デジタルネイティブ世代に最も届くマンガアプリcomicoで、漫画家が得られるものとは。(後編)【PR】
世界累計2000万ダウンロードを超えた、comicoは、この秋開始から3年を迎えます。国内では前編で紹介されたような大人向けのラインナップ「comico PLUS」もスタートし、アジアを中心に5カ国でも展開を続けています。スマホやPCでの閲覧に最適化された縦スクロールカラーマンガで読者の支持を集めるcomicoが、漫画家にとってどんな場になっているか、comico事業本部プロデューサー、大藤充彦さんにうかがいます。
【話者プロフィール】
大藤 充彦(おおとう みつひこ)
NHN comico株式会社 comico事業本部プロデューサー。
ゲーム開発にてデザインディレクター職を経たのち、ゲーム開発プロジェクトのマネジメント改善業務に従事。その後現職にて新規事業企画や外部アライアンス等を担当。
comico PLUSで拡がる創作の形。
-昨年12月、comico PLUSという新しいサービスが始まりました。これは今までのcomicoとは何が違いますか?
一言で言えば、アプリのレーティング(対象年齢)が違います。全年齢向けのcomico、と大人向けの『comico PLUS』といった位置づけになっています。『comico PLUS』に関しては、アプリの他にウェブ版もあり、更に大人向けとして、表現の幅が拡がっています。
comico PLUSトップ画像 (左)アプリ版・(右)web版
-掲載作品の傾向としては、少年誌・少女誌の位置づけであったcomicoに対して、PLUSは青年誌・女性誌といった印象を受けます。
そうですね。例えれば、ジャンプがあってヤングジャンプがある――みたいなイメージでしょうか。恐らく、ヤングジャンプが創刊された頃は、ジャンプからそちらに移った人も多かったと思います。comico PLUSも同様で、comicoから移る読者も多いため、大人向けという位置づけではありますが、comicoの影響も強く受けていると思います。とはいえ、若い女性ユーザーの多いcomicoに対して、PLUSは年齢の高い男性ユーザーも多い傾向にあります。
-なるほど。くわえて興味深いのは、comicoPLUSには、DeNA/エブリスタ発の『王様ゲーム』や、コミックゼノンの『ワカコ酒』などの外部作品が入っていますね。
例えば、『王様ゲーム』はもともと見開きスタイルの作品を、縦スクロールに再編集して掲載しているのですが、comico PLUSでも人気作となりました。縦スクロールになって新たな人気を得られたのではないかと思います。ストーリーが複雑で、深みのあるマンガだと思うのですが、comicoの他のマンガを読む様な感覚で内容が頭にスッと入ってくる様な仕上がりになっています。
comicoスタイルと呼んでいるのですが、縦スクロールの形式に直す事で、新たな息吹を吹き込みます。スマートフォン最適化されたコンテンツとして新しい読者の目に触れていただく事で、元の作品の価値を高めつつ、弊社としても収益化につなげるチャレンジをしているという位置づけです。
-comicoでは、作家がまず無料で作品を掲載する「チャレンジ作品」から、人気が出ると原稿料が支払われる「公式作家」になっていきますが、PLUSではこの仕組みに違いはあるのでしょうか?
いまご紹介したような他社さんの作品をのぞけば、大きくは変わりません。PLUS創刊にあたり、作家さんをスカウトしたりもしましたが、原則、comicoと同様に一度チャレンジ作品に描いてもらって、そこからスタートして頂く方が多いです。
とはいえ、例えば、少女誌などで商業誌経験のある方チャレンジ連載を御願いしたりした場合、チャレンジであっても人気がすぐ出てしまった例なども有りました。その方は、投稿後にわずか3ヶ月程度で公式連載が始まるといった事例となりました。
(筆者注:comicoのシステムについては、こちら。)
-3、4ヶ月というのは、一般的な漫画雑誌に掲載する場合に比べかなり短いですね。ほかに何かcomicoやPLUSならではの特徴はありますか?
