S)
※こちらで『虚構推理』などマガジンR創刊当時の第1話のネームを特別に公開しています。
素晴らしい心がけだと思います!ただ、漫然とやっても意味が無いのでテーマを決めると良いのでは? 模写も「ものをよく見て描く」という訓練になるのでおすすめです。プロの作家がどれだけすごいかわかりますよ!
高ければ高いに越したことはありません…!画力はたくさん描けば誰でも向上すると思います。それよりは「描きたい画が頭の中にちゃんとあって、それを原稿にどれだけ落とし込めているか」を見ています。
トライ・アンド・エラーを重ねるのがスキルアップの条件の1つだと考えております。1本の作品に膨大な時間をかけるよりは、締め切りを設定して、様々なジャンルの作品に挑戦してみてはいかがでしょうか?また、賞で落選してしまう要因は様々です。逆に絵が拙くても内容が面白ければ受賞する場合もあります。自分の作品を客観的に読んでみて、今の自分にどんな課題があるのかを洗い出し、クリアしていきましょう。編集部に持ち込んだり、友達に漫画を読んでもらって、忌憚ない意見をもらうのも良いかと!
”一言で説明してその話が面白そうか” が、企画性が高いということになるのでは。まずは、ご自身が描こうとしている漫画が「誰の、どんな話」で、「それの何が(どこが)面白いか」を整理することをお勧めします。直近の新連載で言えば「死を乗り越えた少年がやりたいことを叶えるためユーチューバーを目指す話」(キミオアライブ)「戦隊ヒーローのレッドと悪の組織の女子幹部がみんなに内緒で付き合ってる話」(恋は世界征服のあとで)などと聞いたら、ちょっと読んでみたくなりませんか…?“テーマ”が作家の伝えたいメッセージ、つまり「何について描くか」なんだとしたら、“企画”というのはその切り口で「どう描くか」になるかもしれませんね。さらに「どんな読者に何を楽しんでもらいたいか」まで考えられれば理想だと思います。参考になりましたかね…?
担当編集が「実力十分だから早く連載させたい!」と思っていれば連載ネームを作ることを勧めてくるはずです。今後どうしたいかご自身の希望を担当に伝えつつ、密に相談した上で方針を決めることをオススメします!
担当者と作ってもらった連載ネームを、編集長とチーフレベルの副編数人で回覧し、ジャッジをします。他にも編集部員全員が読むネームコンペも開催しており、どちらを選ぶかは担当と相談の上決めてもらっています。提出段階で誰かと競い合ったりすることはありません(強いて言えばすでに連載されている全作家がライバル!)。また、本誌かRかと言った掲載媒体についても、ネームの内容や対象読者を鑑みて決定することが多いですね。ご参考まで…。
ケースバイケースですね。奨励賞から佳作、準入選とランクアップしてから連載デビュー向けのネームを作る方もいれば、一度の受賞でその後すぐに連載デビューが決定した受賞者もいます。新人賞という場を何度か利用し着実にスキルアップして手ごたえをつかんでから臨むもよし、勝算があるなら少ない受賞回数でデビューを目指してもよし、です。どのケースにおいても連載となる水準は変わりませんので、しっかり時期的な目標を立てて、担当と一緒に連載デビューが狙える作品を戦略的に作っていってください!もちろん我々編集者も全力でそのサポートはさせていただきますので。
失礼にあたることはありません! 色んな角度からの意見を聞くことも、スキルアップには必要です。ただ、「なぜボツをくらってしまったのか」の原因をしっかり把握しておいた方が良いと思いますよ。好みや相性以外の原因で企画にボツが出されていた場合、違う担当に提出しても同じ轍を踏む可能性がありますので。そのまま出すよりも、自分なりにブラッシュアップしてから提出していただくことをオススメします!
編集が全ボツを出す場合、企画そのものに問題がある事が多いです。「テーマ・売りどころは明確か」「キャラクターに魅力があるか」などの根本的な部分を、ネームに進む前に詰めておくことを推奨します!
諦めない気持ちも大切です!! …が、質問者さんの漫画家としての人生も同じくらい大事ですよね。幸い、担当さんは理解がある人だと感じるので、ここは正直に相談をしてみてはいかがでしょうか?そのうえで例えば、「あと〇年はあきらめずに頑張る」とか「あと×回はコンペに出す」など、ご自身なりにタイムリミットを設けてみるのも良いかもしれません。仮に他誌や他メディアに行かれたとして、そこで幸いに結果が出て、実力とキャリアを積んだ後、恩を返すために今の担当さんともう一度お仕事をしてみる――なんていうビジョンもあるかもしれません。そうやって将来戻ってきてくれたら、僕(誰だよ)だったら泣いちゃいます!!
確かに難しい質問ですが、個人的には大学への進学をおすすめします。バイトを複数かけもちながらの生活を強いられそうだったり、課題の多い学部でない限り、大学に通いながらでも漫画は描けます。漫画を描くというのは、技術だけでなく人生経験や豊かな発想力も必要になってきます。高校生活や進学先で沢山の経験を得て、自分の中の引き出しを増やしていくのも大事かと思いますよ。(もし、現在でも十分な実力をお持ちで、連載も早いうちに始められそうであれば話は変わってきますが…!)…とはいえ、おっしゃるとおり漫画家になる道に正解はありません。まだまだ時間はありますから、じっくり考えてみてください! 長々とすみませんでしたっ!
いかがでしたでしょうか。今回の記事でちょっと引っかかっていた疑問が解消されれば幸いです。素晴らしい成績を残され、マンガ家としてデビュー、再チャレンジできることを祈っています!!
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