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編集長の部屋 2017年7月5日

LINEマンガ中野崇編集長①「LINEマンガが、紙・デジタル問わず漫画を売るためのエコシステムの中心に」

「編集長の部屋」の第12回目は、LINEマンガの中野編集長と、村田マネージャーのお二人にインタビュー!中野編集長には、京都国際漫画賞の審査員を務めていただくのですが、今後LINEマンガオリジナルを強化されていくということで、その詳細を伺ってきました。中野編集長はLINEマンガに移られて間もないということで、LINEマンガのこれまでの取り組みは編集チームマネージャーの村田さんから、オリジナルの作品作りや新人獲得については中野編集長からお話しを伺いました。

LINEマンガ編集部(編集チーム) 編集長 中野崇

株式会社スクウェア・エニックス在職時に青年漫画誌「ヤングガンガン」「ビッグガンガン」の創刊編集長を歴任。2017年1月、LINE株式会社に入社し、LINEマンガ編集部の編集長としてオリジナル作品のプロデュースに従事。

LINEマンガ編集部(編集チーム) マネージャー 村田朋良

雑誌、書籍、マンガ、ウェブ等の編集者を経て、2013年2月、LINE株式会社に入社。LINEマンガの立ち上げ時からサービスに従事。

 

LINEマンガが、紙・デジタル問わず漫画を売るためのエコシステムの中心に

-まず、LINEマンガとはどんな媒体なのか、教えていただけますか?

村田:LINEマンガは、LINEアカウントと連携した電子書籍ストアとして、2013年の4月にサービスを開始しました。アニメイトで漫画を買うとアニメイト限定の特典がもらえる、というのと同じように、LINEマンガで電子書籍を買ったらその作品スタンプがもらえる、というのが一つの魅力として広がっていきました。その後、出版社横断の無料連載を2014年8月にスタートさせ、翌年には編集部を立ち上げ、LINEマンガでしか読めないオリジナル漫画が2015年7月に本格的に始まりました。現在、アプリのダウンロード数は1千6百万を超え、月間利用者数(MAU)もマンガアプリの中で最も多いという調査結果が出ています。

-すごい規模ですね!

村田:LINEマンガは、漫画を買うための電子書籍ストアの一つということだけではなく、たくさんの人が漫画を読みにくるプラットフォームに成長した、ということに大きな意義があると思っています。最近はトーハン(※)さんの協力のもと、LINEマンガと連携した試し読みフェアをリアル書店で展開するなど、電子書籍だけじゃなく、紙の本を売るための仕掛けも取次さんや出版社さんと一緒に考えたりしています。
※株式会社トーハン…日本の出版取次における、二大大手の一つ。

-紙の書店とは競合しないのでしょうか。

村田:実はその逆で、LINEマンガで無料配信されると、電子書籍だけじゃなく紙のコミックスも売れる、ということが起きています。LINEマンガの無料連載作品を読んだ後、次の更新を待ちきれずに紙(新品)の本を購入したり、単純にLINEマンガを無料試し読みツールとして利用していて、購入は紙で、という層が一定数以上いるのです。こういった現状を元に、出版社さんだったり、作家さんだったり、取次さんだったり、書店さんだったりが様々な仕掛けを自発的にも行うようになっていて、それが回り始めているような状態です。LINEマンガは、オンライン・オフライン関係なく、漫画を売るためのエコシステムの中心に成長しつつあるなと感じています。

-今後も、その方向性を強化していくのでしょうか。

村田:そうですね。今の若い子たちは、なかなか雑誌を読まなくなってきています。雑誌で漫画を読む人は、それなりの年齢を重ねた人が多くて、若い子たちほど、雑誌のブランドで読むというより、シンプルに、面白そうだから読む、話題だからとりあえず読む、というライトなマンガ読みになっていると思います。そういう子たちが毎日何時間も使っているスマホには、ゲームだったり、動画だったり、色々な娯楽の選択肢があります。使えるお金はもちろん、そもそも可処分時間が限られているので、ゲームや動画といったライバルがいる中、まずはいかに漫画に時間を使ってもらえるサービスにするか、ということが重要です。だからこそ、出版社横断型でたくさん漫画が読めるプラットフォームであることは、まず、可処分時間の使い道にゲームや動画ではなくLINEマンガを選んでもらうためには必要なことで、それが支持され、ユーザーが集まり、結果的に紙・電子に限らず漫画も売れて出版業界に貢献するサービスになっていると考えています。

 

一線級の雑誌で人気を得ている作品と同じ条件・土俵で戦うことで、作品力が鍛えられる

-オリジナル作品をやる理由は何でしょうか?

