【MANZEMI 出張掲載No.4】アイデア力を上げる効果的なメソッドとは？

前回、多くのネームが出来ない人がもつ「話を終えられない」という悩みについての解決策を紹介しました。

しかし、「そもそもアイデアがうかばない」という根源的な悩みをもつ人も多いのではないでしょうか？今回は、漫画家を数多く輩出している“MANZEMI”で講師を務める喜多野 土竜（きたの もぐら）先生に、アイデア力を上げる手法について解説してもらいます。

アイデア力が無い場合、漫画以外の創作に刺激を受けたり、日頃から思いついたアイデアを小まめにメモする癖を付けたり、古典作品のアイデアをアレンジする練習を繰り返すなどの日々の努力で克服するほか、思い切ってアイデアマンの原作者やブレーンをつけるといった解決策もあるでしょう。講座でも、様々な方法で練習を行いますが、そのうちの一つをご紹介します。

　■複数人でシチュエーションを出し合う■　

いわゆる「２シチュエーション作話メソッド」というものです。

誰かが前半のシチュエーションを出し、それに対して意外性のあるシチュエーションを別の人間が出し、それを掌編や短編に紡いでいく、討論型の作品作りです。具体的には、「シャワーを浴びたら」という前半のシチュエーションを出されたら、「彼女を殺すつもり」とか「味噌汁にプチトマトを入れる」とか「猫を舐める」など、できるだけ突拍子もない組み合わせを考えます。

この方法で50個ほどもアイデアを出すと、２〜３個ぐらいは想像力を刺激するような組み合わせが生まれます。それを掌編や短編に広げる展開を考えればいいのです。これはあくまでも発想の訓練として行います。

　■組み合わせる■　

今度は「〜だったら」という前半のシチュエーションをさらに50個ほど考えて、先ほどの後半のシチュエーションと組み合わせを検討します。これで2500個の組み合わせができます。自分の脳内にある言葉は、傾向やパターンが偏りがちです。できるだけ趣味や得意分野の異なる人間同士でこれをやると、意外な言葉やシチュエーションなど、自分にはない発想がもらえて、想像力が広がり、意外なアイデアが生まれます（ただし、売れた後に著作権で揉めることがあります）。

■質より量で繰り返す■
デリヘルを呼んだら＋元彼女　・私が愛した＋平家蟹・生まれ変わったら＋ツタンカーメン、など、とにかくアイデアを出すことが大事。最初のうちは質より量を重視してください。出てきた組み合わせで、無理にでも展開を考えます。大事なのは、こんなの思い浮かばないよ、と最初から白旗をあげないこと。発想できないと確認することも、自分の苦手を知ることができて、無駄ではありません。コツがつかめたら、前半と後半のシチュエーション合計100個をカードに書き出して、ランダムにシャッフルすれば、一人でも練習できます。

こういった鍛錬方法は、「ネオ三題噺メソッド」、「１行シチュエーション作話術」、「後日譚メソッド」、「稀人来訪譚メソッド」など他にもいくつかあります。皆さんの得手不得手、適性は千差万別ですから。詳しく知りたい方は講座でお会いしましょう。次回は2月に、「コマ割り講座」と「小説・映画から学ぶストーリー講座」を開催予定です。

MANZEMIネーム講座では、これらの制作に関する知識だけでなく、根本的な創作の方法論を学び、方法論に裏打ちされた添削指導を受けることができます。興味があれば、まずは説明会へご参加ください。次回は「小説・映画から学ぶストーリー講座」を2020年、2月7日（金）よりスタートいたします！

頭の中にある断片的なシーンやキャラクターを、１つの作品として書き出せるようになることを目指しますので、少しでも興味があればまずはサイトに見に来てください。
紹介サイト：https://graphium.jp/blog/20200207

執筆：NEWVERY

■マンガ家むけ教育講座 MANZEMI(マンゼミ)とは？

MANZEMI（マンゼミ）とは、プロを目指すマンガ家・クリエイターを育てるスクールです。雑誌・単行本デビューを100名以上輩出したトキワ荘プロジェクトが、企画・運営しています。漫画の描き方が分からない初心者であっても、理論と実践をサイクルで回し、一気に上達することが可能です。

詳しくはこちら
https://manzemi.net/

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