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コラム
2021年3月24日

週刊少年マガジン編集者が語る!担当編集は作家と打ち合わせで何を話すのか




週刊少年マガジン編集部 高長佑典 様
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●プロフィール
ビッグコミックスピリッツ(小学館)、ゲッサン(小学館)にて漫画編集を経験後、2018年に講談社へ転職。
現在、週刊少年マガジン編集部に勤務。
●担当作品(執筆時点)
『それでも歩は寄せてくる』『チャンドラハース』『ダイヤのA actⅡ』『恋と嘘』『フェチップル』『29歳独身中堅冒険者の日常』『UQホルダー』

  


※本記事は高長様より許諾をいただき、高長様個人のnoteから転載および再構成しております。



はじめまして、高長と申します。今回の記事では担当編集は作家と打ち合わせで何を話すのかについて実体験を交えながら語っていきます。

執筆時ちょうど、担当の新人作家さんと初めて直接お会いしてきましたのでそれをベースにお話ししましょう。その方とはネームのやりとりは何度かしていたのですがやはり初めて会う時はお互い緊張してしまいます。その分、収穫は大きかったです!軽くご飯を食べながら、2時間半ほどじっくりたっぷりお話ししてきました。一緒にご飯を食べると打ち解けられるので僕は好きです。

どんなお話しをしたかというと…趣味や好きなマンガから始まり家族関係や学生時代の思い出、部活や恋愛などとにかく気になるポイントをがんがんぶつけていきます。連載企画を立ち上げることも、ネームを読むことも楽しいですが僕はこの、相手がどんな人なのかを取材するというか個人的に納得するまでお話しを聞くのが一番好きですね。

さて、収穫の話です。その方はバトルマンガを描きたいと言っていて、実際に僕はその作品を読んで興味を持って担当希望したのですが、実際にお会いしてみると纏っている雰囲気が穏やかというか朗らかな方でした。やはり少年マンガでバトルは花形ですし僕も大好きです。誤解ないよう言っておきたいのは、穏やかな性格だとバトルを描いてはいけないわけでは決してありません。ただ作品には作者の想いや個性がしっかり出ます。なぜバトルを描きたいのか、戦いに憧れる理由はなんなのか。他に似た感情や楽しみの形はないのか…?色々と聞き込みを続ける中で出ました、「僕なんて趣味と呼べるものが全然なくて、強いて言えば〇〇くらいで…」…あるやん!それよ!!即答しました。ちなみに特別変わった趣味ではありません。誰もが一度はやったことあるんじゃないかな。そのままマンガの題材に向いているわけでもない。ただやっぱり、本人が好きなもの、理由なく楽しめることは本当に面白いんです。そのもの自体が題材にならなくてもハマっている自分には必ず他人にはわからないポイントがあります。きっかけとか、マイルールとかこだわりとか。それこそが「おもしろの種」です!

その話題がきっかけで、どんどん話は弾んでいきました。まあまあ面白いけどどう直そうかなーというネームより、はるかに面白くなりそう、個性や持ち味が発揮できそうなお題が見つかりそちらで考えてもらうよう依頼しました。ネーム楽しみ!!

毎度毎度長くなりましてすみません、本日の打ち合わせの風景でした。 編集によってやり方は全然違うようなのですが、僕は概ねこうやって打ち合わせをしています。

さて、先のような打ち合わせで担当編集は何を見ているのでしょうか。

簡単に言うと、「どんな連載作家になるのかな?」という部分です。前にお話ししたように、どういう人柄や経験をしているのかを聞きながらどんな題材が合いそうか、どんな個性やこだわり、持ち味を持っているかを確認します。作品からはテクニックを、打ち合わせからはアイデアを見せてもらっている感覚ですね。ここでいう「アイデア」と「テクニック」という用語を自分の中では10年近く使ってきました。わかりづらいかもしれませんが、アイデアは考えやネタなどももちろんですが、題材、個性、作風など作品を作る上での広い意味を含んでいます。

アイデア:面白さの核となる部分、作家さんが本来持っているもの
テクニック:アイデアを伝えるための技術

と言い換えてもいいかもしれません。 上の2つを磨きながら、連載デビューを一緒に目指すのが担当編集の役割であり、打ち合わせの目的です。編集者にも様々なタイプとやり方があり、作家さんのタイプによって使い分けてもいるのですが、僕はこのアイデア(=作家さんが本来持っている作風や資質、個性)を見せてもらうこと、共有することを一番大事にしていて、初めての打ち合わせから連載デビューした後も、折に触れずーっとここの部分を考えています。もちろんネームや作品の中身も読んで考えてはいるのですが、絶対に作者より考えること、良くすることはできない。その考える作者を、外側から見ているイメージですね。

次の記事では新人賞や持ち込みで見るポイントについて語っていきます。
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転載元:高長佑典様note


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