村田:実は、LINEマンガが始まった2013年当初は、オリジナル作品を行う予定はまったくありませんでした。しかし、ユーザーがLINEマンガを使い続ける理由として、LINEマンガでしか読めない漫画がある、というのは重要な武器になります。出版社さんの作品は、LINEマンガ以外の電子書籍ストアやリアル書店でも買って読むことができるので、サービスを使い続ける強い動機にはなりづらいですが、LINEマンガでしか読めない作品を好きになってくれれば、完結まではずっとLINEマンガを使ってくれるでしょう。

また、LINEマンガオリジナル作品から強いIP(※)を産み出せれば、すぐにスタンプだったり、ゲームだったり、コンテンツの二次展開も積極的に検討できます。そうなってくると、LINEマンガ編集部が生み出したIPがLINEの収益の成長エンジンになる可能性も十分にあると考えています。
※IP…intellectual property=知的財産。漫画やゲームなどのコンテンツ作品を指す。

-出版業界への貢献と、LINEマンガそのものへの集客の両軸で展開していくということですね。

村田:そうですね。出版業界とLINE、どちらにとってもWin-Winになるように、と思ってやっています。LINEマンガというサービスにとっては、LINEマンガオリジナル作品もあくまで出版社の一つから提供される作品という位置付けで、オリジナルだからといって過度に優遇はされないように配慮もしています。LINEマンガの事業部は、「編集」「企画」「運用」の3チームがあって、業務の住み分けもおこなっています。逆を言えば、出版社の一線級の雑誌で人気を得ている作品と同じ条件・土俵で戦うことを強いられるので、より作品力が鍛えられる環境と言えます。過酷な環境で勝負するからこそ、質の高いものが生まれると思っています。

-LINEマンガの読者の傾向はありますか?

村田:ユーザーの男女比で言うと、6対4で女性が多いですね。年齢は15-­19歳の利用が27%である一方、20-30代の利用も60%(20代:35%、30代:25%)となっており、若年層のみならず幅広い層で利用されています。少女誌、女性誌、少年誌、青年誌と様々な年代向けのレーベルの作品が人気を集めており売上もあげているので、色んな漫画好きがいると言えます。

-WEB媒体を読む人の傾向などはあるのでしょうか。

村田:WEBでコンテンツを楽しむ人は、ちょっとした隙間時間の暇つぶしとして利用する人が多いので、毎日読みにくる人の割合がとても多いのが特徴です。そのため、更新頻度も非常に重要で、月刊更新だと読者のサイクル的に間が空きすぎてしまうので、理想的には週刊ですが、遅くとも隔週、ということは意識しています。せっかくの作品が、面白いかどうかではなく、更新頻度が遅い、ということで読者離れを起こしてしまうことは、作品にとっても不幸なことなので、更新頻度を保つための工夫もしています。

-その工夫について、もう少し具体的に教えていただけますか?

村田:例えばこれは、出版社さんの無料連載の事例ですが、少女漫画の場合、基本的には月刊連載で、1話あたりのページ数が多くなっています。そのため、LINEマンガの無料連載に際しては、1話を話の区切りを鑑みて2分割や3分割にして、うまく週刊で更新するように提案しています。

また、ページ数に関しても無料連載の場合は1話あたり14~20ページが適切なボリュームかな、というのは読者のコメントでの反応を見ていて感じます。第1話は40Pや50Pなど長くなることもありますが、それ以降は14〜20Pを基本にしています。電車のちょっとした待ち時間に読むとか、昼休みとか、寝る前とか、日常の隙間時間に読んでもらうためには、週刊漫画誌の1話あたりのページ数を鑑みても、14~20ページが適切なのだろうな、と。

 

2017年中に30本の新連載を立ち上げます!