コツさえ掴んでいただければという前提ですが、他媒体との兼業をされている方も多いのも特徴です。商業誌を経験されているプロの方の場合、元々のスキルがあるので、必ずしもcomico専業ではないスタートというのも選択肢として成立しやすいのでは無いかと思います。
comico PLUS共に、例えば、専門学校でマンガを教えている先生が講師業の傍らcomicoに連載していたり、他にもアニメーター、イラストレーターなどの普段から絵を描く仕事をされている方や、OLさんのような方まで、様々な兼業作家さんがいらっしゃいます。
デジタルネイティブへの作品作りの経験を積むなら、comicoがベスト。
-comicoは無料で読める媒体のため、そこで作品を発表することにどんなメリットがあるのか?不安を覚える漫画家もいると聞きます。ずばりそのメリットはどこにあるのでしょうか?
作品の内容、ヒットの仕方によっては海外展開、世界(現時点では日本を含むアジア五カ 国)デビューの可能性もあります。現地法人(2016年10月時点で台湾・韓国・中国・タイの4カ国)から、海外提供のオファーがあった場合、私たちが翻訳をし、作品が海外でも読んで頂ける等になります。サービスが、アプリやウェブで展開されていますので、世界に展開されてゆくスピードは非常に速いと思います。
ReLife タイ語翻訳版
-他に押さえておくべきcomicoならではの特徴を教えてください。
comicoはユーザー層が他のアプリに比べても若いという調査報告結果もあります。
現在の15歳以下の世代は、マンガやコンテンツを最初からスマホやパソコンなどのデジタルメディアで楽しむ「デジタルネイティブ世代」です。今後この世代を相手に作品を作り続けたい漫画家にとって、comicoという場は、そのフィードバックを受けるには最適な場なのではないかと考えています。新人はもちろん、商業誌経験のあるプロ漫画家にとっても、comicoで彼らデジタルネイティブ世代に向けて作品を作ることは、早いうちから経験しておいたほうが良いことだと思います。3年後には18歳以下、10年後には25歳以下の世代がデジタルネイティブとなります。市場としても大きいことはもちろん、そこに対応できないと食べることに困ることにもなりかねないからです。
-なるほど。デジタルネイティブ世代がどんな作品やキャラクター、展開などを好むか、コメントやデータから、いち早く知ることができるのがcomicoの特徴なのですね。お金だけではなくて、経験も得られるという。
はい。先ほど申し上げたとおり、本業で一般の媒体に連載しながら、comicoには兼業でデジタルネイティブの若い世代に作品を提供して、将来の方向性を探るという選択肢もとれますし、その様な形も含め、まずはチャレンジをしていただく事で、様々な作家さんにとって価値を高める事につなげてゆけるのではないかと考えています。
主人公が20歳以上という縛りを設けた「comico PLUS CUP」を開催しました。
-comicoでは新人賞のような取組みもあるのでしょうか?
通年で、いくつかの新人賞を開催しています。
直近のトピックとしては、本年度開催分を8/31に締め切った、毎年夏に学生向けの「comicoマンガ全国学生選手権」というものを開催しました。今年は508作品の応募を頂きました。
http://www.comico.jp/notice/detail.nhn?no=1531
-学生向け以外にも何か取組はありますか?
今年は、第3回目となる「comico PLUS CUP」を開催いたしました。
今回はアプリ版とWEB版の2部門を設け、共通の募集条件として【主人公が20歳以上】の【読み切り作品】という制約を設けてみました。
このような条件を設定した理由ですが、1点目は主人公を成人とすることでオトナ読者が楽しめるようなリアルな表現を期待したためです。 2点目の読み切りについては、結末をどのように見せるのかを重要視しました。
結果発表など詳細は、以下のcomico PLUS CUPお知らせページに記載しています。
http://www.comico.jp/notice/detail.nhn?no=1683
これからもcomicoでは様々なコンテストを定期的に開催していく予定です。
チャレンジに投稿された作品から、多くの方が公式作家デビューできるように応援していきます。
-ありがとうござました!
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※ 出稿元 NHN comico株式会社 文:マンナビ 菊池健
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