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ノウハウ
2020年2月27日

【MANZEMI 出張掲載No.5】ペンネーム、どうつける?~つけ方のパターンとは~

4回にわたりネーム作成にまつわるノウハウについて紹介してきましたが、今回のテーマはズバリ、「ペンネーム」。 投稿者やデビューを決めた人の「ペンネームは付けるべきか否か?」というお悩みについて、漫画家を数多く輩出している“MANZEMI”で講師を務める喜多野 土竜(きたの もぐら)先生に、ペンネームのつけ方について説明してもらいます。 これからペンネームを考えるという方、必見です。

 

 ■本名か、ペンネームか■ 

 

なんといっても、本名がペンネームのメリットは、昔の友人知人にすぐ解ってもらえる点でしょう。鹿児島県は税所(さいしょ)や綾織(あやおり)や元(はじめ)など、珍しい名字が多いですから、地元の人間にはすぐわかります。やはり、生まれてからずっと使ってきた本名には愛着もあります。

では、本名のデメリットは何でしょうか?やはり個人情報が特定されやすいという事でしょう。わずかな情報……例えばSNSにあげた写真や最寄り駅の名前などを手掛かりに、ファンに自宅を探し当てられてしまったり。原稿が入った宅配便がファンによって抜き取られてしまったなんてこともあったと聞きます。そういえば、病院の待合でペンネームと同じ本名を呼ばれて、恥ずかしい思いをするなんてことも。一方でペンネームには、意識的に公私を分けられるという効果があります。この作品を書いているのは、本名の●●とは別の人格のペンネーム○○だ……と思い込むことで、舞台の上の役者のように、別の人間を演じられるようになるのです。

 

 ■ペンネームのつけ方■ 

 

基本的にペンネームは好きにつけてよいですし、嫌になったら改名すればよいのです。しかしながら、つけ方にはいくつかパターンがありますのでご紹介します。

・本名をもじる
本名そのものではなく、本名を元にもじったものや、本名の文字を一部変えるのもよくある手法です。本名の語感を活かしつつ、オリジナリティも生み出せますね。
例えば、手塚治虫先生は昆虫が好きだったので本名の治に虫の字を加えて「おさむし」と当初は読ませていました。後に、治虫で「おさむ」と読ませるように変化していますが、平凡な名前のアクセントになっています。また、藤子不二雄先生のように、共同ペンネームで本名の藤本と安孫子を合成した例もありますし、みなもと太郎先生は源太郎という名前の読みを変えて、名字と名前にした例。石田衣良先生は、本名の名字の石平をもじった例となっています。

・読みやすさへの配慮
読みやすさを考慮して、字画を減らすという場合も。斉藤むねお先生は、本来は字画の多い「齋」の字ですが、あえて字画が少ない「斉」にしています。また、単行本になった時の背表紙の名前の大きさやバランスを想定して、4-6文字程度に収める人もいます。

・他のモノにあやかる
自分が尊敬する人や、歴史上の出来事などにあやかる例も多いです。喜多野土竜も、石川サブロウ先生の傑作『北の土龍』から。原作者はあやかりペンネームがやや多いですね。梶原一騎先生は、鎌倉時代の武将の梶原景時が、単騎で敵陣に攻め込んだ故事から、このペンネームを付けています。

・ペンネーム自体が洒落
ペンネーム自体が、アナグラム(言葉の綴りを変えて他の意味にすること)になっていたり、ジョークや洒落になっていたりする例も多いですね。 主な例としては、二葉亭四迷/なだいなだ/乙一/ジェームズ三木(税務署行きの洒落)/西尾維新/ことぶきつかさ/うましか、などがありますね。乙一先生は、字画ができるだけ少ない漢字で付けたもの。西尾維新先生は、NISIOISINで、実は回文(上から読んでも下から読んでも同じになる)になっていて、なかなか凝っています。 ことぶきつかさ先生は、寿司の音読み。うましか先生は……言わずもがなです。漢字の読みを変えて別の意味にする例は多いですね。

また、なだいなだ先生は回文であり、同時にスペイン語のnada y nadaが「何もなくて、何もない」の意味だそうです。このように、あやかりや洒落が複合する作家も多いのです。ちなみに喜多野土竜も、前述の他にビートたけしさんの本名北野武と、読みが重なるので選んだ部分もあります。縁起をかついで「喜びが多い」の喜多にして、永久保貴一先生や斉藤むねお先生と字数を合わせて5文字に。ついでに『東海道中膝栗毛』の弥次喜多も掛けてあります。
このように、ペンネームのつけ方にはいろんな複合パターンもありますので、色々と考えてみるのもいいかもしれません。

さて、ここまでは、名づけパターンについて紹介してきました。全くのオリジナルペンネームを考える方法については改めて次回お伝えします。

素敵なペンネームも考えつつ、素敵なマンガをたくさん描いていただくことをMANZEMIでは応援しています。
根本的な創作の方法論を学び、添削指導も受けることができますので、興味があればまずは説明会へご参加ください。毎月新しい講座をご用意してお待ちしております!

 

執筆:NEWVERY

 

■マンガ家むけ教育講座 MANZEMI(マンゼミ)とは?

MANZEMI(マンゼミ)とは、プロを目指すマンガ家・クリエイターを育てるスクールです。雑誌・単行本デビューを100名以上輩出したトキワ荘プロジェクトが、企画・運営しています。漫画の描き方が分からない初心者であっても、理論と実践をサイクルで回し、一気に上達することが可能です。

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