-先ほど、LINEマンガには3つのチームがあると伺いましたが、それぞれどのような役割なのでしょうか。

村田:編集チームがいわゆる編集部で、オリジナル作品を仕込んでいます。企画チームはアプリの企画・開発などをやっているところですね。運用チームが各出版社さんとの窓口になって、無料キャンペーンや掲載作品の調整など、電子書籍のストアと無料連載のところのサービス運用を担当しています。

-編集チームは何名でやっているのでしょうか。

村田:いま9名ですね。中野が編集長で、私がマネージャーで、他に編集者4名、書店営業1名、編集アシスタント1名、財務経理1名という体制です。通常、出版社だと編集部のほかに紙とデジタルの販売・営業部とか、経理財務とか部署が分かれているのですが、LINEマンガの場合は編集チームの中に、書店営業スタッフもいて、経理財務などのサポートスタッフもいて、というように出版にかかる機能が集約されています。社外にもパートナー企業はいますが、基本的にはこの9人で1つの出版社をやっているみたいなものですね。このメンバーで新連載のネームコンペもやるし、コミックスの販売戦略もやるし、映像化の窓口とかもやります。LINEが発行元になっているので、もちろん、コミックスの部数の決定もチーム内で行います。それぞれの担当によってやることは分けているのですが、それでも個々人の編集者の携われる範囲は広いと思います。LINEというプラットフォームを使ったプロモーションには様々な選択肢がありますし、どんどん新しいサービスが生まれているので、企画のしがいがありますね。

-新連載のネームコンペはどれくらいの頻度でやっているんですか?

中野:今年からオリジナルの作品数を増やす、という目標があるので、まず就任直後の1月に、次はついこの間5月締め切り、6月実施、という形でネームコンペを行いました。春、夏、冬という形で今年はやっていきます。いま12本(6月末時点)が連載中ですが、2017年中に合計30本くらいの新連載を仕込むことが編集部の課題になっています。

-すると、3倍くらいになるわけですね。

中野:ラインナップの入れ替えはありますが、既存作にネームコンペ等から選出した新作をプラスして大体年間30本かそれ以上連載することでヒット作が出る土壌が育まれると考えているので、そこをベンチマークにしています。LINEマンガオリジナルでは春の新連載攻勢、という形で6本スタートしました。そこは、特に強化しているところです。また、連載本数を増やさないと、オリジナル作品がある、という認知度が上がりませんし、コミックス化された際に書店の棚を確保することができません。電子だけでなく紙の単行本も本気で売っていくことで読者拡大を目指しています

-すでに無料連載で読んでいる読者もいると思うのですが、紙の単行本で買う人の心理というのは、どのように分析されていますか?

村田:読者ごとの趣味趣向にもよりますが、LINEマンガの特徴として作品と読者の距離が近い、ということがあるので、それが単行本の購買に影響することも大いにあると思います。読者のコメントが毎話数百以上寄せられ、作者からもコメントを毎話の読み終わりに記載することで、読者は作家の人柄も感じ取ることができて、作品のファンになることはもちろん、より深い「作家のファン」になる、ということも起きています。さらに、LINEマンガ上では非公開のコミックス限定エピソードを収録したり、装丁にも拘ったりして、作品のファンが手元に置いておきたいと感じさせる工夫をちりばめています。

また、電子書籍だとクレジット決済やキャリア決済になるので、多くの10代は電子で自由に買うことができない状態です。実際に、LINEマンガユーザーに紙とデジタルどっちで買うかというアンケートをとると、若い人ほど、紙で買うという割合が増えます。電子書籍のサービス担当者がいうのもなんですが、収集癖や所有欲が満たされるのも紙のコミックスですし、紙のコミックスの役割は非常に大きいと考えています。

【編集長の部屋12】LINEマンガ中野崇編集長②「新人の作家さんでヒットを出し、媒体のブランド力につなげる」へ続く

インタビュー・ライティング:トキワ荘プロジェクト 福間、川原、岡嶋

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